第32話 ウッドゴーレム
二日間限定でスタートダッシュということで一日10話更新。二日目です。
更新時間は12時・13時・14時・15時・16時・17時・18時・19時・20時・21時の一時間ごとになります。
楽しんでいただけますと幸いです。
おそらく眠れたのは4、5時間ほどだろう。ダンジョン内に泊まるという状況でも限界まで脳を酷使した剛志の眠りは深かった。
起きたときは一瞬周りの状況を理解できなかったが、ゴーレムたちがいることで昨日のことを思い出し、普通に寝れるんだなと思う剛志。
そこに何体かのゴーレムがやってきて、ドロップアイテムの石を渡してくる。
「おお、俺の指示なく普通に倒せたのか。にしても普通に戦闘が起きても起きないのはどうなんだろう。緊張感が足りないのか、安心感があるのか。まあ本当にまずい時は起こしてくれって言っていたから、特に起こす必要がなかったってことなのかな?」
そういう剛志の独り言に、周りにいたゴーレムたちがうなずき同意してくる。そういうことならいいかと思った剛志は、寝て固まった体をほぐしたのち、荷物を回収し地下16階層に向かって進んでいく。
地下16階層に来た剛志は、ここで自分のステータスを確認することにした。
ステータスボード
名前:岩井剛志
職業:ゴーレム使い
スキル:所持制限無視
職業スキル:ゴーレム作成・ゴーレム再作成・支援魔法【ゴーレム】・ゴーレム強化・ゴーレム異空庫
レベル:17(2up)
HP:45/45(4up)
MP:88/105(13up)
攻撃力:36(3up)
防御力:45(4up)
器用:92(11up)
速さ:40(4up)
魔法攻撃力:73(10up)
魔法防御力:84(11up)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
所持ゴーレム数
サンドゴーレム×15
ミニサンドゴーレム×15
ミニウッドゴーレム×18
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
新しいスキルなんかは生えておらず、ただステータスが増加しているだけなのだが、サンドゴーレムの数もかなり増えてきた。
「お、MPも結構回復しているな。とりあえずサンドゴーレムを二体再作成しておこうか」
そう言い追加で二体のミニサンドゴーレムをサンドゴーレムに作り直した剛志は、自分の手下であるゴーレムたちを見る。
数はここのところ増えていないが、戦力としてはかなり強化されていると思う。
地下15階層で出てくるストーンゴーレム三体に対しては、少なくともサンドゴーレム5体以上のパーティーで当たらないと一方的な戦闘にはならない。
今は数だけで言えばサンドゴーレムは17体にまで膨れ上がったが、その代わりミニサンドゴーレムの数は減っているからこれを3チームにするのは少し心許ないだろう。
そんな事を考えながら歩いていた剛志は、前に現れた魔物を確認した。
そこにいたのはストーンゴーレムが4体のパーティーだった。
「うわ、ここにきてストーンゴーレムの数が増えるのか。まだ稼働チーム数を増やすことはできそうにないな。とりあえず半分の数で戦えるか当たってみるか」
そうつぶやくと、剛志は今いるゴーレムたちの半分を一チーム想定で奥の方に見えるストーンゴーレムたちに当ててみることにした。
数にして8体のサンドゴーレムが進んでいき、二対一の構図でストーンゴーレムを抑えている間に、残りのミニサンドゴーレム、ミニウッドゴーレムたちの波状攻撃でなすすべなく倒されていくストーンゴーレム。これなら問題なさそうだ。
そのあとは起きたばっかでまだ若干の眠さのある頭をすっきりさせるべく、ゴーレム異空庫を練習しながら、一時間ほど地下16階層を探索していた剛志はレベルが一つ上がったタイミングで一旦休憩をとり、朝食を食べることにした。
いつものように自身の周りにゴーレムたちを出して護衛させながらマジックバックの中から取り出した携帯食料を食べる剛志は、今日はどうしていこうかと改めて考えることにした。
「なんだかこの携帯食料も飽きてきたな、できれば今日中に20階層まで進んで転移陣の登録をしてしまいたいけど、どうだろうできるかな?そうなると今みたいにレベル上げをそれなりにして奥に進む必要があるけど、安全マージンはしっかりと取りたいんだよな…最悪もう一日くらいダンジョン内で泊まるのも考える必要あるかもな」
そんな独り言を言いつつ、自身のステータスを確認する剛志。
ステータスボード
名前:岩井剛志
職業:ゴーレム使い
