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エデン  作者: ko-da
序幕

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5/23

戦う決意

コンコン。


控えめなノック。


「入ってもいいか?」


聞き覚えのある声だった。


「……どうぞ」


扉が開く。


入ってきたのは――


エデンを救助したECO隊員。


少し疲れた顔をしている。


だが表情は柔らかい。


「体調はどうだ?」


エデンは軽く肩を回す。


「……大丈夫そうです」


隊員は小さく頷く。


そして安心したように息を吐く。


「正直、驚いた」


「君が立ってるのを見たときはな」


少し沈黙。


隊員は椅子を引いて座る。


「……覚えてるか?」


「君を運び込んだ時」


エデンは頷く。


「……なんとなく」


「助からないって顔してた」


隊員は苦笑する。


「まあな」


「医療班も半分諦めてた」


そして視線が右手に落ちる。


ラベジニウム。


インターフェース。


「……それのおかげか?」


エデンは少し迷いながらも答える。


「……多分」


隊員は数秒見つめる。


そして小さく言う。


「黒か」


声色が少し変わる。


「珍しいどころじゃない」


「ECOでもほとんど記録がないし、俺は見たこともない。」


エデンの鼓動が速くなる。


隊員は続ける。


「普通のラベジニウムより危険だ」


「能力が強い分、代償もでかい」


エデンは思わず右手を握る。


隊員はその動きを見て少しだけ優しく言う。


「怖がらせたいわけじゃない」


「ただ――一人で抱え込むな」


真剣な声だった。


「困ったら俺たちに言え」


「ECOはそういう組織だ」


エデンは少し驚く。


そしてふと気づく。


「あの……」


「ん?」


「名前……まだ聞いてなかったです」


隊員は一瞬きょとんとした。


そして少し笑う。


「ああ、そうだったな」


軽く胸を叩く。


大山おおやま 大地だいち


エデンは小さく頷く。


「……エミット・エデンです」


「知ってる」


大山は笑う。


「救助したからな」


少し空気が和む。


そして大山は続ける。


「あと」


「礼を言わせてくれ」


エデンは目を見開く。


「……え?」


「病院の人間、何人も助かった」


「あのまま侵入されてたら被害はもっと出てた」


真っ直ぐな言葉。


「ありがとう」


エデンは言葉を失う。


胸の奥が熱くなる。


大山は立ち上がる。


「……無理はするなよ」


扉へ向かう。


そして止まる。


振り返る。


「もし戦うつもりなら」


真剣な声。


「覚悟を決めてからにしろ」


「中途半端な奴は死ぬ」


静かな警告。


そして少し笑う。


「まあ」


「君はもう決めてる顔してるけどな」


少しの沈黙のあと、エデンはふっと息を吸い込んだ。


「俺、戦いたい」


「どうすればECOに入れますか?」


「入隊試験だよ」


大地は真剣な顔で続ける。


「正式に隊員になるための試験がある。それに合格しなきゃ、前線には立てない。例外はない」


「試験……」


「簡単じゃないぞ、体力も判断力も、覚悟も見られる。途中で逃げたら終わりだ」


「だが、合格すれば認められる」


エデンは一瞬だけ目を伏せ、そしてすぐに顔を上げた。


「受ける」


即答だった。


「分かった。でもその前に親御さんにも話せよ。これは一人で決めていいことじゃない」


「もし受けるならここに来い」


入隊試験のチラシを手渡す。


大山は立ち上がる。


「……無理はするなよ」


大山は部屋を出ていった。


静寂。


エデンは右手を見る。


その時。


頭の中の声。


「信頼に値する人物だ」


エデンは小さく笑う。


「……ああ」


少しだけ。


前に進んだ気がした。

エデン達が住んでいる国はライサム 地区はアモリス地区

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