愛しき我がモフモフよ
モフモフの動物可愛いですよね
誤字、脱字を見つけたら
ぜひご指摘下さい
俺は朝から小鬼の森のそばの草原に来ている。
立ち入り制限のおかげで人が全然いないからね。
さて、何故俺が朝っぱらからこんな辺鄙なところにいるのかというと…
ズバリ、愛しきモフモフを召喚するためである。
昨日からわくわくしてたんだよ。
オッサンみたいに可愛いモフモフだといいな。
「人がいないうちに召喚するか。《神魔召喚》」
これは神代魔法という今は失われた伝説の魔法の
一つで最高位の召喚魔法だ。
ちなみに魔法は
下級→中級→上級→最上級→覇王級→古代→神代
の順に強くなり、今最も優秀と言われる魔術師は
最上級まで撃てるらしい。
覇王級以上の魔法は今使える人がいないため、
“ロストマジック”と呼ばれている。
また基本属性は火・水・土・風の4つで、
これらから派生した雷・氷や時・空など様々ある。
また血継魔法と言われる血族特有の変わった
魔法もある。
さて、召喚はどうなったかと言うと
召喚の余波で 草原が吹き飛びそうだったので
急遽俺の精神世界に呼び込めるように術式改造
しました。
そして俺の目の前には全長15メートルほどの
白銀の毛をした狼がいます。
めちゃくちゃモフりたいです。
「えっと、君のなまえは?」
今のは神言語という神の言葉だから伝わったはず。
神言語は全ての意思ある生物と話せるのだ。
「…………」
あれ?無言で睨み付けられている。
金色の瞳が綺麗だな~。
「俺はアカツキ。アカツキ・ヤギュウだ。
君の名前を教えてよ♪」
さあ教えてくれっ、愛しの大きなモフモフよ!!
「………我が名はフェンリル。神喰らいの神狼じゃ。して小僧、我を呼び出したのじゃ 、
覚悟はできておろうな?」
おお、フェンリルだと!?巨大モフモフの代表
みたいな奴じゃないか。
これは絶対に契約してもらわなくては!!
そしたらモフモフし放題じゃないか!!!!
(っっ!?なんか寒気がしたんじゃが?)
「なあフェンリル、俺と契約してくれないか?」
「契約じゃと?馬鹿者が、偉そうな口をきくな。
この我が契約などするわけなかろう?」
「なら俺がお前に勝ったら契約してくれるか?」
「我に勝つ?クククッ、いいじゃろう、勝ったら
契約してやろう。だがな、舐めるなよ小僧!!
貴様はここで喰い殺してくれる!!!!」
ズッバアアアン!! ガッガギィィィン!!
ダァァァン!! ゴオァァァァ!!!!
さすがフェンリル、半端なく強いな。
しかも無詠唱で覇王級魔法撃ってるし。
そろそろ俺もやり返すかな。
でも傷付けないようにしないと。
ここはやっぱり“アレ”だな。
「どうした小僧!?その程度か!!!?」
ゴファァァァァ! ギャリィィィィン!!
ガッギィィィン !! ゴォォォォォン!!!!
「いくぜフェンリル、【神器創生】
“神鎖 グレイプニル”!!」
「なにっっ!!?小僧、貴様何故それを持っている!?」
「持っていた訳じゃない。いま“創った”んだ」
そう、スキル【神器創生】は神話に存在する物を
俺の力を加えて“創る”ことができる。
つまりオリジナルより強い♪
キィィィィィィィン!!!!
「グゥゥゥゥゥゥ! ……………我の負けじゃ。
この鎖は砕けぬ」
よっしゃ!!これでモフモフできる。
……………って、あれ?テンション上がりすぎて
いま気づいたけど、かなり無理矢理だった気が…
ヤベ、俺最悪じゃん!
「ごめんフェンリル無理矢理契約しようとして。
契約したくなかったらしなくていいよ…」
あぶない、最悪な奴になるとこだったよ。
名残惜しいけど諦めなきゃだめかな。
「何を言っておるのじゃ?嫌ではない。
貴様は我を初めて打ち負かしたのじゃ。
我の全ては小僧、いや主様のものじゃよ」
っっっ!?なんて嬉しいことを言ってくれるんだ!!
