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ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
邪悪な思惑

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第103話 リスクと交渉その①

臼杵は帰ってきて早々、テントの中で剛志に今日のことを相談していた。


「剛志、いろいろわかっては来ているが、少し手詰まりみたいだ。服部の調べでは、剛志が万葉ちゃんから聞いた、ダンジョン支部長の鮫島って男が怪しそうだということまで突き止めた様なんだけど、今のところ証拠が全くないみたいなんだ。あるのは俺たちの違和感と状況証拠だけ。それに鮫島は評判のいいやつみたいで、調べるのに難航しているって言われた。」


「なるほど、結構わかってきたみたいだね。でもこうなるとダンジョン組合としても問題になりそうだね。その場合俺たちにどこまでやれるのか…」


支部長が怪しいというのが現実味を帯びてきたため、より組織としての問題になりそうだということを懸念する剛志。


それもそのはず、このまま万葉に対してダンジョン組合の一所長が何らかの精神攻撃を行い、陰で操っていたとなれば、A.B.Y.S.S.とある意味戦争中の現状、かなりの痛手となるだろうことは剛志にも想像できる。そうなると下手したら組合側がもみ消そうとする可能性すら考えられる。


おそらくそれらを見越したのが服部からの協力者の確保ということなのだろう。


「服部からは誰か協力者を見つけてくれないかって言われているんだよな。でもこの条件がかなり難しいんだ。精神攻撃を受けていないであろう人物かつ、情報を集められるような身近な人物で、その上ダンジョン組合の内部の人間がベストだって言っている。さすがにそんな人物に心当たりはないぞ。」


そういって肩を落とす臼杵。剛志も条件を聞いて、いろいろ考えてみたが、そもそもの交友関係も広くなく、思いつくはずがない。


2人して、何も案が浮かばなくなってしまったのだ。


それからしばらく考えたのちに剛志が口を開いた。


「もうこうなったらイチかバチか町田所長に相談するのってどうかな?彼女を仲間に引き込めたらかなり協力者も見つけやすいだろうし、そもそも町田所長が協力者になるとかなり有利に物事を進められそうだけど…」


「でも剛志、町田所長も一応容疑者の一人だったろ。万葉ちゃんの妹の病院のことも知っていたし、さすがに今の段階で聞くのはリスクが大きすぎるんじゃないか?」


慎重論の臼杵が待ったをかけたが、剛志は今回は譲らなかった。


「それもそうなんだけど、ほかに現状手がないと思う。町田所長はダンジョン組合の組合長の娘で、お兄さんも組合のお偉いさんだったじゃん。もしこの時点で彼女も敵側だったらそもそも勝ち目の薄い戦いになっちゃうし、その場合は組合との衝突は避けれないと思うんだ。それに俺は今までのやり取りの中で町田所長は悪い人じゃないと思っている。ここはリスクをとってでも相談するのがいいんじゃないかな?」


そう剛志が言うと、臼杵は考え込んでしまった。


どちらの言い分も正しい。ただリスクをとるかどうかというだけの話だ。今回は病気の少女の命に係わるかもしれないため、慎重に動いていた剛志たちだったが、それで物事が進まないようならある程度のリスクは負うしかないのかもしれない。


そう結論づけた臼杵は、次善策として剛志に提案をした。


「わかった。剛志の案に乗るぜ。でも今回はそれでもリスクを最小限にしたい、だから次のことを約束してくれないか?まず万葉ちゃんには黙って動くこと。次に交渉の際は俺に預けること。俺もそんなに交渉事は得意ではないが、たぶん剛志よりはうまくやれると思う。これでも数年は一流探索者として活動してたんでね」


剛志は、臼杵の提案を聞いて即座に「うん、わかった」と答えた。


しかし、その剛志に対し臼杵は追い打ちをかける。


「剛志、本当にわかったのか?交渉の際には俺に預けるってのは、条件等も俺が決めるということだぞ。例えば交渉材料として、剛志のゴーレムの労働力を使用するかもしれないし、今やっている壁建設をやめることをちらつかせて交渉を優位に運んでいこうとすることも考えられる。こういったことも含めて預けてもらうってことだぜ」


そういう臼杵に対し、剛志は特に迷うことなく返事を返した。


「うん、そこまでは考えてなかったけど、俺よりはうまくやれると思うってのは同感だし、臼杵のことは信頼しているからね。それに最近思うんだよね、俺の出来ることって本当はかなりすごいことで、かつ希少性が高くって替えが効かないんじゃないかって。でも今まではだからと言って交渉をして自分の価値を高くしようなんて考えていなかったけど、そういうのも大事なんだろうなとは思うし。臼杵なら安心して預けられるよ。」


剛志からのまさかの返答に面食らった臼杵だった。剛志はいつものほほんとしており、あまり考えて動くタイプじゃないなと思っていたのだが、実はそんなことを思っていたとは意外だったのだ。


しかし、探索者としてやっていくには必要な心構えであるし、むしろ今までが安売りしすぎなくらいだと思っていた臼杵は、そのことも併せて組合には今までの恩を返してもらうことにしよう。


そう思い、より一層気合の入った臼杵。


そしてその二人の気合にタイミングよく明日は万葉が休みをとる日だ。


前回のことを警戒して万葉からは、ダンジョン探索は行わないでダンジョン支部など、近くに人の居るところから離れすぎないようにしてほしいと頼まれていたのだが、その願いも守れそうだ。なぜなら明日はこの時間を利用して町田所長に相談しに行くことになるのだから。


そして、翌日。万葉は休みを取って妹の見舞いに行っている間に、剛志と臼杵は町田所長にアポを取り、実際に合うのだった。


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