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ゴーレムの可能性は無限大 〜副業で探索者になったら職業とスキルの組み合わせが良過ぎたみたいです〜  作者: 伝説の孫の手
ダンジョン探索開始

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第10話 指輪型マジックバッグ

「すみません、マジックバッグってどこにありますでしょうか?」


剛志が店員に聞くと、その店員は快く答えてくれた。


「はい、マジックバッグですね。失礼ですがどのようなものをお探しか詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?ウエストポーチ型やリュック型、はたまたブレスレット型など様々で、目的に応じて合うものがございますので」


そういわれ、自分の目的を考える。


「そうですね、目的はとりあえず入れれる物の大きさが大きいものがいいですね。容量や個数なんかはとりあえずそんなに多くなくて大丈夫です。あと、今回は値段を確認したいだけなので、まだ購入する予定はありません。資金面もこれからなので…」


そういって自分の手の内をすべてさらした剛志だが、店員の態度は特に変わらない。


「なるほど、かしこまりました。すべて話していただいてありがとうございます。商品の値段も高いのでそういったお客様は多々いらっしゃいますので、お気になさらないでください。…入口が大きいものですか、そうしますと一番大きいのはブレスレットや指輪型の物になります。こちらは基本的に触れたものを収納空間に転送するというシステムなので、入口の大きさは関係ありません。容量オーバーなどでははじかれますが。しかしこちらはかなりお値段が張りますので、資金面を気にされているようなので合わないかと。そうなるとリュック型がよろしいかと思います。」


と丁寧に教えてくれた。


確かに金額面で不安のある剛志にとって、有益な情報だったが、ブレスレットなどのアクセサリー型の入り口の大きさは関係ないというのが気になる。


所持制限無視という☆5スキルを持っている剛志にとって、ほかの人では全く使い物にならないような容量のアクセサリー型でも、無限に物が入るチートアイテムに早変わりするからだ。


なので、そういったものがないか気になった剛志は、もう少し質問することにした。


「なるほど、そういうものなのですね。ちなみに参考価格でいいのですが、この店に在庫があるもので、アクセサリー型とリュック型の最安値の物をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


「かしこまりました、少々お待ちください。…出ました、アクセサリー型の物で言うと指輪タイプのもので最安値なのが8万円になりますね、ただしこれは容量が30mlで重さも500gまでしか入らないものになっており、用途としては何かの鍵なんかを携帯する際の物でお客様の用途には合わないかと。次にリュック型ですが、こちらは最安値で35万円になりますね。こちらは容量が50Lで重さ制限は100kgまでとなっています。」


と説明を受けた。


そこで剛志は指輪タイプのものが8万円で買えることに歓喜した。


冷静に聞くとその容量だけしか入らないものでさえ8万円することに驚きを隠せないが、そのことは剛志には関係ない。


「へえ、指輪タイプのものでも、最安値ならその価格で購入できるんですね。とはいえ、その容量だと少し高めな印象もあります。ただ、実際にどんなものか一度使ってみたい気持ちもあるので、よろしければ見せていただくことはできますでしょうか?

8万円まででしたら購入可能なので、もし内容に納得できれば、購入を前向きに検討したいと思っています。」


そう伝えると、先ほどまで聞いていた話と今回指輪タイプのものを買うことがつながらないのか、訝しげに剛志のことを見た店員だったが、「かしこまりました」と言って、奥から指輪を持ってきてくれた。


本来だったらとても高いものを買って初めて得られるような収納力を、スキルのお陰で手に入れれる剛志が若干の罪悪感によりそのあたりをぼやかして話していたので、そこからは終始不思議な空気が流れていたが、結局その指輪型のマジックバッグを購入した剛志はほくほく顔でその店を後にした。


本来だったらポーションやら、ゴーレムたちに持たせる武器なんかもみたいと思っていた剛志だったが、かなりお買い得に手に出来たとはいえいきなり8万もの出費をしてしまったので、今回はこれで終わりにすることにした。


