第89話 順調なダンジョンと関係
二度目の襲撃から一週間ほどが経ち、剛志の日常はダンジョン一色になりつつあった。
今も継続して壁作成は進めているが、今剛志の中心にあるのはいかにしてダンジョンを効率よく進んでいくかということだ。
その理由の一つが、早く地下60階層に到達したいというものになる。なぜかというと、地下60階層はまたスケルトンなどが出てくるエリアになり、最近消費が激しい魔石をここで集められるようにしたいというのが剛志の早急の目標になっているのだ。
そんな剛志だが、今では安定して横浜第三ダンジョン地下53階層を攻略できるようになっている。
改めて考えるととんでもないが、ダンジョンの推奨レベルは地下55階層に行くだけで200に跳ね上がる。そう、今まで地下50階層までで成長した分のレベルが、ここではたったの5階層で上げる必要があるということだ。
その分魔物の強さも上がるので、進んでいけばおのずとレベルも上がりやすいのだが、それでもこの数字にはしびれるものがある。
そんな剛志の今のステータスがこちらだ。
名前:岩井剛志
職業:ゴーレムマスター
パーティメンバー:臼杵健司・宮本万葉
スキル:所持制限無視・多重思考・二重詠唱・自動記録・高速展開・自動防御補助・全属性耐性
職業スキル:ゴーレム作成・ゴーレム再作成・支援魔法【ゴーレム】・ゴーレム強化・ゴーレム異空庫・ゴーレム償還・ゴーレムカスタマイズ・特殊ゴーレムコア作成・ゴーレムアップデート
レベル:163(48up)
HP:756/756(361up)
MP:2,393/2,393(1,008up)
攻撃力:493(195up)
防御力:832(409up)
器用:1,544(528up)(+121%)
速さ:920(432up)
魔法攻撃力:1,433(601up)
魔法防御力:1,652(717up)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
所持ゴーレム数 (省略)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
たったの一週間で、これだけレベルが上がったという事実に改めで感慨深くなる剛志だが、スキル等はあまり変化がなかった。
これは職業が上級職になったことで、今までとスキルの発生の仕方が異なり、レベルアップではあまり増えなくなったことが原因だろう。
まあ、こんなペースでレベルが上がっているので、今までと同じようなレベル間隔でスキルが増えても使いこなせないというのもあるかもしれないが、そもそも剛志は今のスキルで困っていない。
これは剛志だけではなく、ほぼすべての上級職に言えるのだが、上級職はレベルでスキルが生えるのではなく、ステータスがある一定に達したらや、ある一定の行動をしたらなど実績による開放がメインになると言われている。
その分、今あるスキルを使いこなしたり、スキルによらない戦い方などを身に着けたりしないといけなくなるのだが、剛志には関係のないことだろう。
そして、ここ数日の順調なダンジョン探索には、このゴーレムの存在が欠かせないことも紹介しておこう。
【ゴーレム名】:リペアゴーレム
【説明】:ゴーレム再作成によってゴーレムを修復するためのゴーレム。見た目は素材にしたゴーレムに準拠する。
【ステータス】
名前:
種類:リペアゴーレム
スキル:ゴーレム再作成(制限付き)
レベル: 0
HP:100/100
MP:1,000/1,000
攻撃力:1
防御力:1
器用:100
速さ:100
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
【必要器用値:1300】
【消費MP:2000】
【消費材料:ゴーレム】
このゴーレムは、珍しいタイプで素材はゴーレムを使用する。その実ゴーレムアップデートのような感じではあるが、中身が全く別に作り替わってしまうのでゴーレムカスタマイズの範疇の様だ。
このゴーレムの登場のお陰で、ゴーレムたちはある程度の損傷も許容範囲になり、剛志の手を煩わすことなく修復が可能になったのだ。
制限付きとなっているのは、あくまで修復の機能しか使えないということを指し、同じくゴーレム作成を持たせたゴーレムはまだ作れないでいる。
それでも修復作業を剛志以外が触れるようになったことで、剛志の作業量が別に割けるようになり、今の快進撃につながっているといった形だ。
今も剛志は新しいゴーレム案を考えながらリペアゴーレムの数を増やしている。
そして有り余る戦力と、その回復担当がそろったことにより、剛志は戦力を分散させ一気に魔物狩りの範囲を広げている最中だ。
因みに余談だが、リペアゴーレムとウッドメイジゴーレム(光)の違いは破損に対応できるかどうかという点だ。
リペアゴーレムだと、ゴーレムを回復させる際に、MPと材料を消費し破損した部分まで治すことができるが、ウッドメイジゴーレム(光)の回復魔法ではそうはいかない。対人間であればメイジゴーレムの方がよいが、対ゴーレムだと回復魔法で治せるのは耐久度だけであり、破損個所はそのままできれいになってしまうのだ。
「しっかし、剛志のゴーレム部隊。こう見るとすさまじいな」
剛志の横からタブレットを除き、剛志のゴーレムたちの活躍を見た臼杵がそういいながらお菓子を食べている。
「確かにそうだね。それに最近は戦術も効いてきたし、かなり順調だね。」
そう返した剛志。この二人と近くに座っている万葉の三人は、ダンジョンの中だというのにどこか緊張感がない。それも剛志のスキルのお陰で直接の戦闘になっていないのと、暇だからという理由で剛志がマジックバッグに入れて持ってきてあげている、お菓子や漫画のせいだろう。
護衛としてどうなんだと言われてもおかしくない状況ではあるが、こんな状態でもしっかりと周囲の警戒は怠っていないため、何かあったときに守れる位置から離れないでいる。
「まあ、こうして監視していても全く危なげないから、そろそろ次の階層を目指してもいいんじゃない?」
そういって話に入ってきたのは、剛志たちとは少し離れた位置で、持ってきた椅子に座りながらタブレットを見ている万葉だ。
彼女は剛志から配信の閲覧方法を共有してもらい、ダンジョン内ではこうやって戦っている様子を確認し、いろいろとアドバイスをくれるようになっていたのだ。
「そうだね、そろそろいいかも。宮本さんのアドバイスをもとに作ったターボゴーレムによって空中戦がかなりしやすくなったし。いつも助かってます。」
「ふん、前回のお詫びも兼ねてるだけだし、それにあなたが早く強くなってくれるのが、結局のところ一番守りやすくなるってだけだから。」
そうやって返す万葉、前回の襲撃以降若干彼女の心の壁が薄くなったように感じて
嬉しくなった剛志、そんな二人に臼杵がツッコみを入れる。
「おいおい、剛志。俺だっていろいろアドバイスしているだろ。もっと俺にも感謝してくれてもいいんじゃない?」
「はは、もちろん臼杵にも感謝しているよ。二人には感謝しっぱなしだ」
この三人の中もかなりよくなってきたようだ。そのことがこの一連のやり取りでにじみ出ているように思う。
そんな風に剛志のダンジョン探索は順調に進んでいた。
本作品を楽しんで頂きありがとうございます。
ブックマークや評価、感想、リアクションなどをしていただけますと幸いです。




