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ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
剛志強化プロジェクト

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第151話 イチロイドの提案

剛志と臼杵、そしてイチロイドの姿は、先日作成したモンスタードームの改良版の前にあった。


前回の反省点を生かし、デコイゴーレムたちが逃げる場所を地下ではなく天井に変更していた。どうやるのかというと、デコイゴーレムが思いっきりジャンプし、そのゴーレムに対して天井に設置されたマジックハンドゴーレムの手が一気に伸びて引き上げるという方式をとった。


動きのイメージとしては、上空から垂れ下がったロープに掴まり、一気に巻き取られて上昇するような感じだ。この動きを実現させるために、今いるハイマジックハンドゴーレムに対して、ゴーレムカスタマイズのスキルで手の伸縮スピードを上げたゴーレムを作成している。こうやってさまざまな手段で適切なゴーレムを用意できるのが、剛志の最大の強みかもしれない。


そんな改良版モンスタードームを訪れた剛志たちは、昨夜の成果を確認していた。


「おお、本当に俺たちがダンジョンに潜っていないときでも、魔物を集められているね。イチロイド、これって大体どのくらいで集まるの?」


「『そうですね。前回と変わらず、だいたい一時間ちょっとだったと思います。』」


「そうなると、この魔物たちを集めるのにかかった時間よりも、何もせず待機している時間のほうが長いってことか。なんだか、それももったいなく感じちゃうね。でもダンジョンって、階層ごとに存在できる魔物の上限数が決まっているらしいし、あまり増やすのもできないから、そこは諦めるしかないか……」


そんな贅沢な悩みを口にする剛志だったが、こればかりはどうしようもない。それに、今のままでも十分効率が良いため、これ以上を求めるのは野暮というものだろう。


そのとき、横で聞いていた臼杵があることに気づく。


「確かに、これで魔物を集めすぎても、そもそも新しい魔物が生まれなくなるってことだもんな。……待てよ。ってことは、これで魔物を一か所に集めると、その階層は一時的に魔物のいない安全地帯になるってことじゃないか!」


臼杵の言う通り、理論上はこの方法で階層の安全を確保することは可能だろう。労力に見合うかどうかは微妙かもしれないが、剛志がいれば問題ない。あとは、その階層を安全にする必要があるのかどうか、という話だろう。


「確かに、できそうだね。でも、それってあまり意味なくない?」


「言われてみれば、そうかもな。そもそも一般人はここまで来られないし、ここまで来るやつはそれなりに実力があるしな。これから攻略する階層だったらアリかもしれないけど、それも剛志の場合、ゴーレムで探索すればいいだけだしな。なんだよ、いいアイデアだと思ったのに、使えないのか」


そう言って落ち込む臼杵。まあ、そんな雑談をしていられるほど安全に攻略できているというのは、むしろ良いことなのだろう。


また、今の方法だと空を飛ぶ魔物に対して、デコイゴーレムが逃げるのが難しいという問題もある。最後にモンスタードームで上空に逃げる際、周囲に魔物がいれば逃げられない。そのあたりも、魔物に応じて構成を変えることで、なんとかなるかもしれないが。


そうして、剛志はモンスタードームにいる魔物たちを、メイジゴーレムたちの集団魔法であっさり殲滅する。ゴーレムたちはその後、ドロップアイテムの回収に移った。一気に二万近い魔物を倒すので、そのドロップアイテムの量も膨大になる。


ここで改めて、魔物のドロップアイテムについておさらいしておこう。魔物は倒されると、アイテムを落とす。そしてそのアイテムは魔物ごとに固有である。ダンジョンの地下50階層までは、各魔物に対して一種類しか存在しないが、地下50階層以降では複数のドロップアイテムが存在する。そのため、魔物ごとに出現率の低い「レアアイテム」と呼ばれるものも登場する。


