第12話 レベル3
「しかし、どうしたものかな…。一つの方法としては、ゴーレムを二人以上のペアで動かすとスライムを倒すことはできるな。でもそれだとスライムを連れてきて倒すというのができないからドロップアイテムをあきらめる必要があるんだよな…」
それから、いろいろ考えた剛志だが、一つ妥協案を採用することにした。
その案とは、今9体いるゴーレムたちを二体ずつのペアで探索させ、その際のドロップアイテムはあきらめるということ。そして剛志はそのうち一つの組と一緒に行動し、その組のドロップアイテムだけ回収するというものだ。
この階層でのドロップアイテムは正直そんなにお金にならないため、まずはレベルアップをして、より深い階層で戦えるようにすることを目的にしよう考えた。
その後は、今あるゴーレムたちを4チームに分け、どんどんスライム狩りを進めていく剛志。
ドロップアイテムは昨日に比べると減ってはいるが、一階に出てくるスライムが2~3匹と増えているので、そこまで数は減っていないようだ。
そうしてレベリングをしていると、ついに剛志のレベルが上がった。
ステータスボード
名前:岩井剛志
職業:ゴーレム使い
スキル:所持制限無視
職業スキル:ゴーレム作成・ゴーレム再作成
レベル:3(1up)
HP:19/19(2up)
MP:31/31(5up)
攻撃力:14(1up)
防御力:18(1up)
器用:21(5up)
速さ:14(2up)
魔法攻撃力:16(4up)
魔法防御力:20(4up)
今回は、新しいスキルは出てこなかったが、その代わりMPが30を超えレベルアップの恩恵でMAXまで回復している。ということは追加で3体追加することが可能になった。
「『ゴーレム作成:【ミニサンドゴーレム】』×3」
新たに召喚できたゴーレムはそれぞれ十郎から十二郎と名付け、それによって6組までペアを増やすことができたので、さらにレベリング効率が上がった。
それからは引き続き作業のようにスライムを狩りながら、ダンジョンの二階層を進んでいき、途中一体のゴーレムを追加しながらもそろそろ時間も遅くなってきたので上がろうかを考えたあたりでやっと二回目のレベルアップが起きた。
ステータスボード
名前:岩井剛志
職業:ゴーレム使い
スキル:所持制限無視
職業スキル:ゴーレム作成・ゴーレム再作成
レベル:4(1up)
HP:21/21(2up)
MP:35/35(4up)
攻撃力:15(1up)
防御力:19(1up)
器用:25(4up)
速さ:15(1up)
魔法攻撃力:20(4up)
魔法防御力:25(5up)
新しいスキル自体は生えなかったが、ゴーレム作成で召喚できるゴーレムが増えた。
【ゴーレム作成】
材料を用いてゴーレムを作成することができる。
現在作成可能なゴーレムは【ミニサンドゴーレム:10MP】【ミニウッドゴー
レム:10MP】
現在のゴーレムの上限数は2体。
新たにミニウッドゴーレムが作成可能になったのだ。
「ミニウッドゴーレム?、名前からして木でできたゴーレムなんだろう。とりあえず作ってみるか!」
「『ゴーレム作成:【ミニウッドゴーレム】』…あれ?」
剛志がゴーレム作成を使用したがミニウッドゴーレムは作ることができず、MPも消費されなかった。
その際に、頭の中でなぜ作れなかったのかがなんとなくわかった。
「なるほど、木を素材に消費しないといけないのか…。サンドゴーレムは砂が必要だからダンジョンにある砂を消費して作れていたんだな。確かにここには木はないな」
そう思い、辺りを見わたす剛志。
まあ、今日はそろそろ時間も遅くなってきているしひとまずミニサンドゴーレムをつくっておいて、次回来た際に木を持ってきてみようと思う。
そう考えた剛志は追加で三体のミニサンドゴーレムを作成し、ぞろぞろと16体のゴーレムを引き連れながら一階のダンジョン支部があるところまで戻ってきた。
その際に、さすがに16体は出しすぎだなと思ったので、次回からは移動中の数は減らそうと思う剛志だった。
ダンジョン支部についた剛志は昨日の反省を生かしDCMにダンジョンカードを挿入し、上白根さんを呼び出した。
そうして、昨日と同じようにドロップしていたアイテムを換金した。
「本日は全部で324個で約80㎏ですね。金額は1万5000円になります。昨日に比べて若干少ないですね。何かありましたか?(まあ、これでも十分多いんですが)」
「ああ、今日は地下二階層に進んで、ドロップアイテム回収よりもレベリングを優先したんですよね。結構な数のアイテムを拾えなかったので、もったいない気持ちがぬぐえなかったんですけどね。」
「なるほど、そうでしたか。このダンジョンでは地下10階層以降で現れるゴーレム系の魔物のドロップアイテムが換金率が高く人気ですよ。一個一個が重たいので回収量に限界がありいつでも品不足の状態なので、そちらを格納していただけるようになるとこちらとしても助かります、ぜひ頑張ってください。」
上白根さんとの会話でいいことを聞いた剛志は、当面の目標を地下10階層以降に進むことにして、取り敢えず今はレベリングを中心にしようと決意を新たにした。
その日は早めに帰宅し、明日から始まる仕事を思って、少し憂鬱に思いながらも、今まで運動不足だったこともあり、この週末の充実感に気持ちのいい眠りにつくのだった。




