表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
剛志強化プロジェクト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/180

第145話 新しいパーティーメンバー

ついに壁作成の依頼を完遂した剛志。しかし当の本人はその達成を喜ぶことなく、次なる目的で頭がいっぱいだった。


「よし、これでイチロイドが言っていた方法を試すことができるぞ」


そう言って喜ぶ剛志に、臼杵が少しねぎらいの言葉をかける。


「いや、あっさりしすぎだろう。お前が成し遂げたことって、正直言ってかなりすごいことだぞ。ほぼ確実に日本のダンジョンの歴史に残るぜ。一先ずお疲れさまだな」


「ん? ああ、ありがとう。でも歴史に残るとか言われても、正直やめてほしいくらいしか感想ないし。それよりも俺は自分にできることをやっていきたいからね」


そう言って、特に気にした様子もなくダンジョン探索の準備を進める剛志。言葉だけを聞くと、かなりの大物や研究者気質の頭のいい人のように聞こえる剛志の発言だが、本人はただ与えられたおもちゃを楽しんでいる子供と変わらない。それをこれまでの付き合いで理解している臼杵は、「ま、ある意味それも大物か……」と自身を納得させるのだった。


そうして、壁作成が終わった翌日。ついにダンジョンに潜るときが来た。


今日は、剛志、臼杵、イチロイドのほかに、宮本姉妹もその場にいた。


「剛志さん、健司さん。いつも姉がお世話になってます」


そう百花が挨拶をしてくるので、剛志たちも挨拶を返す。


「百花ちゃん。ありがとう。俺たちもお姉ちゃんにはいつも助けられているよ。それにしても、もう動いて大丈夫なの?」


剛志がそう返すと、横から万葉が説明してくれた。


「ええ、病院からは許可が出ているわ。それに今日からやっとレベル上げをできるようになるから、どんどんレベルを上げていって、早く百花に日常生活を送れるだけのステータスを上げたいわね」


「そういえば、百花ちゃんは何のジョブについたんだ?」


そう臼杵が聞くと、今度は百花自身が答えてくれた。


「格闘家のジョブにつきました。一番身体能力が上がりそうかなって思ったのと、せっかくだから体をいっぱい動かせるようになりたいなって思って」


そう言って笑顔で話す百花の表情からは、これからの自分に訪れる未来が明るいものになることを疑っていない、純粋なわくわくが見て取れる。この笑顔を取り戻せたことだけでも、この前の鮫島の一件は剛志たちにとって意味のある事件だったのだと、改めて実感できる。


そんな中、イチロイドが百花も一緒に来ないかと提案した。


「『百花さん、もしよろしかったらこの後の探索に一緒に参加しませんか? そうすればより早くレベルを上げられると思います』」


「確かに、そうだよ。宮本さん、よかったらどう?」


剛志も、イチロイドの提案に今気づいたように反応し、百花を誘う。なぜ今まで考えつかなかったのかはわからないが、剛志はどこか思いつきで動いている部分が多いため、最近は新しいレベル上げの方法について考えることで頭がいっぱいだったのだろう。


しかし、そんな剛志に臼杵が驚いたようにツッコむ。


「おいおい、まさかそれも知らないのか? レベルってのは一気に大量に上げすぎると、体の負担がすごいんだよ。ましてや今までほぼ寝たきりだった百花ちゃんはその辺も意識して、初めのうちはゆっくりレベル上げする必要があるんだ。パワーレベリングの常識だぜ?」


そんなことは知らなかった剛志は、「え⁉ そうだったの⁉」と驚いたが、その横でイチロイドも「『知りませんでした』」と落ち込んでいる。


ベテランの臼杵や万葉が提案していない時点で、なにかあるということを察するべきだったのだが、教えていないのでそれも無理な話だろう。


しかし、少し抜けている剛志ならまだしも、優秀なはずのイチロイドが間違えるということにびっくりした臼杵が、そのことを伝える。


「でも、剛志ならまだしもイチロイドでも間違えることあるんだな。俺はお前はそういうミスとは無縁の存在なのかと思ってたぜ」


「『お恥ずかしい。私も、自分で経験したことや情報収集したことしか知らないため、知識不足なところがありますね。どこかでその辺も改善しないといけません』」


「なるほどな。剛志、イチロイドの学習ってどうするのがいいんだろうな」


「う~ん、そうだね。でもとりあえずはインターネットから学んでもらうしかないんじゃないかな。あ、あとはダンジョン組合に言って、イチロイドの分体をサポート用ゴーレムとして各支部に派遣して、そこで学んでもらうとかもいいかも!」


