ヒンドーの町で
誤字、脱字があればご指摘下さい
俺は今一人で釣りをしている。
サクヤ達ふたりは何をしているのかというと、
浜辺の方へ泳ぎにいった。
俺はかなづちだから釣り、というわけだ。
……実を言うとそれはただの口実だったりする。
だって泳ごうとおもえば魔法で顔の周りを風で
覆えばいいわけだから。
何故二人から離れたかというと、元の世界では
女とこんなに親密になった事がない俺には
四六時中サクヤ達といるのは辛いものがある。
確かに二人といるのは楽しいがもう少し
精神的安らぎが欲しい。
主にモフモフ成分とか。
サクヤに狼状態になってもらえばいいと
思うだろう。
しかしその考えは甘い!!
……契約の時以来狼状態になってくれなくなった。
そしておれのモフモフ用ゴッドハンドも封印
させらててしまった。
だから最近はサクヤの耳と尻尾だけで
モフモフ成分を補っているわけだ。
そろそろ新しい契約獣を召喚して見ようかと
思っている。
もしかしたらつぎはいつでもモフモフさせて
くれる子が来るかもしれない。
まあ、もう少し先になるとは思うが。
この短い期間で二体目なんて召喚したら、
間違いなくサクヤが拗ねる。
あいつ長生きしている割には子供っぽい所が
あるから。
というわけで俺の精神安定のためにこうして
のんびり一人で釣りをしているわけだ。
……あの二人本当に面倒事大好きだから、
一緒にいると絶対巻き込まれる。
「~♪ふ~んふんふ~ん♪」
クァクァクァ~♪
鼻歌を歌いながら釣りをしている俺の頭の上や
肩には数羽の鳥達が俺と一緒に歌っている。
こいつらはモフモフさせてくれたので
お礼に釣った魚をプレゼントしている。
だから二人へのお土産の魚は無い!
……ヤバイよ、セシルに起こられるよ。
釣った魚を持って帰らなきゃいけないことを
すっかり忘れてた。
よし、少し癪だが釣れなかった事にして
誤魔化そう。
さて、日も暮れてきたしそろそろ片付けるか。
俺が片付け始めようとすると
ビクビクッ ググッ
地面においていた竿がかなり大きく引かれた。
「おっしゃ、これはかなり大物だ!」
持ち前の馬鹿みたいな筋力で一気に釣り上げる。
するとそこには………三メートル程の龍が。
「……何で龍?」
とりあえず人気の無い所で釣っていた俺を
誉めてやりたい。
人がいる場所でこんなもん釣り上げたら
間違いなくパニックになるだろう。
それにしても魚釣りの竿にかかる龍って。
とりあえず鑑定するか。
……リヴァイアサンだと!?まだ幼龍みたいだが
なんで海龍神がこんな所にいるんだ。
グルゥゥ…
なんか弱ってんな。
「お前どうしたんだ?」
神言語で話し掛ける。
「……お腹空いた………」
……空腹かよ!
仕方ない、俺のエネルギーを分けてやるか。
食事程ではないが多少はましになるはずだ。
キィィィィン
「……力出てきた。……君いい人?」
……なんか可愛いなぁ、癒される。
見た目は龍だけど。
「ん~、いい人では無いかな。人も殺すからね」
「……でもきれいなオーラ。きっといい人」
「そうか?じゃあいい人なのかもな。ああ、
まだ自己紹介してなかったな。
俺はアカツキって言うんだ、よろしくな」
「ボク、リヴァイアサン。よろしく」
「そっか。ところでお前なんで俺の竿に
かかってたんだ?」
「……お腹空いてさ迷ってたら力の波動を感じた
から」
「なんで空腹だったんだ?」
「…いきなり棲み家から飛ばされて安全の為に
力使った。まだ子供で力あんまり強くない」
いきなり飛ばされただと?
誰かが召喚でもしようとしたのか?
はっはっは、さっぱり分からない。
「それは大変だったな。俺はもうそろそろ
帰らなきゃいけないんだ。
お前も家に送ってやるから手を握ってくれ」
……あれ?手を握ってくれない。
はっ!?もしやそんな汚ねえ手には触れたく無い!
って事か!?
