第64話 ゴーレムカスタマイズ②
まずは単純なゴーレムで必要器用値などを確認した剛志は、今度はどんなコンセプトのゴーレムでも作れるのか気になり、説明欄への記入をいろいろと試すことにした。
「うーん、どんなゴーレムが作れたらいいかな? こういうの考えるの苦手なんだよな。まずは今あったらいいなと思うものから考えてみるか……」
そう言いながら、今剛志が感じている問題点を挙げることにした。
まず思いつくのは移動力の弱さだ。ゴーレムの数が増えたが、それでも一番早い移動手段は、剛志が回収した後に動くというもので、剛志自身は歩かなくてはいけない。
そのうちゴーレムに乗れないかなと考えていた剛志は、今回の機会に移動用のゴーレムを作れないかと思ったのだ。
「移動用のゴーレムができたらいいな。だったらゴーレムたちの数も増えたし、ゴーレムたちを運ぶ大型トラックみたいなやつがいると助かるかも。いや、荷台部分は別に必要ないか。引っ張るためのゴーレムがいればいいからね。それに俺自身の機動力向上が目的なんだから、そっちも考えないと……」
そうやってぶつぶつ独り言をつぶやきながら、設計書とにらめっこする剛志。そして二つの設計書を作成した。
【ゴーレム名】:大型輸送用ゴーレム『力持ち』ver1
【説明】:平らな台の四隅にタイヤがあるような見た目のゴーレム。主に運搬目的の運用。
【ステータス】
名前:
種類:大型輸送用ゴーレム『力持ち』ver1
スキル:重量低下
レベル:
HP:100/100
MP:0/0
攻撃力:100
防御力:100
器用:100
速さ:300
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
【必要器用値:400】
【消費MP:1200】
【消費材料:鉄×100、木材×100】
【ゴーレム名】:小型輸送用ゴーレム『小回りさん』ver1
【説明】:平らな板が金属の球体の上にあるような見た目のゴーレム。主に運搬目的の運用。
【ステータス】
名前:
種類:小型輸送用ゴーレム『小回りさん』ver1
スキル:重量低下
レベル:
HP:100/100
MP:0/0
攻撃力:50
防御力:50
器用:300
速さ:500
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
【必要器用値:400】
【消費MP:800】
【消費材料:鉄×30】
物を運ぶには『力持ち』、人を運ぶには『小回りさん』というようなイメージで作ってみた。必要器用値が上限ギリギリに達する値になるようにした結果、このようになった。
『力持ち』は10m×10mの正方形型で、『小回りさん』は1m×1mの正方形型だ。
どちらも運転席などはなく、台であるゴーレムが動いてくれるという設計だが、全く安全面が考慮されていない。
まあ、ダンジョン内だし、ひとまずいいだろうと考えた剛志は、これで作成したのだが、実際に作ってみると問題点が多くあった。
まず『力持ち』の方だが、大きすぎて、そもそも進める場所が限られてしまった。こんなこと少し考えればわかったことではあるが、剛志はそこが抜けてしまっていたのだ。
スピードや積載量にとらわれすぎており、肝心の運用面がポンコツだったのだ。
また『小回りさん』も失敗作だ。まずかなり小回りが利き、スピードも出るゴーレムにはなったのだが、掴むところがないため、スピードを上げすぎると曲がるタイミングで慣性によってほっぽり投げられてしまうようになっていた。
またサスペンション機構などもなく、お尻が痛いのも問題だが、足が球体なのである一定の段差を登れないことが判明したのだ。
そんな失敗作を作ってしまった剛志だが、あまり悲観的ではない。なぜなら修正も簡単にできるし、一度作ったゴーレムもゴーレム償還スキルを使用すれば、そこまで無駄にならないからだ。
「いや~、いきなり成功はしないか。まあでもこれでかなり自由度が高いことはわかったな。でも思ったよりも必要器用値が高いから、あまりいろいろなことはまだできそうにないな。それはここからの成長次第か」
そんなうれしいやら、悲しいやらわからない感情に襲われた剛志だが、このスキルに対する期待度はかなり高く、まだまだやりたいことがたくさんあった。
次にやりたいことは、アニマル系のゴーレム作成だ。
今、剛志が作れるゴーレムたちは基本的に人型のゴーレムしかいない。一部マジックゴーレムはいるが、狼型や猫型といったゴーレムがいないのだ。
これは単純に見た目がかわいいペットが欲しいというわけではなく、狼の機動力や攻撃力をゴーレムで再現するとどうだろうということや、例えば馬型ゴーレムができればさっきの移動の件も解決するのではという目的もある。
そのため、さっそく剛志はアニマル型のゴーレムを作ることにした。
今回作ろうと思うのは、人型と相性のいい馬型ゴーレムと、単体で機動力の高そうな狼型ゴーレムだ。そのうち虎型や猪型、もっと言えば恐竜型なんかも作れると嬉しい。
そうして、今できる中でちょうどいいゴーレムを模索してできた設計書が次の二つだ。
【ゴーレム名】:ストーンウルフゴーレム
【説明】:石でできた狼型ゴーレム。素早い動きと強力な牙や爪での攻撃を得意とする
【ステータス】
名前:
種類:ストーンウルフゴーレム
スキル:気配察知・噛みつき
レベル:
HP:150/150
MP:0/0
攻撃力:300
防御力:50
器用:300
速さ:300
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
【必要器用値:400】
【消費MP:1200】
【消費材料:石×3】
【ゴーレム名】:ウッドホースゴーレム
【説明】:木でできた馬型ゴーレム。背中に人などを載せて運ぶのが得意。足での攻撃も馬鹿にならない。
【ステータス】
名前:
種類:ウッドホースゴーレム
スキル:乗馬
レベル:
HP:200/200
MP:0/0
攻撃力:150
防御力:50
器用:300
速さ:400
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
【必要器用値:400】
【消費MP:1200】
【消費材料:木材×4】
この二種類のゴーレムで、剛志の戦略は大きく変わることが予想される。
今までの戦闘に、これからはストーンウルフゴーレムたちの速度によるかく乱や、強力な攻撃力が加わるのだ。ただ殴るみたいな物理攻撃ばかりのゴーレムに対し、ウルフの牙は相手の急所を突くこともできる。
また、ウッドホースゴーレムも革命的だ。剛志が乗ることで移動力向上にもなるし、ウッドナイトゴーレムが乗ることで移動力も攻撃力も強化が可能になる。
もともとの移動力が少ないメイジゴーレムもホースゴーレムの存在により、より素早い移動が可能になるかもしれない。
さらに、ウッドカーペンターゴーレムに荷台を作ってもらえれば、ウッドホースゴーレムでその荷台を引くことも可能になるだろうし、かなり革命的なゴーレムであることは言うまでもない。
「いや〜、1から構造を考えるのは一朝一夕ではいかないけど、すでにいる動物をモチーフにすると一発で有用なゴーレムになるな。だからもともとゴーレムって何かの生き物の形をしていることが多いのかな? そうなると空を飛ぶ鳥型ゴーレムも欲しいかも。でもその場合どうやってこんなに重いものが飛ぶんだろう?」
今度のゴーレム作りがうまくいき、少し調子に乗っている剛志。しかし鳥型を作ろうとすると、ゴーレムが飛ぶにはスキルが必要だった。
また、飛べるようにしようとすると、リソースが飛ぶことに取られてしまい、あまりいいものが作れなかった。
そういった失敗を繰り返しながら、より良い鳥型を模索する剛志。しかし壁の完成を知らされ時間切れになったため、いったん鳥型の作成はあきらめることにするのだった。
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