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ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
邪悪な思惑

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第109話 契約の内容

探索者組合の本部がある新宿ダンジョンにやってきた剛志たち。


剛志と臼杵は事情を把握しているが、万葉はなぜここにきているのかわかっていない。そのため道中、なぜここに行くのかと万葉が剛志たちに聞いてきた際には、剛志と臼杵は回答に困った。


そんな一幕もありつつ案内された部屋に入ると、そこには町田所長に組合長、町田所長のお兄さん、内木守三、服部と今回の件にかかわった面子のオールスターがすでに待っていた。


「ああ、来たか。入ってくれ」


剛志たちを見て、そう声をかけたのは組合長で町田所長のお父さんでもある町田龍之介だった。いきなりテレビや雑誌でしか見たことのない有名人に声をかけられ、どこか緊張しながらも中に入る剛志。


「やあ、今回は来てくれてありがとう。剛志君は初めましてだったね。活躍は聞いているよ。臼杵君に宮本君は、以前も何度かあったことがあったと思うが、また最近活躍しているみたいじゃないか、いつもありがとう。」


そういって、優し気に剛志たちに話しかけてくれる組合長。その発言を受けて、今まで若干緊張していた剛志たちの緊張が和らいだ。


そうすると、横から町田所長が話し出す。


「組合長。本題に入りましょう。剛志君、臼杵君。今回君たちに来てもらったのは、以前聞いた話の全容がわかってきたからなんだ、それに万葉君にも来てもらったのは、この場で一緒に共有するのがいいと思ったからだ。」


そういわれ、ついに真相がわかるのかと息を吞む剛志たち。その横でよくわかっていない万葉が質問をする。


「え、どういうこと?剛志と臼杵から聞いていた話?私何にも知らないんだけど。」


「まあ、万葉ちゃん。そのことについてこれから聞けるんだし、もう少しだけ待ってくれないか?俺たちが君に黙って動いていたのも君を思ってなんだってことだけは信じてくれ。それに町田所長。あ、ここではややこしいか。桃花所長。万葉ちゃんにも教えて問題ないってことでいいんだよね?」


そうやって万葉をなだめつつ、町田所長に質問をする臼杵。それを聞いて万葉は少し不服そうに黙ったが、町田所長は笑みを浮かべながら返事を返した。


「町田所長でもどっちでも構わないよ。それに万葉君にも聞かせてもいいかって?確かに不安が残るが、彼女に聞かなくてはいけないこともあってね、やむを得ずってところさ。全力で彼女の身の安全を守ることを約束しよう。」


そういう町田所長。それを聞いて、剛志と臼杵は緊張感に包まれた。もうすでにすべてが解決していることすら期待していた剛志は、まだこれからだということに不安を覚える。


不安を感じたのは剛志だけではない、いきなり呼び出されて聞きたいことがあると言われた万葉本人だ。


「私に聞きたいこと?まだ何も聞かされてないのよ。早く教えて頂戴。今もみんなが何について話しているのか分かってないんだから。」


そういってちょっと不機嫌だ。日本最強クラスの彼女が不快感を出すだけでも、周りにいるものはその気に押されて緊張感が充満する。このまま引き伸ばすことはできないと感じた町田所長はさっそく本題に入ることにした。


「ああ、すまないね。まずは万葉君に対し聞きたいことから聞かせてくれないだろうか?今回君に来てもらったのは次のことを聞きたいからだ。君が妹さんの入院の件で八王子ダンジョンの支部長の鮫島と契約を交わしたと思うのだが、その時の契約内容について教えてほしい」


いきなり想像もしていなかったことを聞かれ、驚く万葉。しかし別に隠しているわけでもなかったため、回答する。その横で剛志と臼杵はストレートに聞く町田所長に驚いた表情を浮かべていた。


「百花の入院の時の契約内容よね。あの時は私がまだ探索者になったばっかで、お金もなかった時だったのよ。運よく強力なスキルを手にすることはできたけど、当時の病院への入院費もギリギリの状態で、早く何とかしたかった。そんなときに助けてくれたのが鮫島さんだったってわけ。彼には頭が上がらないわ。」


そういって、話終えてしまう万葉。そのことに違和感を覚える剛志と臼杵だった。なぜなら聞かれたことに答えていないからだ。この奇妙な違和感、剛志が最初に感じたものによく似ている。


