第95話 作戦会議その3と実践投入
ヘキサボードの設計書ができたので、今ある材料で作れる分のヘキサボードを作ってみる剛志。
そして出来上がったヘキサボードを臼杵と万葉に見せて性能を説明した。
「おお、これはいいじゃないか。普通にかっこいいし俺が乗りたいぜ」
「ふーん。いいじゃない。これでメイジたちの問題点はひとまず解決ね」
無邪気に喜ぶ臼杵と、冷静に分析する万葉の対照的だが一致している感想をもらい満足げの剛志。しかし、今回の作戦会議はここで終わるわけにはいかない。
まだ地上部隊の案ができていないのだ。
「あとは、地上で実際に魔物たちと戦うゴーレムも考えたいんだよね。それにドロップアイテムを回収する役も必要だし。あと、せっかくだから回収拠点みたいなのも作りたいなって思ってもいるんだよね。それはカーペンターゴーレムで何とかなると思うんだけど」
と言って、今実際に思いついていることを上げていった剛志。そうすると万葉が反応した。
「まず拠点に関してはすでにあれだけの壁作成をしているんだからそのノウハウでなんとでもなるでしょうね。それに拠点を守るゴーレムも今回思いついたゴーレムとメイジたちで何とかなるでしょうしね。それに回収係は回収専用の箱でも持ったゴーレムを作ればいいんじゃない?」
その発言におおむね同感の剛志は、肯定する。
「そうだね、確かにそれはその通りだと思うよ。回収専用のゴーレムはそんなに難しくないと思うしあとで作っておくよ。そうなると実際に地下60階層で戦うゴーレムはどうしようか?」
そういって、二人にアドバイスを求める剛志、そうするとまたしても臼杵が案を教えてくれた。
「今回の魔物は魔法が通じるんだから、基本攻撃担当はメイジたちだけでいいんじゃねえか?燃費が気になるんならそれだけ数増やせばいいじゃねえか。それがお前の強みだろ。そうなると逆説的に地上部隊は魔法の影響を受けないか、それとも上手く魔法を避けられるような奴じゃないといけないだろうな。」
と言われた。確かに臼杵の言っていることももっともだ。はじめは時間がかかるかもしれないが、結局のところ今までも足りない部分を数で補ってきたのが剛志のスタイルだ。これもこれからも押し通すのが結局のところ強みになるだろう。
そう考えると、臼杵の言っている通り、地上部隊のゴーレムのイメージは決まってくる。
魔物たちを翻弄し、メイジたちが魔法を当てやすいようにまとめることができ、そのうえで、メイジたちが魔法を使った際にはそれを耐えるか避けるかできるゴーレムってところか。
まず一番理想なのは防御に全ぶりにゴーレムだろう。そうすると魔物の攻撃も耐えることで近くに集めることも可能だし、一緒に魔法を当てても耐えれるならそのまま攻撃してしまえる。
ただ、これの問題はそんなゴーレムが作れるのかという点だ。どんなに固くしても多少はダメージを負ってしまうのではないかという恐れと、そうすると損傷が激しくて使いずらいのではないかという懸念がある。
実査に魔法攻撃に耐性のあるゴーレムを作ろうと思い、ゴーレムカスタマイズを開くと魔法耐性を強化するスキルを与えることができそうだ。ずっと耐性を高めるタイプはあまり強い効果を与えることはできなそうだが、数秒間耐性を上げるというタイプのスキルならかなりのものがつけれそうだったので、それを踏まえて作ってみたのがこちらのゴーレムになる。
【ゴーレム名】:マジックガードゴーレム
【説明】:大きな巨体でとにかく攻撃を耐えるのが得意なゴーレム。移動速度が遅く、攻撃力もさほどないが、耐えしのぐことにおいては超一流。
【ステータス】
名前:
種類:マジックガードゴーレム
スキル:鉄壁・マジックキャンセル
レベル: 0
HP:1000/1000
MP:100/100
攻撃力:100
防御力:5000
器用:100
速さ:100
魔法攻撃力:0
魔法防御力:6000
【必要器用値:6000】
【消費MP:5000】
【消費材料:ブラックアイアン×45】
鉄壁は一時的に防御力をかなり上げるスキルで、マジックキャンセルは発動から10秒間だけ魔法攻撃を一切食らわないというスキルだ。
この二つを持つマジックガードゴーレムを先ほどのヘキサボードで移動させながら、魔物たちの上で落とし、マジックガードゴーレムに魔物たちが集まったタイミングでメイジの集団魔法を放ち、タイミングを合わせてマジックキャンセルを発動しているマジックガードゴーレムのみだけが生き残るというイメージだ。
臼杵と万葉に壁打ちしたことで、かなりいい感じに戦法が決まった剛志は、さっそく必要なゴーレムの作成に取り掛かる。
この時についでとばかりにドローンアイテム回収用の、背中に箱をしょったウッド系列のゴーレムのポーターゴーレムを作成し、一通りの準備を行った剛志。
そして翌日、いつもの壁作成を終えて、横浜第三ダンジョン地下60階層にやってきた剛志はとりあえず昨日の作戦が実行可能かを確認しようと思っていた。
問題なのが昨日のドロップアイテムではヘキサボードが30個ほどしか作れていないということだ。この数だとちょっと物足りない。少なくとも一チーム200個くらいは用意しないと、交代も出来ないし少し不安だと思っている。
なので、まずやらなくてはいけないのがヘキサボードを作るための魔石集めだ。
昨日の要領でどのくらいの戦力があれば問題ないかは確認済みなので、昨日のウルフたちの部隊に対し、30体の移動要塞と化したメイジゴーレムを合わせて、いったん魔物退治に行ってもらった。
しばらくすると昨日と同じようにスケルトンとグールの集団に出くわした剛志のゴーレム一行。昨日と違うのは移動要塞と化しているメイジゴーレムだ。
今回は巻き添えにならないようにウルフたちには魔物の周りにいないように指示を出しているので、スケルトンたちの周りをぐるぐると囲むように移動し、翻弄するウルフたち。
そうしたところで、メイジたちの集団魔法が炸裂する。タイミングを合わせてその場から離れたウルフたちは巻き添えを食らっておらず、敵の魔物たちはほとんど壊滅的状態だ。
今回はまとめるということはできなかったので、直撃を免れて生き残った魔物が数体いたので、そいつらのとどめを刺してドロップアイテムの回収を行うゴーレムたち。
メイジのMP残量を確認すると、残りは4分の3程度だ。このペースだと全部で4回しか戦えない。自然回復量などもあるにはあるが、それでも回数はあまり多くなさそうだ。
しかし戦えることは確認できたので、この要領で戦ってもらい、MPが25%を下回ったら戻ってきてもらうことにした。
その後、剛志は回収したドロップアイテムを使ってヘキサボードを作り、少しずつ数を増やしながら、その日は同じようなことをつづけた。
そうして、順調に戦力を整えていったのだった。
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