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エデン  作者: ko-da
2章 エリア・ベヘモト編

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初訓練

訓練室中央。


今日は実技訓練。エデンとジエルが組み手をする。


憶流が端末を操作する。


「今日は出力確認だから、無理はしないでね」


「無理すんなは無理だろ。天記(あまき)さん。」


ジエルが肩を鳴らす。


「能力を使ってもいいんだよな?」


天記に確認をとる。


「エデン君がいいならいいけど、どうする?」


エデンはジエルの左手を見る。


インターフェース。エデンのものとは形が違うが、ラベジニウムはついていた。


(やっぱり、能力があるのか)


少し考えたあとエデンは承諾した。


天記は端末を操作し、準備を完了する。


「それじゃあ、始めるよ」


「実技、開始」


次の瞬間。


ジエルが床を強く蹴った。


バチッ


足元から電流が走る。


動作と同時に電気が生まれる。


加速。


「早....」


次の言葉が出てくる前にエデンの体は壁に叩きつけられた。


エデンの体に電撃が爆ぜる。


(痺れる......電気を扱う能力か.....強い.......!)


「まだまだいくぞっ!」


間髪入れず、次の攻撃が来る。


避けられない。


ならば。


エデンは拳を握る。


リミットフォース発動。


ジエルに向かって拳を振るう。


その瞬間、ジエルは危機を感じる。


「あぶねぇ!」


ギリギリでかわすと同時にジエルの顔にものすごい風圧が来る。


エデンは驚く。


(ダメもとのパンチだったのに、これだけの威力が!?)


振るった拳に痛みが走る。


『力みすぎだ。身が持たない。』


(分かってるよ)


両者が踏みとどまる。


「結構強ぇじゃねぇか....」


ジエルは笑う。


(能力を適当に使うだけじゃダメだ...確実に当てないと)


エデンは走り出す。


能力を使用しない純粋な打撃。


ジエルも応戦する。


(隙を探すんだ.......リミットフォースの打撃を当てられる...隙を!!)


一瞬、ジエルの攻撃をかわす。


右脇腹に隙が見える。


「そこだ!!」


打撃音。


しかしその打撃は膝によって防がれた。


「えっ!?」


「甘いぜ!」


ジエルの体から電撃が放出される。


「うっ....」


電撃をもろに受けたエデン。


床に倒れる。


まだ意識はある。


「……まだいける」


憶流が慌てる。


「も、もう十分だよ!エデン君!」


ジエルは止まる。


床には焦げ跡。


空気が焦げ臭い。


エデンは思う。


(やっぱり……強い)


数十分後。休憩室。


憶流はほっと息を吐く。


「どちらも、よく頑張ったよ。」


ジエルは自販機の前で腕を組み、エデンを見ている。


「エデン、お前、なめてたけど結構強いじゃん。」


「なぁ」


ぶっきらぼうにエデンへ視線を向ける。


「お前の能力、何なんだ」


「え?」


「俺は発電機ジェネレーター。動けば電気が溜まる。で、その電気が流せる。シンプルだ」


そう言って缶を投げてよこす。


エデンは受け取る。


「リミットフォースって言ってるけど……」


ジエルは眉をひそめる。


「リミット?限界突破ってことか?」


「たぶん」


「たぶん?」


呆れた声。


「自分の能力くらい把握しとけよ」


図星だった。


エデンは少し考える。


(……そう言えば)


自分は“限界を超える力”だと理解している。


でも――


(正確には、どういう仕組みなんだ?)


リミットフォース。


ただ身体能力を上げているだけなのか?


それとも――


『気づいたか』


頭の中に荘厳な声。


ケイ。


(なあ、俺の能力って何なんだ?)


少し沈黙。


『お前は理解していない』


(え)


『リミットフォースは表層だ』


背筋が冷える。


(表層?)


『あれは“制限解除”の第一段階に過ぎない』


エデンの視界がわずかに揺らぐ。


(第一段階……?)


『お前の力は、“限界を超える”だけではない』


静かに。


だが確実に告げる。


『本質は――限界そのものを書き換えることだ』


鼓動が強くなる。


(……どういう意味だよ)


『通常、生物は限界を持つ。肉体、思考、感覚、器の大きさ』


『だがお前は、それを“拡張”できる』


ジエルが不審そうに見る。


「どうした」


エデンは我に返る。


「いや……ちょっと」


(拡張って……)


声が静まる。


エデンの手がわずかに震える。


ジエルがじっと見ている。


「なんだよ」


エデンは少し迷い、正直に言う。


「俺の能力……限界突破だけじゃないらしい」


「は?」


「限界を書き換える……って」


ジエルは数秒黙る。


そして、ニヤッと笑った。


「面白ぇ」


即答。


「つまり伸びしろ無限ってことだろ」


単純。


だが、どこか本質を突いている。


エデンは小さく笑う。


「そうかも」


その様子を、少し離れた場所から憶流が見ていた。


(……あの子の力、ただの強化じゃない)


何かがある。


だが今はまだ。


それを言葉にするには早い。


ジエルが立ち上がる。


「よし」


「今度もう一回模擬戦やろうぜ」


「お互い本気でな」


エデンは笑う。


「負けないよ」


二人の距離が、ほんの少しだけ縮んだ。

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