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8/11

お前の罪を数えろっ

誤字、脱字があればご指摘下さい

ガタン ガタン ガタン


俺はいま、王都行きの馬車の中にいる。

両隣にはサクヤとセシルさん。

糞王に呼び出されたおかげでいい迷惑だ。

……主に俺の尻が。


とりあえず揺れすぎ!滅茶苦茶尻が痛い。

知らない騎士が見張ってるから創造するって訳にも

いかないし。


サクヤとセシルさんはちゃっかり自分でクッション

持って来てるし。

俺にも教えろよ!!





セシルさんによると今回の件は、俺達は恩賞という

言い訳でサクヤを奪い、セシルさんは

防衛戦の責任を追及されるかもしれないらしい。

何せ半数の騎士どもが死んだからな。


…………俺のせいで。

セシルさんごめんなさい。


いやもう本当申し訳ない!!というわけで

セシルさんに謝ったら

通常今回のような場合は恩賞を貰うことは

あっても、罰せられることはまずないらしい。

彼女いわく、以前王に言い寄られた時に逃げたことが関係しているのだろうとの事だ。


本当に困ったな、これは。

本当に冒険者にならないか聞いてみるか。


(セシルさん、聞こえますか?アカツキです)


(!? なっ、これは念話ですか。どうしました?)


冷静だな、念話ってかなり珍しいから

もっと驚くかと思ったのに。さすがだ。


(セシルさん、騎士をやめて

本当に俺達と一緒に来ませんか?)


(……しかしそうなった場合、ヤギュウ殿に

迷惑がかかるのでは?)


(そんなことは気にしません。重要なのは

セシルさんがどうしたいかです)


……格好いい事言ってるけど内心かなりドキドキ

断られたらホントショックだし。

実際迷惑なんて大して問題ない。

糞王がふざけたことぬかしたら迷わず潰す。

その後で糞貴族どもを脅せば万事オーケー♪

国が敵でも勝てるから。


(私は……出来ることならあなたと一緒に

旅をしたいです)


(じゃあ一緒に行きましょう。

王には俺が話をつけます。任せて下さい)


(分かりました。信じてますからね)



良かった、やっと笑顔が戻ったよ。

やっぱり美人は笑顔じゃないとね。


(サクヤ、セシルさんも一緒に旅することに

なったから)


(やっぱりの。そうなると思っておったんじゃ。

また言うことを聞いて貰うからの)

サクヤがこっちを見ながら苦笑していた。


さすがサクヤ俺のことよくわかってる~






「降りろ」


数十分後、城に到着し馬車から降ろされた。

半端なく大きい。

城なんて初めてみたがこれほどとは。

先ほどの騎士に案内されて城内を進む。

内装にもかなり金がかかっているようで、

絢爛豪華な調度品の数々が飾ってある。

セシルさんいわく、今の王は派手好きで

ここにあるのはほとんど最近集められた物らしい。


「ここで待っていろ」


謁見の間のような所で床を見ながら糞王を待つ。



数分後、糞王が玉座に座った。


「面を上げよ」


糞王の言葉で顔をあげる。

どんな面をしているのかと糞王を見ると

豚が頭に王冠をのせて座っていた。



危うく噴き出すところだったぜ。

まさか性格だけでなく、顔まで残念な奴だったとは。


「騎士隊長セシル・ヴロワよ。先の魔物の襲撃では

約半数の騎士を失ったそうではないか。

この責任はどうするつもりだ?」


「はっ。責任を取り騎士を辞め、冒険者になる

所存であります」


「は?」


クハハッ、どいつもポカンとしてやがる。

さすがに予想外だったようだな!!


「っっっ!!何を申しておる!! 処刑を求める者も

いるのだ!それをワシがかばってやったのだぞ!?

もうよい、ワシの妾になるか処刑かどちらかを

選べ!!しばし考える時間を与える故

よく考えるのだな!


して冒険者サクヤよ、此度の活躍見事だった。

特別にワシの側室にしてやろう」


「断る」

サクヤが即答した。

しかも心底嫌そうな顔で。

クハハ、おもしろ~

まあ当然だね、サクヤは俺のものだからな♪


「貴様、王の恩賞を断るというか!!!

貴様も処刑にするぞ!!」


そろそろ潮時だな。

「おい王様よ」


「貴様!王の御前であるぞ!!無礼であろう!!」


宰相と周りの貴族どもが俺に怒鳴る。

「うるさいぞ、屑どもは黙ってろ」


少し殺気をこめて睨むと泡ふいて気絶しやがった。

というかこの程度で動けなくなる近衛騎士って…

役立たずにも程があるだろ。


「まあいい、して王様、お前国を荒れ果てさせ

国民に恨まれてなにやってんの?

