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第46話 ぼくが入って…大丈夫ですか?

「うぅぅぅ……」

ソワソワソワ……


「あわわ……」

ドキドキドキ……


どうしようぉぉ。だいじょおぶかなぁぁ。


「サファさま? すこし座ってお待ちになりませんか?」

「え、あ、うん」

あの……侍女さん、いつもぼくのこと、すっと抱えるよね。

気がついたらもうぽすん、とソファにおかれてるし。

ちょっとだけ、クッションにでもなった気分。


「はぅ……」

「大丈夫ですよ、サファさま。ファランさまは、ちゃーんといらっしゃいますからね?」

「うん……」


そうなのだ。今日は久しぶりのファランさまとの王宮探索の日。

こないだ急になしになった日の、代わりにとファランさまが言ってくださった約束の日だ。

もちろん、ちゃんときてくれるって思ってる。


でも――

ちょっとだけ、ちょーっとだけ、ソワソワでヒヤヒヤだったりする。

ううう……。どぉしよぉぉ……もし、今日もファランさまがこられないってなったらぁ。

そう考えただけで、ソワソワがひどくなる。


「あわわわ」

「――どうしたのだ、サファ?」

「いえ、どうも――」


――あれ? この声……


「え、ファランさま!?」

「ど、どうしたのだ。そんなに驚いた顔をして。約束は覚えていたのだろう?」

「は、はい! きてくれたんですかぁ……?」

「もちろんだ」

おもわず、ソファからぴょこん。クッションになるのは終わり!


「わーー! ファランさま!」


ほんとにっ! ほんとに来てくれたっ!


「わぁぁぁ、ありがとうございますっ!」

「この間はすまなかったな。急に予定が変わってしまって」

そっかぁ、ほんとのほんとに用事ができたやつだったんだ。いやになっらから、用事ができた子にしたわけじゃなかったんだっ!


「いえ! 今日、会えたのでぜんぜんですっ!」

「ははは、そうか。それはよかった」


ファランさまのちょっぴり心配顔が、安心にこにこ顔になる。


「では行こうか?」

「はいっ!」


にこにこ顔につられるように、ぼくは背中を追って歩き出した。


***


――ギギ……。


おおお、重たい音ぉ。

さすが、大事なお部屋の扉っ!


「こ……ここが――!」


入口からそーっと中を除くと、ひやっとした空気がほっぺたにさわる。


「ああ、今日はここから見ていこう」


向こうに見える立派な棚とか台の上に、なんかすごそうな壺とかお皿とか、女神様みたいな像とか、いろんなものがどーんと飾られてる。


まるで博物館。っていうか、もっとすごそうな感じ。


「さあ、入ろうか、サファ」


ファランさまが、静かにさーっと中に入っていく。ちゅうちょがない。

な……なんか、カッコいい。こう、なれてる感じが。


「ファランさま、ファランさま!」

「うん? どうした」

「こ……ここがたからもののお部屋ですかっ!?」


あ、しまった。ちょっとだけ鼻息荒かったかもぉ。勢いよすぎた。


「宝物、か」


ほ、ほらぁ! ファランさま、え?ってなってるからぁ。失敗失敗。


「まぁ、そうともいうな」


ファランさまは、ふふっと笑って頷いてくれる。


「ここには、贈答品や伝統の品、儀式用の式具などを保管している。宝物でもあるな」

「おおおっ!」


ぼくは今、宝物のお部屋の前に! いるっ!


「どうした? 早く入っておいで」

「え、いいんですかっ!?」


ぼくが? 宝物のお部屋などに!? 入って? いいんですかっ?

こんな、大事なものがたくさんありそうな場所に、ぼくみたいな、よその国から来た子が……?


「はは、もちろんだ。そなたは暴れたりしないだろう? 気をつけて見てくれればいい」

「はわわ……ありがとうございますっ! ちょう、気をつけますっ!」


ううう、ちょっと……だいぶ、きんちょーーするうぅぅ。


「…………!」


ぼくは、そろ~っと片足を部屋に踏み入れた。


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