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ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
剛志強化プロジェクト

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第157話 対策検討

一度現在の戦力の見直しを図ることにした剛志は、イチロイドにリストアップを頼んだ。そして現状アップデートができていないゴーレムたちを順次アップデートしていく。


しかし、初めて一覧を見て思ったのは——とにかく数が多すぎるということだった。


「我ながらとんでもない数のゴーレムたちだね。いくらでも個体数を増やせるからって、必要ないのに作ったりしている個体も多いぞ。この数全部アップデートするってのは現実的じゃないな。むしろ新しく作った方が早いまであるし……」


剛志はこれまで、さまざまなタイミングでゴーレムを作ってきた。それこそ約5万体のウッドカーペンターゴーレムをはじめ、それ以外にも模擬戦用に新しく作ったり、モンスタードーム作成用に新規で作ったりと用途は多岐にわたる。


もともとマジックバッグの中身を正確に把握していないことからもわかるように、整理整頓があまり得意ではなく、探すよりも作ってしまった方が早いと考え、無計画に作ってしまう傾向がある。そのため全然使っていないゴーレムたちも多く、それらをアップデートするのが億劫になってきていたのだ。


「しかし剛志、ずっと倉庫の肥やしにするのももったいねぇぞ?」


「そうなんだよね。ゴーレム償還を使ってMPと材料に戻してもいいけど、その場合ちょっと損するし、せっかく作ったゴーレムたちが活躍してないのももったいないし……どうするか悩んでる」


するとイチロイドが剛志に提案を始めた。


「『マスター、そうしましたら、ひとまず優先度の低いゴーレムたちは残しておいていただけますか? 偵察用や単純作業用など、使い道がまったくないわけではございません。今は優先度の高い個体のみアップデートを行うという案になります』」


「ま、結局そうなるのか。わかった、その辺はイチロイドに任せるよ。じゃあ、取りあえず優先度が高いものを教えて」


「『かしこまりました』」


何事も完璧にはいかない。しかし、そういった時こそ現実的な案を考え、それを愚直に実行することが大切だ。


当たり前のことだが、誰もができることではない。だからこそ、最もやるべき重要な行動となるのだ。


そうして剛志は、モンスタードームでのレベル上げを行いながらも、移動の合間を縫ってゴーレムたちのアップデートを続けた。作業を進めていると、最近使っていなかったゴーレムたちのことを思い出し、結果としてかなり楽しみながら行うことができた。


今後も定期的にやっていこう——そう思う剛志であった。


そしてこのアップデート作業を通じて自身の戦力の見直しを行った剛志は、今の自分に足りない部分についても考察することができた。


「今の俺って、この前の闇の大精霊みたいな完全なる格上と戦った時、戦える手札がゼロなんだよね」


臼杵にそう相談する剛志。今回の見直しで浮き彫りになった問題点について、壁打ちをしたいのだろう。


一方、急な話の振りに若干驚きながらも、臼杵は自分なりの見解を口にする。


「いきなりだな。まあ、確かにそうだよな。でも剛志、そもそも“完全なる格上”ってのは普通、敵わない相手だぜ? 手札が無いってのは当たり前の状態じゃないか?」


「それはそうなんだけど、俺ってなぜかA.B.Y.S.S.の連中に命を狙われてるじゃん? だから“仕方がない”で思考放棄するわけにはいかないと思うんだよね……」


剛志の発言を受けて、臼杵も深刻そうに考え出す。


「確かにな。それに剛志って、なんだかんだトラブルに巻き込まれる才能あるみたいだし、策は考えておく必要があるか。あと、A.B.Y.S.S.に狙われる理由? シンプルに、お前が脅威だからだろ……」


臼杵のツッコミは、剛志にはあまり響いていないらしく、特に反応はなかった。


まあ、そんなことはさておき、今考えるべきは格上への対抗策だ。要素を分解し、何ができそうで、何ができなそうかを一つずつ整理していく。


「まず、格上に対しても前回の大精霊相手じゃないけど、時間稼ぎはできると思う。むしろ、それしかできないと言っても過言じゃないけど……そこに関してはかなり自信があるね。でも、前回みたいに身代わりゴーレムを大量消費するのは精神的にもきついし、得策じゃない。その辺は、なにかしら考える必要があるよね」


「なるほどな、防御って言っていいかわからないけど、相手の攻撃への耐性はありそうってことか。じゃあ、逆にできなそうなのは“攻撃”ってことか?」


「うん、そうだね。どうしても今の俺だと、そもそものステータスの差で攻撃が通らないと思う。一番火力のある集団魔法でも、それを撃たせてもらえないだろうし、撃てたとしても当てられないかな」


ダンジョン空間というものは、ステータスという“絶対の数値”が存在する世界だ。いくら剛志が大群を率いることができても、強すぎる“個”には太刀打ちできない。


しかし、剛志の話を聞いた臼杵には、ある種の“ひらめき”のようなものが生まれた。


「集団魔法だと、ダメージは入るってことか? ま、確かにあれだけの魔物を一気に葬るのは、上位ランクでも難しいだろうから、可能性はありそうだな」


「そうだね。だから、まずやれそうなのは“どうやって格上相手に集団魔法を当てるか”ってことになるのかな。でも……やっぱり、それだけだと難しいようにも思うんだよね」


「あとは、“ステータスにとらわれない戦い方”を考えるしかねぇな。相場で言えば、毒や麻痺なんかの状態異常系だけど……それって専門職ならともかく、ゴーレム使いの得意分野じゃないだろ。だったら、やっぱり集団魔法の件を詰めるのが一番じゃねぇか?」


「う〜ん……」


そう言って悩む剛志。これまでにも集団魔法のことは考えてきたが、どうしても集団魔法は“入念な準備をした時のみ効果を発揮するタイプ”のもので、連発できるようなものでもない。


そのため、“集団魔法だけが手札”という状態だと、急な戦闘や一撃で仕留め切れない場面では不安材料が残ってしまう。


その後も二人であーでもないこーでもないと話し合うこと小一時間。とりあえず移動をして、モンスタードームで経験値とアイテムの回収を済ませていた頃——剛志の中に、あるアイデアが降りてきた。


「ん? ちょっと待てよ……ステータスに関係ないやり方なら、戦いようがあるってことだから……いけるかもしれない! 臼杵、イチロイド! ちょっと聞いてくれない?」


そしてそのアイデアを二人に話した剛志。それぞれ少し異なる反応ではあったが、概ね賛成をもらうことができた。


「それ実現したら、えげつねぇな……いや、剛志の敵にならなけりゃいいだけの話だが、そんなことされたら戦いようがなくないか?」


「『いえ、私の計算ではいくつか対抗手段は存在します。しかし、それも相手が知っていればこそのものですので、まずはこの手段は一部の者だけの極秘として扱った方がよろしいかと存じます』」


「なるほどな。わかった、取りあえず俺はこの件は黙っておくぜ。でもあとで万葉ちゃんには共有した方がいいと思うぜ? たぶん、自分だけ仲間外れだと知ったら、めちゃくちゃ怒ると思う」


「はは、それが一番怖いね」


そうして対抗策を思いついた剛志は、その策の準備にも今のうちから取り掛かることにしたのだった。




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