女漁る前に王としての責務果たせよ」


「き、貴様~!ワシはこの国の王だぞ!!

何故貴様の言うことなど「ダァァン!!」ヒイッ!?」


まだ状況がわかっていないようなので

顔の横を撃ち抜く。

俺、今回結構怒ってるんだよね。


「黙れ、お前に発言権は無い。そして選択肢もな。

まず追放した旧臣達を呼び戻せ。その後

ここにいる貴族どもを処刑しろ。そして政治を

旧臣達に任せてお前は参加するな。

ただのこ国の象徴になれ。わかったな?

さあ誓え」


渋る糞王に銃を突き付ける。

「ぐうっ、わかった、ここに誓う。

……「キィィン」な、なんだこれは!?」


糞王の左胸が輝き出す。

「制約の証だ。一つでも誓いを破ろうとすれば

俺に伝わり、お前の心臓を止める。

くれぐれも馬鹿な真似はしないことだな。

………さて、二人とも帰ろうか」


「そうじゃな」

「はい」


「ま、待て!!」


後ろで糞王が何か喚いているがまあ無視しても

構わないだろう。


糞王の喚き声を背に俺達は城を後にした。




今後のことについて話すため俺達は宿に戻った。


「さて、

まずセシルさん改めてよろしくお願いします」


「こちらこそよろしくお願いしますね。あと敬語は

やめていいですよ。これからは一緒に旅をする

わけですから。名前も呼び捨てで構いません。」


「そっか、わかった。セシルも俺のこともアカツキでいいよ。」


「分かりました、アカツキ様」


「我のことはサクヤでよいのじゃ」


「はい、よろしくお願いします、サクヤ」


「さて自己紹介も済んだところでセシル、

ステータスを見せ合わないか?」


戦力の把握は重要だからな


「構いませんよ。はい、どうぞ」



セシル・ヴロワ

《Lv119》 種族… 人族


MP 770

STR 700

DEF 700

AGI 800

VIT 730

INT 810


《スキル》

光凛閃舞……光刃による全方位攻撃




ふむ、やっぱり最強クラスだったか

結構バランスよく上がってるな


「さて、俺達のステータスを見る前に一つだけ

約束してほしいことがある」


「お二人のステータスのことを秘密にすることですか?」


ああ、やっぱり分かってたか

「その通りだよ、いいかな?」


「勿論、というより自分のステータスなんて

よほど信頼してる人にしか見せないんですよ?

だから他人に言ったりしません」


……そうだったのか

俺の場合、自分のはスキルで隠蔽してるし、他人のは見ようと思えば勝手に見れるからまったく気にして

なかった


これからは気を付けなくては


「そっか、ありがとね。じゃあはい」

「我のはこれじゃ」

ちなみにこの前の防衛戦でレベルが倍の

160になってステータスが平均81000、MPに

いたっては、8100000になっていた。


「………流石にこれは予想以上でした。まさか

ここまでずば抜けて強いとは。

そしてアカツキ様は不老不死なんですね」


なんか反応薄くない?

もっと驚くと思ってたのに。

「まあそうだね。というかあんまり驚いてない?」


「驚いてますよ。でもそれよりも私だけが年老いて

死んでいくことを考えると少し悲しくなった

だけです」


っっ!そうか、サクヤはフェンリルだから殺され


なければ死ぬことはないし、俺も不老不死。


しまったな、少々迂闊だった。

「ごめん、傷付けたよな。……もし、セシルが望む

なら俺の力で不老不死にできるけど、どうする?」

「お願いします!!」


即答かよ。

「でも周りの人達はどんどんいなくなっちゃうよ?

そのなかで俺達だけ悠久の時を生きるんだ。

それでもいいのか?」


「構いません。それで貴方といられるのなら」


なんかこの世界に来てから異様にモテるな。

サクヤといいセシルといい。

なんだ?創造神の力って魅力も増えんのか?


「わかった。じゃあ行くよ、【魔改造】

……よし、出来たよ」


「ありがとうございます。これでずっと一緒に

いられますね」


うん、この笑顔が見れるだけでもやった甲斐が

あったと思えるね。


「…………お主ら我の存在を忘れておるじゃろ」


ヤベ、放っといたからサクヤが怒ってる。

凄い美人だから迫力あるんだよね~


「はっはっは、俺がサクヤのことを忘れるはずが

ないじゃないか」

……忘れてないよ、いや本当だよ?


「主様よ、嘘をつく時はいつも頭を掻いておるぞ。

気付いていたかの?」


「何!?そんな癖があったのか!?」


「……やっぱり嘘ついたんじゃな?

我はとても傷ついたぞ」


馬鹿なっ!?この俺が騙されただと!?

