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エデン  作者: ko-da
1章 入隊試験編

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第一試験

「第一試験――基礎戦闘能力評価」


スクリーンに映像が映し出される。


岩場、瓦礫、崩れた建物を模したエリア。


「これより諸君には、このフィールドを突破してもらう」


受験者の一人が手を挙げる。


「敵はいるんですか?」


試験官は一瞬だけ笑った。


「もちろんだ」


次の瞬間。


地面が低く振動した。


ゴゴゴゴ……


フィールド奥のゲートが開き、何体もの機械兵器が現れる。


人型に近いが、全身が装甲に覆われている。


「自律戦闘機兵だ。殺傷能力は制限してあるが――」


少し間を置く。


「骨折くらいは普通にする」


会場がざわめいた。


「制限時間は十五分」


「ポイントは三つ」


指が立てられる。


「到達速度」


「戦闘技術」


「判断力」


「途中で戦闘不能になった者は失格。救護班が回収する」


試験官は最後に告げた。


「――では、開始」


ブザーが鳴り響く。


ピィィィィィィィィ!!!


同時に受験者たちは一斉に走り出した。


瓦礫を飛び越える者。

正面から機兵に突っ込む者。

様子を見るために後方へ回る者。


性格が、そのまま行動に出ていた。


機械兵の一体が腕を変形させ、衝撃弾を発射する。


ドン!!!


地面が爆ぜ、数人が吹き飛ばされた。


「ぐあっ!」


「うわああ!」


開始数秒で脱落者が出る。


試験の過酷さは本物だった。


エデンは走りながら状況を分析する。


(数は……十体以上)


(正面突破は非効率)


そのとき。


横を滑るように一人の受験者が通り過ぎた。


背が高く、がっしりしている男性。エデンよりも少し年上っぽかった。


「前方三時方向。装甲の継ぎ目が脆いようです」


誰に言うでもなく、淡々と呟く。


次の瞬間。


その受験者の拳が機械兵の関節を貫く


動きが止まる。


「なるほど」


静かに頷いた。


「強度は想定より低いですね」


そのまま無駄なく前進する。


戦闘というより――作業のようだった。


エデンは思わず笑う。


(あの人……めちゃくちゃ強い)


その瞬間。


別の機械兵がエデンへ突進してくる。


「!」


反射で身をひねる。


拳が頬をかすめた。


風圧だけで皮膚が痛む。


(速い――!)


ラベジニウムは没収されている。

純粋な身体能力だけで対処するしかない。


エデンは迷わず動く。


身体を沈め、回り込み――


脚を払う。


ガンッ!!!


機械兵が体勢を崩した瞬間、瓦礫を掴んで叩き込む。


装甲にヒビが入る。


(いける!)


だが次の瞬間。


後方からもう一体。


挟み撃ち。


(くそ――)


そのとき。


鉄の壁が割り込んだ。


ドゴォン!!!


機械兵の攻撃が防がれる。


振り向くと――


今さっきの受験者がいた。


「共闘の方が効率的です」


冷静な声。


「俺はドロイ・アンドです。あなたは?」


「俺はエミット・エデン。助かりました。」


「今はここを通り抜けましょう。」


ドロイは機械兵の攻撃を防ぎ、言う。


二人は同時に動く。


ドロイが低く踏み込み、機械兵の関節へ打撃を集中させる。


ガン!


装甲ではなく――可動部だけを狙っている。


その動きには一切の迷いがない。


エデンが前へ出る。


体勢を崩した機械兵へ渾身の一撃。


バキィン!!!


装甲に亀裂。


そのまま押し倒す。


「一体撃破!」


近くで別の受験者が叫んだ。


だが次の瞬間。


地面が大きく揺れる。


ゴゴゴゴゴ……


フィールド奥のゲートがさらに開いた。


現れたのは――


通常の倍以上のサイズの機械兵。


重装甲。


四脚。


砲身のような腕。


試験官の声が響く。


「追加課題だ。」


「この中型機械兵を撃破するとボーナス評価が入る。」


会場がどよめいた。


エデンは笑う。


「……マジかよ」


隣でドロイが静かに分析する。


「装甲厚。通常個体の三倍以上」


少し間を置く。


「ですが」


冷静な声。


「関節は同じ構造です」


「せっかくなら倒しましょうか。」


ドロイは頷いた。


「はい」


「効率的にいきましょう」


中型機兵が動いた。


ズシン……


一歩で地面が沈む。


次の瞬間。


ドォン!!!!


腕部砲が発射された。


衝撃波だけで周囲の瓦礫が吹き飛ぶ。


「散開してください!」


ドロイの指示が飛ぶ。


エデンは横へ跳ぶが――


着地の瞬間。


別方向から小型機兵が突っ込んできた。


「ッ!」


ガンッ!!!


防御が間に合わず、肩を強打する。


体が回転し、地面を転がった。


痛みが走る。


(やば……)


呼吸が一瞬止まる。


小型機兵が追撃に入る。


腕が振り上げられる。


その瞬間。


ガキィン!!!


横から衝撃。


ドロイが割り込んでいた。


肘打ちで軌道を逸らしている。


「立てますか?」


敬語。


声は相変わらず冷静。


エデンは歯を食いしばる。


「……いける」


だが中型機兵が迫る。


ズドン!!!!


振り下ろし。


二人は同時に跳ぶが――


着地地点に砲撃。


爆発。


衝撃波。


エデンの体が吹き飛ばされた。


「がっ……!」


瓦礫に背中を打つ。


視界が揺れる。


(骨は折れていない)


(呼吸を整えろ)


前を見る。


ドロイが一人で中型機兵を足止めしていた。


純粋な体術のみで。


関節へ攻撃を集中している。


だが――


限界が近い。


一撃を受け、後退した。


「……装甲を抜けませんね」


冷静だが、呼吸が少し荒い。


エデンは立ち上がる。


拳を握る。


「作戦とかってありますか?」


ドロイは即答した。


「あります」


目線だけで機体を分析。


「右前脚の関節」


「損耗が集中しています」


「そこを破壊すれば転倒すると思います。」


エデンはニヤッと笑う。


「了解」


二人は同時に動いた。


ドロイが正面で注意を引く。


最小動作で回避し続ける。


エデンは側面へ回り込む。


(ここだ!!)


全力。


渾身。


拳を叩き込む。


バキィン!!!!


関節装甲が砕けた。


中型機兵がバランスを崩す。


ドロイが即座に蹴りを入れる。


「今です」


エデンが跳ぶ。


空中から踵落とし。


ドゴォン!!!!


関節完全破壊。


巨体が倒れた。


ズシンッ!!!


その隙に2人はエリアを抜ける。


その瞬間。


ブザーが鳴る。


「第一試験終了」


試験官の声。


「脱落者以外はその場で待機」


「これ以上の戦闘が不能な受験者はこちらで回収する」


エデンはその場に座り込んだ。


「はぁ……」


ドロイが隣に立つ。


「お疲れ様です」


敬語。


落ち着いた声。


エデン達が話している時、遠くで試験官たちが見ていた。


「今年は当たりが多いな」


「特にあの二人」


「番号をチェックしておけ」


第一試験――


突破。

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