「~~~っっ!! 愛してるぞフェンリル!!!!」
「な、あ、愛してるじゃと!!!?」
こいつめっ、嬉しいから動物啼かせと言われた
俺のゴールドフィンガーで撫でまくってやるっ!
「え、ちょ、主様やめっ、ちょ、待っ、
あ、駄目っ、ああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「はあ、 はあ、 はあ、 主様!!
あの撫で方は凶器、いや兵器じゃ!!今後は禁止じゃ!!」
え~、向こうの動物は喜んでたのになぁ。
フェンリルには不評だったのか、残念。
「わかったよ。ところで今のままじゃ町に
入れないから変化できない?」
「《変化》……これでよいかの?」
「……………女の子だったの?」
そう、狼の耳と尻尾をはやした銀髪の17歳程の
女の子が立っていた。
「なっ、主様は我を男じゃと思っておったのか!?
全く、失礼じゃ!!」
すっかり雄だと思ってた。
だって話し方もなんか爺くさかったし。
「あ、ああごめん
ところでフェンリルって呼ぶのもあれだよな。
なんか好きな名前とかあるか?」
「特にないかの。主様が決めてくれ」
「俺がか?う~ん、そうだな~
…………じゃあサクヤってのはどうだ?」
「いい響きじゃな、それで良い 。
……………ふふっサクヤか」
「? じゃあ契約しようか」
「そうじゃな」
「「《神盟の儀》」」
カァァァァァァァ!!
辺り一面に黄金の光が煌めいた。
これで契約完了だ。
「よろしく、サクヤ♪」
「よろしく、主様」
そろそろ現実世界に戻るか。
「サクヤ、現実世界に戻るぞ」
「わかった」
「《幻想回帰》」
「く~、現実世界では時間立ってないのに
かなり疲れたぜ」
そう、精神世界に潜る《幻想回帰》という魔法は
時魔法の応用で精神世界にいるときは
現実世界の時間は進んでいないのだ。
要するにまだまだ今日は始まったばかり。
「まだ時間も早いし、クエストでも受けるか?」
「主様よ、お腹減ったのじゃ。
先に朝食をとりたいんじゃが」
「わかった。じゃあ行こうか」
朝食の後にギルドに行くか。
俺も結構お腹空いたし。
やっぱりかなり精神的に疲れたんだな。
「……お前、どんだけ食べんの?」
俺の目の前には皿の山。
サクヤの奴俺の五倍以上食ってるし。
………これいくらになるんだろう。
「すまん、主様。久しぶりのうまい食事でな。
ついつい食べ過ぎてしまった。」
「まあいい、食ったならギルドに行くぞ。
サクヤの冒険者登録もしたいから。」
結局食事代は小金貨二枚だった。
高い料理ばっかり頼みやがってっ
「こんにちは、マナさん。
この子の冒険者登録したいんですけど」
「あの、アカツキさん?この子誰ですか?
どういう関係なんですか?」
あ、あれ?マナさんなんか怖い。
笑顔なのにめちゃくちゃ怖い。
目が笑ってない、なんか猛禽類みたいに鋭い!?
「あ、あの~、なんか怒ってます?」
「別に怒ってません。それより質問に答えて下さい」
いや、怒ってんじゃん。
クックック、嫉妬か?
「えっと、この子は「我はサクヤじゃ。アカツキは我の主様じゃ」……っておい!!」
まだ話してる途中だったのに、ひどい…
「主様ですって!?どういうことですか?」
ん~、俺の契約獣だとは言えないしな。
普通人化できるのってかなり高位の魔物だし。
絶対面倒なことになるよね。
仕方ない、念話でサクヤに相談するか。
(サクヤ、聞こえるか?相談があるんだけど)
(む、主様か。どうしたんじゃ?)
(サクヤのことどう説明しようかと思ってな。
どうする?)