「……ボク、アカツキと一緒に行きたい」
…どうやら違ったようだ。良かった。
ふむ、こいつはなかなか癒されるから
契約するのもいいかもしれんな。
「じゃあ俺と契約する?」
「…する」
「よし、じゃあいくぞ~《神盟の儀》」
カァァァァァ
サクヤの時にも使った魔法で契約を済ませる。
「オーケィ、そういえばお前名前あるのか?」
「リヴァイアサン?」
「そりゃ種族名だろ。そうじゃなくて個人名の
ことだよ」
「…ない、付けて」
「了解。じゃあ………シズクってのはどうだ?」
「…ん、それでいい」
さて、流石にこの大きさでは町には入れんな。
「なあシズク、変化でもう少し小さくなれない?」
ピカァァァァ
「……ん、これでいい?」
「あ、ああ、ありがとう」
……もう俺は驚かねえ。
例えシズクが12歳位の超絶美少女だとしても!!
大きな龍がいた場所には紺碧の髪と空色の瞳の
女の子が立っていた。
ボクって言ってたのに。
俺のパーティーにとって貴重な男だと思ったのに。
……まあ可愛いから許す。
くっ、やはり可愛いは正義だ!!
「そうだ、ギルドに登録しようか」
内心の動揺を隠し話し掛ける。
「…うん」
「あ、ギルド行く前にステータス見せてくれない?」
「……ん」
シズク
《Lv72》 種族…リヴァイアサン
MP 72000
STR 800
DEF 590
AGI 700
VIT 1000
INT 550
《スキル》
威圧
海龍神の咆哮
大海操舞………水を操作する
「なあ、この水を操作するって血液とかも
出来るのか?」
「…できる」
なんて危険なスキルなんだ。
「じゃあ次は俺だな。はい」
クククッ、シズクはどんな反応するかな?
「…ん、凄く強い。格好いい」
反応薄っ!!
「そ、そんだけ?」
「…ん、アカツキはアカツキだから」
やべえ、チビッ子の癖に悟ってる
「…なんか失礼な事考えてる」
何!?シズクも心が読めるだと!?
「そんな事ないぞー。さあギルドにいくぞー」
シズクを適当に誤魔化しながら
俺達はギルドに向かった。
俺は今宿の前でだらだらと冷や汗を流している。
二人はもう部屋にいるようだ、気配がする。
それは別にいい。
問題なのはシズクをどう説明するかだ。
「………はっ!!!!!?いいこと思いついた!シズク、
俺の言うことを聞くんだぞ」
「…?わかった」
さあ準備開始だ!
えー、あれから数時間経ちました。
現在俺は正座しています。
何があったのか振り返ってみよう。
まず俺は大きめの箱を創造した。
そのあとシズクに箱に入ってもらいセリフを教える。
そしてきれいにラッピングして完成だ。
宿に入り部屋のドアを勢いよくあける。
「ただいま、お土産だぞ」
「「お帰り(なさい)」」
二人が笑顔でふたをあけると……
「やっほー、いつもニコニコあなたの隣に
とぐろを巻いてるリヴァイアサンです」
無表情&棒読みのリヴァイアサンが……
ブチッ
あれ?なんの音だ?ゴムが切れたような……
「主様の!!」 「アカツキ様の!!」
「「馬鹿(者)~!!!!」」
というわけだ。
正直悪のりしすぎた、ごめんなさい。
とりあえず正座と夜の運動会朝までコースで
許してもらいました。
……結局寝れないし。
余談だが
シズクにはまだ早いので別の部屋を取りました。
アカツキが正座している頃。
「…ボクはシズク。種族はリヴァイアサン。
よろしく」
「我はサクヤ、フェンリルじゃ。よろしくの」
「わたしはセシルです。人族ですがアカツキ様に
不老不死にして頂きました。よろしくお願いします」
「…ん。ところであなた達はアカツキの女?」
「む、ストレートに聞くんじゃのう」
ストレートな物言いにサクヤは苦笑する。
「まあ、そうですね。私達はアカツキ様のもの
ですから」
「…そう。なら話が早い。
…私も仲間に入れて欲しい」
「お主も主様の事が?」
「…ん。アカツキ、とっても優しい」
「わかった。ではまず今夜……………」
女三人、アカツキが聞けば一人で逃亡しそうな
夜の性活予定表を作るのであった。
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