その後はぶらぶらとダンジョンの一階層に立ち並んでいるお店たちを回りながら、約束の18時まで時間をつぶした剛志の姿は、上白根さんと約束をしていたダンジョン支部に戻ってきていた。


「お待ちしておりました。剛志様。本日の依頼内容はお伝えした通りですが、この支部に残っている高重量の鉱物アダマンタイト鉱石の輸送になります。剛志様にはお貸ししてあるマジックバッグに石を入れてもらい、こちらにいらっしゃっているダンジョン間転移のスキルホルダーである蝶野様に運んでもらい、受け渡しが終わり次第終了といった流れになっております。蝶野様はランク5の探索者様で、よくダンジョン組合の依頼を受けていただいている方なので、今後一緒に仕事していただくことも多いかと思います。」


そういって紹介されたのは、身長170センチほどのスレンダーで長身の女性だった。


短髪でどちらかと言えばかっこいいといったような感じの女性だが、話してみるとその印象はあっていたことが分かる。


「おお、よろしく。私は蝶野真紀。スキルは聞いていると思うがダンジョン間転移だ。このスキルのせいでダンジョン組合から便利屋扱いされてる気がするが、まあそれなりに金払いもいいし、不満はないけどね。でも昨日の今日で仕事を振るのはやめてほしいところだけどね」


そういって隣の上白根さんに不満そうな目線を送る蝶野さん。


確かに剛志のスキルが分かって、次の日にこの依頼だから、蝶野さん的には昨日急に入った仕事ってことになる。


そのちょっとした訴えを聞き、上白根さんは「申し訳ございません」と言って謝っている。


そんな光景を見ながら、剛志は先ほど購入した指輪で作業が楽になると思い、そのことを踏まえて上白根さんに連絡することにした。


「かしこまりました。蝶野さんこれからよろしくお願いします。あと上白根さん、さっきおすすめされた店で、安い指輪型のマジックバックを購入したので、これを使えば収納スピードが上がると思います。それに、これからはこれを使うのでお貸しいただいたマジックバッグはお返ししようとおもうのですが」


そういう剛志の顔を見て、もうマジックバッグを購入したのかと若干驚いた上白根さんが剛志に質問をした。


「なるほど、かしこまりました。しかし指輪型のマジックバッグというのはいくら安いものといっても、かなり高級なので初めはリュック型を購入されるのかと思っていたのですが」


「ああ、そういうことですか。なんか鍵とかのちょっとしたものをしまうためだけの極端に容量の少ないマジックバッグみたいで、指輪型だけどかなり値段は安かったんですよ。でも私のスキルだったらこれで問題ないし、指輪型は収納の方法が転送方式なので、時間短縮になるかなっと」


「なるほど、そういうものがあるのですね。それは私も目から鱗でした。基本マジックバッグは最低限の容量がないと使い物にならないので、そういったものは頭から外してしまっていましたが、確かにそれで問題ないですね。かしこまりました。マジックバックの返却と、作業内容の変更を承ります」


そういって納得してくれた。


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探索者情報

ダンジョン組合によって管理されている探索者たちにはそれぞれランク付けがされており、10級から始まり、1級まである。その上に特級と呼ばれるものもあるらしいのだが、基本的にこの特級は探索者のランクというよりは、その個人の特別性で与えられるようなのでここでは関係がない。

また、ランクによって大体のイメージがあり、10~7級は初心者、6~4級が中級者、3~1級が上級者といった感じで分けられており、それぞれにダンジョン組合から与えられる特権なんかも変わる。

基本的にランクアップは、依頼達成の貢献度やドロップアイテムの売買による売り上げなどから判断され決められる。

また上位の方になってくると、ただ貢献度だけではなく戦闘力なども判断材料になるため、そういった際には別途試験が設けられることもある。

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