スキル:所持制限無視
職業スキル:ゴーレム作成・ゴーレム再作成・支援魔法【ゴーレム】・ゴーレム強化・ゴーレム異空庫
レベル:18(1up)
HP:48/48(3up)
MP:113/113(8up)
攻撃力:38(2up)
防御力:47(2up)
器用:97(5up)
速さ:41(1up)
魔法攻撃力:79(6up)
魔法防御力:81(7up)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
所持ゴーレム数
サンドゴーレム×17
ミニサンドゴーレム×13
ミニウッドゴーレム×18
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「うーん、なんだか最近新しいスキルとかも増えないし、作成できるゴーレムの種類もサンドゴーレム以降増えてないんだよね。ゴーレム異空庫の練習はしているけど、それ以外に新しいことが無くて少しマンネリ気味だな。まあこのペースでレベル上がっているのにぜいたくな悩みかもしれないけど…あれ、そういえばミニサンドゴーレムのレベルを上げたことで新しいゴーレムが作れるようになったな、ほかのゴーレムたちのレベル上げもやってみるか!」
今までなんで思いつかなかったのだろうか、おそらくそれが答えだという確信を持ちつつ、剛志は今いるゴーレムたちのレベルを上げることにした。
「今いるゴーレムはミニサンドゴーレム、ミニウッドゴーレム、サンドゴーレムの三種類だな。ミニサンドゴーレムのレベル上げはもうやってサンドゴーレムが作れるようになったんだし、まずはミニウッドゴーレムからか」
そうして剛志はミニウッドゴーレムの一木を呼び出し、ゴーレム強化でレベルアップを行った。そうして段々とレベルを上げていき、そのレベルが10に到達した際に一木のレベルはMAXになり、そのタイミングで次のようなアナウンスが連続で頭の中に響いた。
「『ミニウッドゴーレムのレベルが限界に到達したことを検知しました。ウッドゴーレムの作成が可能になりました。』」
「『サンドゴーレムとウッドゴーレムの作成が可能なことを検知しました。マジックハンドゴーレム【レフト/ライト】の作成が可能になりました。』」
「おお!ウッドゴーレムが作れるようになることは予想通りだけど、マジックハンドゴーレムってなんだ?」
頭の中に響くアナウンスの内容を理解しようと、自身のステータスボードと出してスキルの説明を確認する剛志。そうすると確かにウッドゴーレムとマジックハンドゴーレムが作れるようになっていた。
ウッドゴーレムに関しては必要材料がミニウッドゴーレムと同様の木のアイテムという以外は、サンドゴーレムと変わりがなかったため、今の一木を再作成すれば1MPで作成可能だ。なので剛志はとりあえず一木をウッドゴーレムに再作成した。
比較できるようどちらもレベル0の時の、一木のステータスとウッドゴーレムになった一木のステータスを比べるとこうなった。
名前:一木
種類:ミニウッドゴーレム
スキル:投擲
レベル:0
HP:8/8
MP:0/0
攻撃力:10
防御力:10
器用:11
速さ:11
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
名前:一木
種類:ウッドゴーレム
スキル:投擲
レベル:0
HP:40/40
MP:10/10
攻撃力:40
防御力:40
器用:45
速さ:45
魔法攻撃力:10
魔法防御力:10
ウッドゴーレムはゴーレムの中で初めてMPを保持しているゴーレムだった。それに伴って魔法攻撃力と魔法防御力も兼ね備えるようになったので、今後魔法を使ってくるような魔物の相手をするためにはウッドゴーレムたちもしっかりと鍛える必要がありそうだ。
そうなると気になってくるのがマジックハンドゴーレムになるのだが、マジックハンドゴーレムは作るのに末端魔石とスライムゼリーが必要みたいだ。これらはすぐ手に入れることができるが、今手元にない。仕方がないのでサンドゴーレムとウッドゴーレムのレベルアップをしてみよう。
そう思い、剛志はさっそくサンドゴーレムのレベルをゴーレム強化で上げだすのだが、MPが足りずレベル3までしか上げれなかった。まだまだ上げれそうなのだが、MPポーションを使うのは勿体ないため、今回はここでやめておく。
ずっと単調な探索で飽きてきていた剛志だが、やり方次第でまだまだやれることはあると気づき、早くレベルを上げてMPを回復したいと意気込んで探索を進めるのだった。




