はじまりの森

プロローグ

　この世界には、二種類の生き物が存在した。

　神の意志によって生み出された生き物。それはつまり獣、鳥、魚、虫たち、そして人間を意味する。

そして、神の意志に反して生まれてきた生き物。彼らは“魔物”と呼ばれた。

　“魔物”は影の生き物と蔑まれ、次第に数を減らしていった。しかし、数少なくなった彼らは不思議な力を持つようになった。

　“魔物”たちはさまざまな生き方を選んだ。

人間の街に隠れ住む者、人気のない森や山でひっそりと暮らす者。

そして、中には人間を襲う者も現れた。