「『確かに、そうしていただけると、一気に知識が付きそうではありますね』」


ひょんなところから、イチロイドの新しい強化方法を思いついた剛志。この案は実行するのにいろいろ根回しなども必要そうだが、実現できたらかなり良いだろう。


通常のAIなども、ある程度原型ができたら多くの人に使ってもらって、成長させるのが一般的だ。なので、そのやり方がかなりの成果を出せるだろうということはわかっているのだが、いろいろとプライバシーの問題などもありそうなので、また別の問題を解決しないといけない。一筋縄ではいかないだろう。


少し話が脱線したが、取りあえず今日のところは宮本姉妹とは別行動でダンジョン探索をすることになる。そのため剛志はかねてから言っていたように、サポート用のゴーレムたちを召喚し、イチロイドは分体を生成した。


「移動用のゴーレムとかも用意したし、取りあえずは何とかなるはずだよ。イチロイドのサポートもあるし。あと、念のため身代わりゴーレムも5体ほど付けとくね」


「何から何までありがとう。この恩は必ず返すわ」


「いいよ別に。仲間じゃないか」


そんな少し臭いやり取りをする剛志たち。最初の関係性から考えると、かなりの進歩だ。


すると臼杵がある提案をした。


「剛志、せっかくだから百花ちゃんともパーティー組んどこうぜ。今日は経験値の共有はできないけど、そのうちすることになるだろうし、万葉ちゃんの妹ならもう仲間だろ?」


「確かに、そうだね」


剛志たちがそう言うと、百花は遠慮したように答える。


「え、いいんですか? 私がパーティーに入ってもメリットはないですよ。私は皆さんみたいに特別なスキルなんかもなかったですし」


「そんなことは気にしなくていいよ。むしろ、ステータス内容を共有しあうことになっちゃうけど、それでも平気?」


剛志が尋ねると、百花は問題ないと承諾してくれた。


こうして剛志は、新しいパーティーメンバーとして宮本百花を受け入れたのだった。


パーティー結成時に確認した百花のステータスはこうだった。


名前:宮本 百花(みやもとももか)

職業:格闘家

スキル:自動回復

職業スキル:気功術

レベル:0

HP:2/2

MP:1/1

攻撃力:3

防御力:2

器用:3

速さ:2

魔法攻撃力:0

魔法防御力:0


百花の持っているスキルの「自動回復」は☆3のスキルだが、かなり使い勝手のいいスキルだ。その名の通り、HPとMPを自動で回復してくれるスキルで、その回復量は自然回復の10倍だ。大体ほとんどの人は12時間ほどで全回復するのだが、それが1.2時間で全回復するようになる。


体力の少ない百花にはぴったりのスキルだった。


それに百花は自身のスキルは何の変哲もない普通のスキルだと言っているが、ここにいる百花以外の三人が異常なだけで、彼女のスキルもかなり優秀な部類だ。


今はまだ低いステータスだが、この後ダンジョンでレベルを上げていくだけでそれは解消されていく。それにパーティーメンバーは全員が超一流の探索者だ。彼女のレベルを上げることは、そんなに難しくないだろう。


いずれはレベルも上がって、体も丈夫になった百花が、パーティー内で活躍してくれるはずだ。その日も、そんなに遠くないだろう。それまでの先行投資というだけだ。


そうしてパーティー登録も終え、やることがなくなった剛志たちはお互いに分かれてダンジョンに潜っていく。


剛志たちは深層に、宮本姉妹は低層に。それぞれ向かう先は別々だが、どちらもわくわくしているという点では全く同じだった。




本作品を楽しんで頂きありがとうございます。

ブックマークや評価、感想、リアクションなどをしていただけますと幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