第93話 作戦会議その1
地下60階層から帰ってきた剛志たちは、三人で今同じテントにいる。
「いや~お疲れ様、何とか地下60階層まで行けたね。」
そういう剛志に対し、臼杵と万葉もお疲れ様と言いお互いに飲み物を飲み一休みする。
そうして、その後剛志は二人に話しだした。
「二人に折り入って頼みたいことがあるんだけど…。地下60階層でやってくならどういったゴーレムがいいか相談に乗ってくれない?」
そういった剛志に対し、臼杵が答える。
「なんだよ改まって。そんなの良いに決まってるじゃねえかよ。での逆にいいのか?相談に乗るってことは、お前さんの戦力やできることを詳しく聞かないと話にならないぞ。」
「うん、そのつもりだよ。二人にはいつもお世話になっているし、別に知られたとしても困らないと思ってね。信頼しているよ」
と言い、剛志からの信頼に二人もまんざらでもないような態度で、了承してくれた。
それから剛志は今の戦力や、自身のできること、その辺をすでに共有している部分も含め共有する。それがあらかた終わった段階で、臼杵が話し出した。
「なるほど、大体わかったぜ。つまりお前さんは器用の値に応じてどんどんできることが増えていく。それにできそうなことはほとんどなんでも実現は可能ってことだな。改めて聞くととんでもねぇな。ちなみに今ってゴーレムの総数っていくつになっているんだ?」
「え、総数か。確かにいくつなんだろう、最近はもう数を数えるのやめちゃったからね。はじめのうちは名前も付けてたんだけど、いつからか呼ばなくなっちゃった。俺にとって一郎や一木は大事な仲間って感じだったんだけどね。あいつらだけでも特別扱いしてやりたいよな…っあ!総数だったけ?えーっとざっとでいいなら約7万体って感じだね。7万には届かないくらいかな」
「7万って、えげつないな…」
剛志のゴーレムのほとんどは今もせっせと壁を作ってくれているウッドカーペンターゴーレムたちだが、それ以外もここ最近の探索で増えていたので最近ではもうすぐ7万に届こうとしている。
これは、剛志が魔石のストックが十分であればとっくに到達している数字で、段々とゴーレムの強さが上がっていくにつれて、必要MPが増えていっているのが要因だ。
臼杵が若干引いている間に万葉が話し出した。
「今回の相談内容は、地下60階層でやっていくうえでどうやったらいいかってことよね。そもそも、地下60階層ではどんなことがやりたいの?それによって必要なことが変わるじゃない。」
万葉の問いに答える剛志。
「ああ、そうだね。一番やりたいのは魔石回収だ。だから今回は俺のレベル上げもやっていきたいけどどちらかというと、俺がいない間も自走してどんどん魔石を集めてくれるようなチームを作りたいって感じだね。今のままだと損傷が激しそうなのと、相手の強さに合わせて一番効率いいのは何かを考えたいんだ」
「そうよね、ずっとそういっていたもの。じゃあ、それをするには何が必要かから考えましょう」
そういわれ、素直に考え出す剛志。万葉の言っていることは当たり前の内容ではあるが、それでも剛志にとってこうやって相談できる仲間がいることが何よりうれしかったのだ。
そうすると万葉が続けて話し出した。
「さっきの戦闘を見るに、地下60階層は敵も数で押してくる感じね。その一体一体も剛志のゴーレムよりは強いみたいだし、まずは数をそろえるのと合わせて、戦えるゴーレムってのも大事よね。戦うっていうのだと、メイジたちの集団魔法はかなり有効だと思うわよ。でもそれだけだと守りが弱いわね、それに移動速度も問題よ。」
そういって、いくつか案を出してくれた。
「やっぱりその辺が問題だよね。メイジたちの集団魔法は俺の戦い方にもあっているし、この先も伸ばしていきたいところなんだけど、如何せん動きが遅いのが問題だよね。今までその辺後回しにしていたけど、いい機会だからちょっと考えてみようかな」
今までも移動速度の問題はあった。それに最近で言うとレベルがどんどん上がっておりそれに合わせるようにステータスも上がっている。ということはMPや器用といった剛志にとって重要なファクターも増加しており、それに伴ってゴーレムカスタマイズで作れるものが増えているのだ。
しかし、ここのところ地下60階層を目指すことに注力しており、その辺は少し後回しになっていたのも事実だった。ここらへんで再度やれることを再確認し、計画を立てる今回の様な機会は剛志にとっても必要不可欠だったのだろう。
前回このように自身のできることは何だといった感じで、ゴーレムカスタマイズで出来ることを確認していた時にはいろいろと失敗も多かった。その失敗の中で一番の原因は剛志のイメージ不足だ。
たとえは大型輸送用ゴーレム『力持ち』や小型輸送用ゴーレム『小回りさん』を考えたときは、ゴーレムの利点を生かそうと思い、最低限の機能だけ与えて作成した。しかしその結果実際に使ってみると問題点がいくつも見つかり、いまだにお蔵入りだ。
この原因は簡潔に言うと、剛志自身がどういった動きをするのかをイメージしきれていないことが原因と言える。逆に既に存在するものや想像上の生き物は、どこかしらで剛志自身がその生き物などの動きを見たことがあり、想像しやすい。だから作ったときに問題がないのだ。
と、考えると今回作るゴーレムも何かしらの生き物か実在の物をベースで作成した方がうまくいくだろう。
今問題点としてあがっている部分で、メイジゴーレムの大きな問題点は移動速度が遅いという部分だ。これは極端な話ターボゴーレムをそれぞれに着けるだけでもある程度解決できてしまう。
果たしてそれでいいのか…そもそもメイジゴーレムたちはそこまで動き回ることを想定していない。今までもそういった運用をしている。てことを考えるとターボゴーレムはあまり向いていないんじゃないか。
いつかできるかわからないが例えばダンジョン内転移を使えるゴーレムを作れたら、それで転移させるとかの方が運用としてあっている気がする。
となると今回は別のやり方を模索したい。果たしてどうすれば...
剛志たちの作戦会議はまだまだ続く。
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