こいつ、いつの間にこんな技術を…


「あ~、すまん、許して下さい」


「くふふ、今夜は寝かせないからの♪」


いや、むしろご褒美です。

ありがとうございます。


「あ、あの~、寝かせないとはやっぱり

そういう事ですか?」


あ、今度はセシルを忘れてた。


「くふ、そうじゃ。じゃからお主は別の部屋で

寝るとよい」


「(ムッ)、あの!私も交ぜて下さい!!」


いきなり何言ってんの、この子!?

「いや、あの、そういうことは本当にしたい人と

した方がいいんじゃ…」

「だからです!サクヤには負けられません!!」


「あの、勝ち負けとかじゃなくて、もっと仲良く

してもらえると……」

「いいじゃろう!ではどちらの方が主様を満足

させられるか勝負じゃ!!」


「いや、だから勝負とか……」

「望むところです!!」


……イラッ!! こ~い~つ~らぁ~


ビシッ 「いたっ!?」 「きゃう!?」

二人にチョップをかまして黙らせる。

「「何するんじゃ(ですか)!」」


「俺の話を聞かんかい!

……まったく。まず、二人とも喧嘩するな。

セシル、お前が俺で良いのなら喜んで

受け入れるから、サクヤにかみつくな。

あとサクヤ、お前はセシルを煽るな。

いい大人なんだから落ち着け。

二人とも喧嘩したら俺は侵入出来ないように

結界張ってから一人で寝るからな」


「「そんな!?」」


「仲良くするな?」

「「……はい」」


これでよし。

……やっぱりこの力を得てから対女スキルが凄まじい事になってる気がするんだが?

もしかして創造神のじいさんもこんな感じだったのか?



その後、二時間程今後の予定について話し合った。

聞くとセシルは既に冒険者登録はしているらしいので、とりあえず早いうちに王都を離れて別の町に行く

ことにした。


話し合いの後、飯もそこそこに二人が風呂に行った。

まだ明るいうちからベッドでの戦いを始める気

なんだろうか。


結局風呂から上がった二人にベッドへ押し倒されて、戦いのゴングが鳴った。


………数分後には攻守逆転して俺がふたりを啼かせていたがなっ







次の日の昼、まだ寝ている二人を起こさないように

俺はベッドから出た。

昨夜はかなり早い時間から二人の相手をしていたので少し眠い。

流石に俺の相手は初めてのセシルにはきつかった

らしく、夜中にはベッドに沈んでいた。

まあセシルは不老不死なだけであとは少し強い普通の人族だからな。

問題はその後のサクヤだった。

もう本当に喰われるかと思う程に搾り取られた。



さて、今日はこの町の知り合いにお別れを言いに行く予定だ。


そろそろ二人を起こして準備しなくては。


………マナさんともお別れだ、はぁ…




―――――――――――――


二人を起こした後、昼食をとってから、

この町の数少ない知り合いにお別れを言って回って

いる。

どの人も俺なんかとの別れを惜しんでくれる、

いい人ばかりだ。


……八百屋のおっちゃんは泣きながらサクヤに

抱き付こうとして奥さんに殴られてたけど。

自業自得だ。


さて、いろんな所を回った訳だが…

やはり最後はここ、ギルドだろう。


ううっ、マナさんとお別れなんて…


「主様?」 「アカツキ様?」


「すいません、何でもないです、さあ行きましょう」


……二人に睨まれた。




「こんにちは、マスターに話があるので、呼んで


もらっていいですか?あとマナさんも」

そばにいた職員に伝言を頼む。


数分待つとギルマス室に通された。


「やあ、今日はどうしたんだ?」


中ではマスターとマナさんが椅子に座っていた。


俺は城での出来事とこの町を離れて旅に出るつもりだということを伝えた。


「そんな!アカツキさんいなくなっちゃうんですか!?」


マナさんが涙目で詰め寄ってくる。

可愛いなぁ……いたっ、二人に足を踏まれた。


「ええ、でもそのうちまた戻ってくるつもりですから

その時はまたよろしくお願いしますね。」


「分かりました。待ってますから絶対戻ってきて


下さいね」


ん~、旅に出たくなくなるね、これは。


「はい、ではその時までさよなら」





――――――――――――


「主様はモテるんじゃのう」


ああ、サクヤが怖い。


「アカツキ様はモテるんですねぇ」


セシルも怖い。

くそう、こうなったら開き直ってやる!

「フハハ、まあな。羨ましいだろ!!」


「「今夜は覚悟しておくんじゃな(下さいね)」


「……あまり無理はしないで下さい」


俺は少し肩を落として宿へと歩き出した。


ああ、また今日も寝れないのか。

きっと明日の太陽も少しだけ黄色いんだろうなぁ。


そんな嬉しいような悲しいような、他の男が聞いたら殴られそうなことを考えながら。



感想お待ちしています

マナさんはヒロインではありませんでした~


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