第47話ドキドキ!ワクワク!たからものっ!
ううう、ちょっと……だいぶ、きんちょーーするうぅぅ。
「…………!」
ぼくは、そろ~っと片足を部屋に踏み入れた。
気をつけて、気を付けて! なにかあったら、だいぶきけん! 主にぼくの命と人生が!
「遠慮しなくていい。さあ、こっちだ」
「はわわわ」
ファランさま、そ、そんな……手を引いてくれるのはありがとうですけど、ぼくぼく……。
「あの、あれはなんですか? 変わった形ぃ、かっこいいぃぃ」
「ああ。これは、伝統行事のときに必ず使用する、式具の一式だ」
「ふえぇぇぇ……すごぉおい」
ちょっと遠くからでも全然わかる。金色のちょーすごそうな……なんかカッコいいやつ。ぴかぴかしすぎてなくて、逆に上等そう!
丸いの、長いの、ちょっと大きいの。なにをどう使うかは、わかんないけど。
「……サファ? なぜそんな離れているんだ? もっと近くから見てみたらどうだ?
「えっ!」
「……?」
思わずビックリしてファランさまを見ると、ファランさまもビックリな顔で目をパチパチした。
ち、近づいていいんですか? え、これ以上? 今でも、全力疾走したら3秒でぶつかっちゃいそうなところにいるのに?
「あ……あっ、そのっ、近づきすぎたら、なんか、あの、うっかり手とか、服のこの、そでとか、あたっちゃったらたいへんだなって!」
「……? 袖や手くらい、触れてかまわない。そんなに気にするな」
「えっ、ほんとに? え、じゃあ……」
ぼくは、そろ~っと一歩、もう一歩、近づく。
「……まだ遠いぞ?」
「えっ」
じゃあ、も、もう一歩ずつ!
「ぉお……」
目の前には、まるでお月さまを切り取って鍛えたような金色の丸。中央には、くるくる模様の細工。横にはちょっと曲がった杖みたいな飾りもあって、なんか意味はわかんないけどすごい。
これぇ、儀式のときにどんなふぅに使うんだろぉぉ?
こう、ささげもつみたいにして、王様とかに渡されるやつ。たぶん。
「はわわ……すごい! おつきさまみたいで、ぐるぐるで、すごいカッコいぃぃ……」
「はは……たしかに、月のようだし、ぐるぐるだな」
「ファランさま、ファランさま! これ、これ、すごい宝物ですねぇ……伝説のぉ、宝箱の中にぃありそうです」
「ふっ、サファがそう言うと、そのようにも見えてくるな」
お月さまみたいな丸に、ファランさまがふふって笑った顔が写って、ぼくはおもわず、きゅっと隣を見上げたりしたのだった。




