第44話【サファの夢】うさたんと星空旅行
「サファくん、サファくん!」
「え?」
急にやわらかいものがほっぺたをポンポン。
んんん……なぁにぃ?
「サファくん」
ほっぺをポンポンしているのは、やわらかいふわふわの手。
その手をのばしているのは……
「え……うさたん?」
「うん。ぼくだよ」
ぼくに話しかけているのは、なんと、ぬいぐるみのうさたんっ!
「うさたん、お話できるの!?」
「うん。ここではね」
「ふぁぁぁぁ、すごいっ!」
びっくりして、うさたんを抱える。足はぴょんぴょん跳びはねちゃう。
「ねえサファくん、一緒にお月さまに会いに行こう?」
「えっ! お月さま。お空にいるのに会えるの?」
「うん。ほら、こっちだよ」
うさたんのふわふわのお手々がぼくの手に触れると、身体がふわっと浮き上がった。
「わあっ!」
「ほら、こっちこっち」
うさたんとぼくは、手をつないでぐんぐん空を高く上がっていく。
「すご……すごおおい!」
「あ、見えてきたよ」
「お月さまだ!」
ぼくが声を上げると、お月さまはくるんと振り返った。
「やあ、こんばんは」
お月さまはこっちを見て……ニッコリと笑ったぁぁ!
「わぁぁ、こんばんは!」
「いま、みんなの星を空に浮かべているところなんだ。2人も手伝ってくれるかな?」
「うん!」
「きゃー、やりたいっ!」
手をパチパチしながら答えたら、お月さまのポケットからキラキラ光るお星さまがどんどん飛び出してきた。
「わあ、たくさん……きらきら!」
「ほら、ポケットの奥の方にも、まだいっぱいあるんだ」
「わああ……すごい」
「そっと出してくれるかな?」
「うん!」
「そっとだよ。らんぼうにしたら、くすぐったいからね」
「まかせて!」
ぼくたちは、そっと手をのばして、奥の方につまっていたキラキラを取り出してみる。
「わあ、きれい」
手のひらに乗せたキラキラは、ほよよんと浮き上がる。
「わ、浮き上がったぁ」
そして、ぼくたちのまわりを光りながらくるくるとまわりだした。
「ほら、みんなお空にのぼっておいで」
お月さまが声をかけると、キラキラはぱーっと空にあがって、たくさんのお星さまになった。
「ありがとう。ふたりとも」
「どういたしまして」
お月さまはニッコリ笑って、空っぽになったポケットを閉じる。
「さあ、ふたりとも。ベッドに戻って、君たちのお星さまの夢を見ておいで」
「「はーい」」