(我に任せてくれんか?うまく説明しよう)
(わかった、頼む)
「何で黙ってるんですか?」
やばい、マナさんのこめかみがピクピクしてるっ
急げサクヤ!
「我が説明しよう。実は、盗賊に襲われて
奴隷にされそうになった時に助けてもらっての。
お礼に仕えることにしたんじゃ」
「お礼なら別に仕えなくてもいいのでは?」
「我が仕えたいだけじゃ。それともなにか?
我が主様に仕えると不都合でもあるかの?」
「若い男女が二人きりというのは
いかがなものかと思いますけど?」
「なんじゃ、お主は主様に惚れておるのか?」
おいそこ、ニヤニヤしながら爆弾投下するな~。
「なっ、そんなんじゃありません!!」
そんなに否定しなくても…
ちょっと傷つくんだけど。
「ならよいではないか。この話は終わりじゃ、
早く冒険者登録してくれんかの?」
(あんまりからかうなよ)
(すまん、ついつい楽しくてな)
サクヤはくくっと笑っていた。
そのあともサクヤがマナさんをからかいながらも
無事登録することができた。
まったく、自分はストレートな言葉に照れるのに
他人をからかうのは好きなのかい。
「クエストを受ける前にサクヤのステータス
見せてもらってもいい?」
サクヤがどのくらいの強さなのか滅茶苦茶気になる。
「ん?かまわんよ」
「《ステータス解析》」
この魔法は便利なんだが自分よりもステータスが
高い人には効果がないという欠点もある。
俺にとってはたいして影響ないけど。
どれどれ…
サクヤ
《Lv2050》 種族…フェンリル
MP 2050000
STR 250000
DEF 190000
AGI 340000
VIT 240000
INT 380000
《スキル》
威圧
神滅の爪牙…防御無効化
神獣の咆哮…一定時間敵の五感封印
かなり強いな。
この世界には敵無しじゃないか?
限界突破してるし。
この世界の生物も限界突破するらしいが、
魔獣以外は限界突破する前に寿命で死ぬらしい
エルフなどは長寿だがそれでもきついようだ。
そもそもステータスのうちどれか一つでも
カンストすることもかなり珍しいみたい。
「主様のも見せてくれんか?」
「いいよ~、はい」
「……………なんじゃこれは?」
柳生 暁
《Lv80》 種族…人族??
MP 4100000
STR 41000
DEF 41000
AGI 41000
VIT 41000
INT 41000
《スキル》
【不老不死】
【創造魔法】
【天衣無縫】
【限界突破】
【魔改造】
【神器創生】
「ん?あ、レベルが80に上がってる」
「いや、そんなことではない。
主様は一体何者じゃ?人間ではないのか?
我に勝つ時点で十分おかしいのじゃが」
「ん~とね、簡単にいうと
創造神の力を持った、不老不死の人間?」
まだ一応人間だよね?そう思いたい。
「……最早神じゃな。通りで我が負ける訳じゃ」
あら、サクヤが苦笑いしてる。
なんか呆れられてる?
「ま、気にすんな。それよりサクヤのギルドランク
上げなきゃいけないし、クエスト受けよう」
俺がいまAランクだから早く同じにしないと
高ランクのクエスト受けられない。
最初だしやっぱりここはゴブリンクエか?
依頼を選んで受付に向かおうとすると
派手な音を立てて扉が開いてボロボロの
冒険者が走り込んで来た。
やばい、またもや面倒事の予感だと俺の
シックスセンスが告げている。
「魔獣の大群がこの町に向かってる!!
急いでマスターに伝えてくれ!!!!」
……ほらね?
「サクヤ、どうする?」
「もちろん行くに決まっておろう?」
実に楽しそうですねサクヤさん。
「ですよね~」
何でこんなに面倒事に巻き込まれるんだ?
俺は平和ですこしだけえっちな冒険者ライフを
送りたいんだが。
全く世界はままならない。
感想お待ちしています
サクヤのステータス変更しました
加筆修正しました