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ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
剛志強化プロジェクト

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第154話 ブショウ

「どんなゴーレムになるんだろう。ちょっとワクワクするね。」


そう言いながら、作成した設計図を眺める剛志。

設計図とはあくまでステータスや概要を決めるものであり、見た目などの細部までは決めない。

そこはスキルが自動的に生成してくれる。

もっとも、基本的には剛志のイメージに沿って形作られるため、まったく予想外のものができるわけではなく、どちらかといえばイメージ通りのものが完成する。


したがって、剛志の「どんなゴーレムになるのかワクワクしている」という発言には少し違和感があるかもしれない。

だがこれは、剛志自身がまだ明確なイメージを描ききれていないということでもある。

スキルというものは面白いもので、具体的なイメージがあればそれに沿って作られるが、逆に大雑把なイメージだけでも発動してしまうのだ。


つまり今回のバトルゴーレムについては、剛志のイメージがまだ漠然としている。

だからこそ、彼自身もワクワクしているというわけだ。


「まあ、こうして設計図もできたし、作ってみればわかるだろ。」


臼杵はそう言って、もうあまり興味がなさそうに肩をすくめた。

あーだこーだと議論を重ねた末、なんとなくの結論しか出なかったため、すっかり思考を放棄してしまったのだ。


もっとも、その結果生まれたのがこのバトルゴーレムである。

やり取りそのものは無駄ではなかったが、元々あまり頭を使うのが得意でない臼杵は、すっかり疲れ切っていた。


「それもそうだね。とりあえず作ってみるか。【ゴーレムクリエイト:バトルゴーレム】!」


スキルを発動させ、実際にバトルゴーレムを作成する剛志。

いつものように、材料が光へと変化し、エフェクトが重なり合って一つの形を成していく。

光が収まったその先には――全長三メートルほどの異形のゴーレムが立っていた。


足は二本、腕は十本、頭は一つ。

うち二本は肩から生えており、残りの八本(四対)は背中から伸びている。

背中の腕はやや長く、動かしにくい位置をリーチで補うような構造だ。


今回は、あらゆる武器や防具を装備できるようにと考えていたため、見た目は異形のウッドゴーレム亜種のよう。

しかし「武器と防具を構えて」と指示すると、体表がうねり、ブラックアイアン製の武器防具が次々と生成された。


すべてを装備させた姿は――全身真っ黒の、まるで鋼鉄の巨人。

背中の腕には剣・槍・斧・ハンマーをそれぞれ片手で握り、肩から伸びた二本の腕には弓を構えている。


「おお……なんだかすでに強そう。じゃあ、イチロイド。この個体専用の分体を作って操ってくれない?」


「『かしこまりました。』」


イチロイドはそう言って分体用のゴーレムコアを生成し、バトルゴーレムへと組み込んだ。

その瞬間、イチロイドが直接この個体を操れるようになる。


「『では、これから私はこのバトルゴーレム専用個体として活動します。マスター、よろしくお願いいたします。』」


そう挨拶しながらお辞儀をするバトルゴーレム。

その丁寧な口調に違和感を覚えた剛志は、すぐに口を開いた。


「うーん、イチロイドのしゃべり方と同じなのは違和感すごいな。

これじゃただの分体と変わらないし。せっかくだから、このバトルゴーレム用にしゃべり方も変えようよ。いわゆる“キャラ付け”ってやつだね。」


その言葉に臼杵も興味を示した。


「おお、それいいな! せっかくだし一人称とかも決めようぜ。

イチロイド、それってこっちから指示すれば変更できるのか?」


「『ええ、可能だと思われます。ただ、すぐ実装した場合は違和感が残るかもしれません。そのあたりは試行錯誤が必要になります。』」


「いいじゃんいいじゃん。イチロイドの話し方には慣れたけど、正直ちょっと堅苦しいと思ってたんだよな。

まあ人工知能っぽさはあったけどさ。」


思いのほか乗り気な臼杵に、剛志は少し驚いた。

だが話を聞いて納得もする。

確かにイチロイドの口調は常に丁寧で、ややお堅い印象があった。

臼杵がそういう堅物タイプを苦手としているのは、これまでの付き合いで知っている。

ならば無理もない。


「じゃあ、せっかくだから口調だけじゃなくて、このバトルゴーレムにも名前を付けようか。

“バトルゴーレム”は種類名だし、イチロイドと区別するためにも個体名があった方がいいでしょ。

そうだな……鎧を着た戦国武将みたいだし、“ブショウ”って名前はどうかな?」


「おお、いいじゃん! ブショウか。じゃあそれに合わせて一人称も“それがし”とか“拙者”とかにする?」


「『あの……指示された通りにしますので文句はありませんが、少し悪ノリが過ぎていませんか?』」


さっきまで思考停止していた臼杵が、今や妙に生き生きしている。

そのせいで、ますます悪ノリ感が強まって見える。

そんな二人を見て、さすがのイチロイドもやや不安げだった。


「ああ、ごめんごめん。ちょっとふざけ過ぎたかもね。でも真剣に考えるから、心配しないで。」


「『かしこまりました。よろしくお願いいたします。』」


剛志の言葉に、イチロイドは渋々ながらも了承し、少し下がった。

その後も剛志と臼杵の話し合いは続く。


さっきまでの議論とは違い、今回はすでに方向性が決まっている。

その上での話し合いだからこそ、どんどんアイデアが出てくる。

会話もテンポよく進み、雰囲気は実に楽しげだ。


――問題があるとすれば、男二人が全力で盛り上がっている時点で、だいたいろくでもない結果になりそうということくらいだろう。


そんなこんなで、剛志と臼杵の“命名・設定会議”は盛り上がりを見せ、バトルゴーレム改め“ブショウ”のキャラ付けが決定した。


まだイチロイド自身も手探りではあるだろうが、これで「イチロイドが話しているのか」「ブショウが話しているのか」の区別はできるようになった。


その後、剛志たちは手持ちのマジックアイテムをブショウに吸収させた。

それにより若干レベルも上がり、複数のチャンネルにマジックアイテムの効果を蓄積することに成功した。


次はいよいよ実戦投入。

ブショウの実力がどれほどのものなのか。

戦闘モーションに関しては、イチロイドがすでに一定の知見を持っている。

だが、ブショウの戦い方はかなり特殊になるはずだ。

その切り替えや動作制御――それが今後の課題となるだろう。



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