表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
邪悪な思惑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/142

第112話 地獄の10分間

鮫島がその場から消え、残ったのは圧倒的存在感を放つ闇の大精霊だけだ。


対するこちらは剛志と臼杵、あと組合長の三人だけだ。


数で考えると3対1の構図で有利のように感じるが、相手との実力差を考えると全く以てこちらサイドが不利だ。組合長の強さはわからないが、十分戦えそうだとはいえ、一線を退いた人だ。あてにするのはおかしいだろう。


しかし、鮫島の言葉が本当なら勝ち筋が残っている。10分間生き残ればいいだけだ。幸い、剛志はほぼ無限のゴーレム軍団を操るゴーレム使いだ。その数もどんどん増えており、耐久戦では右に出るものはいないだろう。


そう考え、剛志は二人に対し提案をする。


「組合長、臼杵。ここは俺が時間を稼ぐよ。正直この中でこの化け物相手に時間を稼げるのは俺しかいないと思う。」


そういう剛志に対し、臼杵は心配そうにしながらも肯定する。


「ああ、確かに悔しいが俺もただのお荷物になりそうだ。でも剛志大丈夫か?いくらお前でも10分持つかわからないぞ。それに10分が嘘だった場合勝利は絶望的だぞ」


そんな臼杵の横で黙って闇の大精霊を見つめる組合長。すると組合長が大精霊に向けて話しかけだした。


「あなたは闇の大精霊の一柱とお見受けする。なぜ鮫島なんかの命令を聞くのですか?」


「ん?それは忌々しいことに奴と契約を交わしてしまったからだな。どんなに卑怯な契約でも契約は契約だ。」


「なるほど、だまし討ちに近い契約を交わされたということですね。ではお聞きするのですが、あなたが契約した内容は10分間戦闘を引き受ける事という内容であっていますでしょうか?その場合、今も戦闘中ということにして、このまま10分何もせずに帰っていただくことは可能でしょうか?」


そう尋ねる組合長。それを聞いて剛志はその手があったかと目から鱗が落ちた。しかし一瞬の希望はすぐさま絶望へと変わる。


「ん?なぜそんなことをしなくてはならないのだ?10分間何をするのかは私が決めることであって、お前が口を出す問題ではないだろう。それともこれは命令かなにかか?殺すぞ?」


そういって一瞬とてつもない殺気を放ってくる闇の大精霊。それを受けて組合長も体がこわばるが、何とか耐える。


すると組合長は剛志たちの方を向きながら、話し出した。


「いやぁ、そううまくはいかんね。でもこれで10分が嘘ではないことがわかったね。彼らは性質上嘘はつかない。まあ、会話できていても結局のところ魔物だ。理性的な会話ができるわけではないようだね。とりあえず剛志君の策で行くしかなさそうだ。周りへの被害なんかは気にしないでくれ。そっちはこちらがサポートする」


そう言い剛志の肩に手を置く組合長。その後臼杵と組合長が剛志の後方へと下がったところで、大精霊が話しかけてきた。


「で、もう始めても良いか?なんだか話していたようだから待っていたが、そろそろ飽きてきた。こっちもちゃっちゃと終わらせてしまいたいんでね。」


「ええ、よろしくお願いいたします。」


そういう剛志。なんとも奇妙な魔物との戦闘前の挨拶だが、このセリフを合図に闇の大精霊が動き出した。


大精霊の周囲の空間がねじれるように変化すると、その歪みが中心に向かって流れ込むように変化していく。おそらくブラックホール的なものを複数作っているのだろう。


そんなでたらめな攻撃を待つわけにもいかない剛志は、さっそく考えていた策を打つ。


「【高速召喚】」


高速召喚のスキルで、大量のサンドカーペンターゴーレムを出現させる剛志。この狭い室内をゴーレムたちの質量で埋め尽くしてやろうという寸法の様だ。


どんどんと出現していくサンドカーペンターゴーレム。それなりに広い部屋と言ってもゴーレムたちが何体も出てくるとあっという間に埋まってしまう。そして大精霊が作成していたブラックホールが放たれるよりも前に、室内が砂の塊であるサンドカーペンターゴーレムで埋めつくされてしまった。


完全に部屋を埋め尽くした後も高速召喚ではないものの、ゴーレム異空庫を開き大量のゴーレムたちを召喚し続ける剛志。そんな剛志の横で臼杵が興奮気味に剛志に話しかける。


「おいおい、考えたな!さすがのやつもここまで埋められちまったら身動き取れないだろ。これであとは10分待つだけかよ。思ったよりちょろかたな」


そんな楽観的な意見を言う臼杵に対し、言われた当人はまだ全然安心していない。なぜならすさまじい速さで、大精霊の近くのゴーレムたちが消滅していっていることが剛志には感じ取れていたからだ。


「いや、まだだよ。あいつは今このゴーレムで埋めた空間を削りながら動いている。出てくるのも時間の問題だ。とりあえずここは危ない。はなれて!」


そう剛志が言い放った瞬間。剛志のゴーレムたちが一気に消滅した。


よく見ると部屋の中心で闇の大精霊が右手をこちらに向けている。その手の前にはボウリングサイズのブラックホールが存在していた。


あのブラックホールで部屋中のゴーレムたちを吸い込んだんだろう。そう理解した剛志だったが、だからといって召喚の手を休めるわけにはいかない。今も尚ゴーレムたちを召喚し続けている。


「面白い戦い方をするのだな。人間。お前は鮫島よりも見どころがあると思うぞ。この後死んでしまうのだから、成長後を見られないのは勿体ないがな。」


そういいながらゆっくりと浮かぶ大精霊。その間もしっかりと腕の前のブラックホールを剛志に向け続けている。あの黒い球を射出するのか、それとも先ほど吸い込んだゴーレムたちを逆に吐き出して武器にするのか。想定はできるが対処できるわけではなさそうだ。


そんな事を考えている剛志に対し、闇の大精霊が大技を解き放つ。


「【黒孔砲ブラックバズーカ】」


そうして放たれたブラックホール。それは一直線に剛志の胸を貫く。そしてそのまま剛志を貫き、奥の扉を貫き、壁を貫いていく。どこまで貫通しているのかわからないほど飛んで行ってしまったブラックホール。この時間、わずか0.1秒にも満たない。


遅れて自身が攻撃を受けたことに気づく剛志。痛みが襲ってくるが死はこない。なぜならここでもしっかりと身代わりのゴーレムが身代わりとして消滅してくれたからだ。


しかし、この攻撃。スピードもさることながら威力がヤバい。壁の向こうに人が居なければいいが。いたら即死だろう。


剛志が攻撃を受けたのにも関わらず生きていることに不思議そうな大精霊。


「ん?当たったのにも関わらず生きているだと?面白いな人間。退屈だと思っていたが、少しは楽しめそうだ!」


そういっていきなりテンションが上がってしまった大精霊に対し、剛志は内心ドキドキだった。そして戦っているのが自分でよかったとも思う。臼杵や組合長では今の一撃で確実に命を落としていただろうからだ。


胸に大きな穴が開いて、使い物にならなくなってしまった胸部分のマジックゴーレムを外し、予備のマジックゴーレムを召喚して装着する剛志。


地獄の10分間はまだ始まったばかりだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