表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天音戒夢 ~夢境の儚き理想~  作者: オモミー厶
第一章「ロドイン森林編」
5/5

第4話「偽霊」


 アリアとの戦闘後、夢境むきょうを彷徨っていた夢見ゆめみ


「にしても、これからどうしよう……龍炎りゅうえんさんにも会えないし…」


「助けてくれ!誰か!」


 遠くから誰かの叫び声が聞こえてくる


「助けて?もしかして、悪夢に襲われている人?!助けていかないと…!」


 夢見ゆめみは近くの森に颯爽さっそうと入り込んでいく


 獣の耳が生えた白髪の青年が龍炎りゅうえんの言っていた『樹液じゅえきの悪夢』に襲われているのを見つける


「(まずい…!)」


 夢見は素早い抜刀で悪夢を一網打尽にする


「(ふぅ…危なかった、それにしても…こうして見ると、夢境に初めて来た時よりも格段に戦えるようになっている……意外と様になってるのかも?)」


「あなた、お強いですね。名をお聞きしても?」


「えぇ、私はゆめみ──」


// 「あぁ待ってくれ、忘れていたが、この夢境では本名は名乗るのは御法度。偽名を名乗ってもらえるか?」


「なんで本名は御法度なんですか?」


「見ての通り、夢境むきょうでは見ず知らずの人達と遭遇する、それに本名を知られていると戦闘面で厄介な『悪夢あくむ』なども存在している。だから偽名を名乗るのがこの世界では一般常識なんだ」//


「ええと……私の名前は、跡夢せきむと言います」


「セキム?なるほど、僕の名前はレイゼと申します。助けてくださったお礼をさせてください」


「いえいえ!結構です!」


「ご遠慮なく、近くに私の住んでいる集落がありますので」


「(集落?この人、夢境むきょうに住んでいるの?まぁ…そういう人がいてもおかしくはない……のかな?)」



《◇》



『ロドイン森林の集落』



「こちらです、あぁ…足元に気をつけてください。液状の悪夢の残骸が散らばっていますから」


「ありがとうございます…」


 夢見はその場で足をとめる


「あの…一つ聞きたいことがあるんですが」


「何ですか?何でもお申し付けください」


「あの…あなた方は、その…森の中で生活することを『理想』としている人達の集まりなのですか?だって、わざわざ夢境に住んで暮らす理由なんて…あまり無いと思いますし」


「理想?いえいえ、僕達デシーバー族は数千年前から此処に住んでいるんですよ」


「そんな前から?!ってか、デシーバー族なんて聞いたことないですけど…アマゾンの奥地に生息している民族だったりしますか…?」


「アマゾン?そんな地名は聞いたことがありませんね…勘違いされているようなのでお伝えしてときますが、僕達は夢境むきょうで生まれ育った『偽霊ぎれい』、人間ではありません」


偽霊ぎれい……って、何ですか?」


「その名の通り、夢境で生まれた偽りの霊です。存在としては悪夢に近いですが…あぁ、どうか心配なさらないでください、僕達は悪夢とは違って人間には友好的ですから」


「なるほど…(夢境って…悪夢以外にも生まれる生物がいたんだ)」


「ただ…最近また悪夢たちが襲撃を開始してきて、僕の住むこの集落は壊滅的な被害を受けています」


「そんな…」


「だから僕は必ず、悪夢たちに復讐を…あぁ…すみません、自分語りが過ぎましたね。……こちらが僕の家なので、中で待っていてください」


「えぇ、分かりました。(こうして実際に悪夢からの被害を聞くと…やっぱり放っておくことはできない…)」


「あの、レイゼさん!」


「はい?」


「もし良かったら、しばらくこの集落を護衛させてもらえないでしょうか?」


「本当に宜しいのですか?先程も言いましたが…我々は物資が枯渇していて、ろくに報酬もお渡しできませんが…」


「大丈夫ですよ。これは私が個人的にやろうとしている事なんで、報酬は要りません」


「かたじけない。ありがとう、跡夢せきむ殿」



《◇》



ロドイン森林の入り口にして、男女の二人組が倒れている『樹液の悪夢』を見つける



「あれれ?樹液の悪夢が…」


「ハゲート様、まさか無意識下で悪夢を倒してしまったのですか」


「いやいや、俺が悪夢を倒すなんて有り得ないだろ…あの日から決めたんだ…」


「……ハゲート様、魔力マナ軌跡きせきが…」


「どうかしたか?」


「我々と同じ、現実から来た者と同じ魔力マナ…それにこの森に続いて… ハゲート様、この悪夢を倒した者は、まだ森の中にいると思われます」


「そうか。どんな奴かは知らねぇが、偽霊アイツらを懲らしめるには…邪魔な存在になりそうだな…」


「お前たち、そこで何をしている?」


 突如、彼らの背後に龍炎りゅうえんが現れる


「お前は…龍炎!」


「知っているのですか、ハゲート様」


「あぁ、ここらじゃ有名な悪夢 狩人ハンターだ。まさか、この悪夢を殺ったのはお前か?」


「彼と残っている魔力マナの軌跡は異なります、恐らく別人のものかと」


「それで、俺の問いの答えを聞いてもいいか?」


「あぁ…?」


「この一瞬で忘れたのか?お前たちはここで何をしているのか、を聞いているんだ」


「あぁ、そういう事ね。この森には偽霊ぎれいが住んでるだろ?だから、俺たちが悪夢を倒して守ってやろうって話合ってたのさ」


「………そうか、正義感が強いんだな」


「あぁそうさ、俺は正義感が強いんだ。だから心配しないで…さっさと他の場所の悪夢を狩りに行ったほうが良いと思うぞ」


「なら…そうさせてもらう」


 龍炎が姿を消す


「はぁ…肝冷えるぜぇ、たくっ………。正義感ねぇ…確かに、俺にもあったさ。あの日まではな」



是非とも↓から評価をお願いします!押してくださると制作意欲がとても上がります!

誤字脱字報告、疑問、矛盾点、感想などがありましたらコメントをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