「え、宮本さん?終わり?今聞かれていたことに答えていないと思うんだけど...変だよ。君はそんな風に会話が成り立たない人じゃないじゃないか」


いつまでも話し出さない万葉を気味悪がって少し強めの口調で問いただしてしまう剛志。それを受けて、万葉自身も頭を悩ませるように眉間にしわを寄せる。


そして臼杵があたりを見わたすと、剛志以外の面子は予想がついていたようにこの状況でも焦っていない。


「町田所長!どういうことだよ。この展開も予想済みだってのかい?」


堪らず聞く臼杵。それに対しゆっくりと頷く町田所長は、再度万葉に確認をとる。


「万葉君、もう一度だけ聞くね。君が妹さんの入院の件で八王子ダンジョンの支部長の鮫島と交わした契約の内容を教えてくれないかな?」


そう再度聞かれ、何か頭に靄がかかるのを感じながらも万葉は答えた。


「…確か、あの時は。鮫島所長が百花を良い病院に転院させてくれるって言ってて、その入院費も立て替えてくれるって言ってくれたのよね。それでいきなりそこまでしてもらうのは申し訳ないって思って、お返しは何をすればいいのかって聞いたら、特に何もいらないって。それでもその申し出を受けるのを少しためらったらすぐに別案を出してくれて、鮫島所長が困ったときに何か助けてくれって。それならと思って了承して契約書にサインをしたわね。だから結局のところ契約内容としては、鮫島所長が妹の入院費の建て替えと転院先の紹介をしてくれる代わりに、鮫島所長が困ったときに手を貸すっていう内容よ。」


少し思い出すのに苦戦した様子であったが、何とか思い出して答えてくれた。


その発言を受けて、町田所長はやっとわかったといった様子で、少し興奮気味に追加で質問をする。


「なるほど!ありがとう。これで奴の手口が分かった。万葉君、その後困った彼を助けるために契約書を新たに書いたと思うのだが、その時の内容を教えてくれないか?」


「新しい契約?え、そんなのした覚えは…。うん?あれ、確か、思い出してきた。そうよ!その契約で・・・」


そういって、いきなり万葉は固まってしまった。今まで話していたのにそのままの表情で急に固まった万葉を見て、皆一瞬何のことだか理解できなかった。


しかし、瞬きもせずに固まったまま動かない万葉を見て、事の重大さを理解した剛志が万葉の肩を揺さぶる。


「宮本さん!宮本さん返事をして!町田所長、どういうことですか⁉」


全く反応がないことで焦りを覚えた剛志。そのまま町田所長に対し声を荒げてしまう。


それに続くように町田所長たちも万葉のもとに駆け寄ってくる。


その間も声をかけ続ける剛志と臼杵。それでも万葉は答えない。すると万葉の体から黒い靄のようなものがにじみ出てきた。


「うわ!」


突然出てきた黒い靄に驚いた剛志が、万葉の肩から手を離す。そして黒い靄は万葉の体から抜け出ると、一直線に西の方角に向かって飛んで行ってしまった。


「しまった!まずい!」


そう声を上げたのは内木守三だ。彼は今の靄のことを知っているのか、かなり焦った様子だ。


そうして、その横で組合長も今回の一連の出来事を理解しているようで、剛志たちに指示を出す。


「皆、急いで八王子ダンジョンに行くぞ、時間との勝負だ。」


そういう組合長にたいし、内木だけが理解をしているようだ。


「そうですね、一刻を争うと思います。しかし、彼女をここにおいておくわけにもいきませんし、そちらはどうしましょう。」


そう聞く内木守三。それに対し、組合長は冷静に判断を下す。


「桃花、お前がここに残って宮本君のことを見ていてくれ。それ以外の面子は着いてこい、道中に状況を説明する!」


そういって駆け出す組合長。年を感じさせないそのスピードに慌ててついていく一同。それについていく剛志は、この場に置き去りになってしまう動かない万葉を振り返り確認する。


ここに残る町田所長と、万葉の両名が心配でならない。せめて護衛だけでもと思い、町田所長に声をかける。


「護衛だけでも置いておきます!好きに使ってください!」


そういって走りながら、前方にゴーレム異空庫を展開し、ざっと20体ほどのゴーレムを召喚してその場を後にするのであった。

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