また、魔物のドロップとは別に「ミステリーボックス」というものも存在する。これは魔物を倒した際、約0.05%の確率で出現する宝箱で、基本的に中身は何らかのマジックアイテムである。ポーションなどの使い捨てアイテムが多く、剛志はまだ遭遇したことがないが、「エリクサー」と呼ばれる伝説の霊薬――あらゆる病や怪我を一瞬で癒す奇跡の品――が存在するという噂もある。


さらに忘れてはならないのが「イレギュラーエンカウント」だ。これは約0.4%の確率で出現するとされ、通常よりも強力な魔物が現れる。倒すと、必ずマジックアイテムを落とす。


そして、今回これをおさらいした理由は、今回約2万体の魔物を倒した結果、確率的には80体のイレギュラーエンカウント、10個のミステリーボックスが出現している計算となり、1回の処理で90個ほどのマジックアイテムが手に入ったことになる。


もちろん、今まで倒していた魔物でも同様のことが言えるため、剛志はすでに大量のマジックアイテムを保有している。その大半はポーションで、消耗品ではあるが。


そんななか、今回も大量のマジックアイテムを入手した剛志。横で見ていた臼杵が尋ねてきた。


「にしても毎回思うけど、剛志のマジックアイテムの回収量って、えぐいよな。今って、どれくらい持ってるんだ?」


「え、そんなの数えたことないよ。でも、だいたい一日に100個くらい集まって、そのうちポーション以外は1個か2個ってところかな。それがここ3か月くらい続いてるから、意外と200個あるかないかってとこじゃない?」


「いや、そんな“意外に少ないね”みたいなノリで言うなよ。普通、探索者やっててマジックアイテムなんて、片手で数えられるくらいしか手に入らないぞ。深層に潜ってる探索者でも三桁なんて、ほぼ見たことねえぞ。それを数か月で、って……十分化け物だぜ」


臼杵にそう言われ、剛志も「確かに」と思った。自分のゴーレムが便利すぎるせいか、あまりマジックアイテムにこだわってこなかった。自分が使うものはすでに買い揃えているというのもあるかもしれない。だが、これだけの量を有効活用していないのは、さすがに勿体ない気がしてきた。


しかし、勿体ないとは思っても、持っていても使い道がない。売るにしても、お金には困っていない。そのため結局、マジックバッグの肥やしになっているのが現状だ。


「確かに、臼杵に言われてみたら、このマジックアイテムを活用しないのは勿体ない気がしてきた。でも、正直俺には使い道のないアイテムばっかなんだよね。ゴーレムたちに持たせるにしては数が少ないし。だから、結局マジックバッグの肥やしになっちゃうんだよね」


「確かにな。お前のゴーレムは十分すぎるくらい便利だし、現状、困ってないしな。……贅沢な悩みだぜ、全く」


そう言って話を締めようとしたそのとき、イチロイドの「待った」がかかった。


「『いえ、“まったく使い道がない”というわけでもないかもしれません。たとえば、ゴーレムクリエイトで作成する際に、材料として使うアイテムが高品質であればあるほど、生成されるゴーレムのスペックは上昇します。もちろん、それに伴って必要器用値も増えますが、そこは【成長】の特殊コアと組み合わせて、後々成長する形にすれば、私のように初期ステータスを抑えることができ、必要器用値を低く抑えられるかと。したがって、私は、マジックアイテムと【成長】の特殊コアを組み合わせた、スペシャルゴーレムの製造を進言いたします。うまくいけば、強力な個体の作成も可能かと。』」


イチロイドの提案を聞き、可能性を検討する剛志。そして出した結論は――「いけそう」だった。


「おお、確かにイチロイドが言う方法なら、可能性あるかも! 元々使い道がなかったアイテムたちだし、一旦そのゴーレム作成を考えてみるのもアリだね。ありがとう」


「『いえいえ、こういった提案も私の仕事ですので』」


そんな「シゴデキ」なイチロイドの助言もあり、マジックアイテムを素材にした新たなゴーレムの製造に挑むことにした剛志。どんなゴーレムが誕生するのか、ワクワクが止まらない。


そんな期待感に包まれながら、今日のダンジョン探索は幕を開けたのだった。


本作品を楽しんで頂きありがとうございます。

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