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ユーシャハシナナイ  作者: 日暮蛍
少女のお話。
3/23

冒険者は仕事を探す。

アシバがこの町の冒険者ギルドに来てから数日経つ。

彼にかかればどんなに高難度の依頼も容易く遂行すると言われている。そのため町の人達の間では金の冒険者候補として彼の活躍に注目している。


「成体のコモントカゲやハイウルフの群れを1人で倒すなんて本当にすごいなぁ。」


どちらもアシバが倒した害獣対象の生き物でよくギルドで討伐の依頼がやって来る。本来なら入念な準備をして5人以上の銀の冒険者で仕留めるのだけど彼は一人でいとも簡単に倒したというのだ。


ギルドのランクには金、銀、銅の3つのランクに分けられていてる。1番上の金は冒険者ギルドではほんの数人しかいないと言われている。金を目指して冒険者ギルドに入ったという人もいるけどそのほとんどが銀止まり。それだけ金と銀の差は大きいのだ。私自身、実力はあると自負しているけど所詮は銀。彼はまだ銅の称号だけどそれはまだ入ったばかりだからだ。彼ならすぐに金の称号をもらえる。


「…頑張らないと。」


夢を叶えるためにお金を貯めるのはこれからも変わらない。ただ、叶えたい夢がもう一つ増えただけだ。


彼にお礼が言いたい。


あの時倒してくれた人とは違うかも知れない。それでも、その時はその時だ。まずは彼にお礼を言おう。

そのためにまずは彼との接点を作らなければ。自己紹介はしたけれどこのままじゃ忘れられる。だから色々な仕事をして功績を挙げて彼との接触を図ろう。

しばらくはこれをやっていこう。


「明日から頑張るぞ!」


そうと決まればいい仕事を手に入れるために早く寝て早朝にギルドに行こう。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



翌朝。

早速ギルドに行き仕事を探すため依頼の内容が書かれているものが隙間なく貼られている提示版を見る。朝早く来たおかげで冒険者は少なく、依頼の数は充実している。今日は採取関係の依頼が多いようだ。そのほとんどは初心者向けの簡単なものばかりだから横取りするようで悪い気がするのでひとまず除外する。


「うーん。」


・湖に生息するジャイアントヒルの討伐

・ホルス商会の会長ハラミンの護衛


私1人で出来そうなのはこの2つだ。

ジャイアントヒルは別名人食いヒルと呼ばれていて人の血が好物な厄介なヒルだ。普段は沼に生息するけどここ最近湖に住み着いてしまったのでそれを退治してほしいそうだ。

ハラミン会長の護衛は隣国のパルステ王国にて会食があるためその道中の護衛を冒険者ギルドに依頼したようだ。護衛の仕事は何度かやったことがあるし報酬もいいけど、この依頼は受けたくない。

ハラミン会長は悪い意味で有名だ。女癖の悪さや部下に暴力を振るっているというのは序の口で他にも様々な悪評が飛びかっている。冒険者ギルドでもハラミン会長の依頼を受けて散々な目にあったという話は何度も聞いている。


「やっぱりジャイアントヒルの討伐かな。」


手強い相手だけどハラミン会長のよりかはマシだと思いこれに決めようかと手に取ろうとした時、



『ガラァン、ガラァン、ガラァン』



外から町の鐘の音が聞こえる。1回や2回じゃない。何回も何回も大きな鐘の音が街全体に鳴り響いている。

鐘を鳴らす理由は2つある。

1つは時間を知らせるために何回かにわけて鳴らされる合図。

そしてもう1つは緊急事態を知らせる警告の合図だ。

時間を知らせるものとは全く違うからきっと後者だ。



『ギィィィ』



鐘の音のせいで聞こえづらいけど立て付けの悪いギルドの扉が開く音が聞こえる。誰が来たんだろう。


「マスターはいるか!」


息を切らせながらやってきたその人の鎧には見覚えがある。あれは騎士団団長セイロリーが率いるカルツォーネ騎士団の者達の鎧だ。

ただ事ではないと悟ったギルドの職員の1人が騎士の方へと駆け寄る。


「どうされましたか!」

「大変なことが起きた。」


騎士の表情から恐怖が色濃く感じる。これから彼が話す情報はとても危険なものだと私は感じた。その場にいた人達もこの場の空気が張り詰める。


「東から暴牛の大群がこちらに向かって来ているようなんだ。至急、討伐依頼を頼みたい!」


騎士の言葉を聞いた途端、慌ててギルドマスターや他の冒険者を呼びに職員と冒険者の何人かが慌てて外に飛び出して行った。

ギルドにとどまっている残りの人達はこれから壮絶な戦いが始まることを知り、緊張感が漂わせている。



『ギィィィ』



そこへまた誰かが来たみたいだ。

今度はなんだと思い全員が一斉に振り向く。


「ねぇ何?この騒ぎ。」


やって来たのはなんの事情も知らないらしいアシバだった。

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