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第34話 ま…まさか、全部バレ…てる!?


「ふんふんふ~ん♪」


お散歩はいい。なんだかほっとするし。お庭はとってもステキだ。お庭なら、侍女さん付きじゃなくても、ひとりでプラプラできる。


ほんとは、薬草の本を借りてきて、本を読みながら庭の草を観察とかしてみたいけど……さすがに5才児がやるの、ちょっと怪しい……?


もうちょっと大きくなってからのほうが自然かなぁ。一人で図書館いってもおっけーになったら、こっそり読むのもいいかも。


……というわけで、今のぼくはただのぷらぷらお散歩ボーイだ。


「はぁぁ」


でも、ぽろんとため息とかはでる。

ファランさまは最近、お勉強が忙しくてあんまり会えない。もちろん、わがままはダメ。ぜんぜんわかってる。わがままは冤罪のもと。


だってぇ、ファランさまはこの国の王太子様。遠くのちっさい国のいらない人質王子とは、もともとの身分がぜんぜんよ。ぜんぜんのぜん。甘えたらダメ。


「ひとりだってぇ、おさんぽたのしぃもんねぇ」


だからぁ、最近は探索じゃなくてお散歩がメイン。

広いし、静かだし、お花も咲いててきれい。


「このごろぉ、ぼくちょっとだけがんばったよねぇ」


ひとりだから、話す相手はお花だ。お花ならなにを言ってもヘーキ。お口ないからねぇ。


がんばって、ここからでる道をさがしたりぃ、塔にのぼって街までいく方法を探したりぃ、本でお仕事をさがしたりぃ。


「ま、あーんまりぃ、うまくいかなかったけどぉ……」


焦りはきんもつよ。のんびりしすぎもダメだけど、焦ってもしょうがない。どうせ今すぐここをでたりできないもん。


「なーにが、うまくいかなかったのかな~? おちびちゃん」

「ひぇっ!?」


とつぜん、すぐ後ろで声がして、ぼくはまっすぐぴょーんと飛び上がった。


「え、え」

そろーっと振り返ると、ニコニコのハロルドさま。ちょっと、あれ?って思うくらいにっこにこだ。


「いいい、いつの間にここにぃ?」

「今だよ?」

「ふぇ……しのび!? しのびなの?」

「うん? なに~?」


き、気づかないうちに背後をとられるとはぁ、もしやこの王子、忍者かなにか?


……それか、ぼくがとんでもなくぼんやりか。


「…………」


どっちかっていうと、そっちかな。


「あ、あのあの、でんかぁ、どど、どうしてここにぃ?」

「もーやだなぁ。この間、僕のことも名前で呼んでねって言ったのに~」

「あわわわ」


そうだっけ? 覚えてないや……


「えっとえっとじゃあ、ハロルドさま……?」

「は~い」


え、な、なぁにぃ? 急に僕のとこに来てぇ、なんかいつも以上にニコニコなの、どーしてえぇ?


「あのぉ……?」

「あー、どうしてきたかって?」

「え、あのぉ、ここでお会いするのはじめてぇなので、急なご用かなぁって……」


不自然にならないように気を遣うのむずいぃ。

だってぇ、下手に「なんできたんですかー?」とか言ったらぁ、「用事がなかったら来たらダメなの」とかご機嫌ナナメになる人もぉ、いるじゃないですかぁ……。


「ふふふ」

王子様はご機嫌ルンルンのままみたいで、ちょっと安心。気を遣ったかいがあるぅ。


「聞いたよ、おちびちゃん」

「え……」


な、なにぃ? その思わせぶりな感じなにぃ? ニヤニヤになるぎりぎりの寸前みたいなニコニコはなにぃ?


「いやぁ、ちびちゃんも、なかなか大胆なこと考えるよねぇ?」

「ふえっ!?」


こんどは真上じゃなくて斜め後ろに飛んだ。ぴょーんよりもっと飛んだ。びょおおーーん!くらいだ。


「ななななな、なに……ですか……?」


どうしよう! 心当たりがありすぎて、何のことを言ってるのか、ちっともわっかんない!


「ほらぁ、二三日前かなぁ? 探しに行ったんでしょ?」

「……っ!?」


どっきーーん!


びびびびっくりした。びっくりして、一瞬だけ心臓うごくの忘れたと思う。

おちおち……おちついて、ぼく。そんな、バレてるわけ無いからぁ、ね。だって、誰もぼくがここから出ようとしてるなんて、わかるわけないし!


そうそう。だからとにかく落ち着こう。落ち着いて、ちょっとさぐりを……


「さが、さがしにって……え、な……え? あの」


これが、しどろもどろの見本というやつ、みたいなのが口から出た。

意図を探る、みたいな高度なテク、ぼくが使えるわけなかった。買いかぶりもいいとこ。自分を過信してはならない。


「探しに……行ったよね? 二三日前、ひとりで」

「え……な、なんですか?」


ち、ちょうちょとかかな……? それともお花?

まぁ……どっちも特に心当たりはないんだけども……。


「探しに行ったんでしょ……」

「っ……!? な、なに……」


きゅ、急な接近+ひそひそ、こわいぃぃぃ。


「秘密の……つ・う・ろ」

「きゅっ……!?」


へ、へんな声出た! 声っていうか音。


「な、な……え?」

「聞いたよ。ひとりで大門まで行ったって」

「えっ……」


なななな! なんでバレてるのぉぉぉ!?


「門番、どうしたんだろーって言ってたよ~? おちびちゃんが一人であんなとこまで来るなんてーって」


あいた! いたたたた! いまちょっと、心臓がズドンとなった。


門番……ってあのおっきな門のとこの!?

なんでわざわざ、ぼくが行ったすぐあとに、ハロルドさまがそこ行ってお話してるの? そんでなんで、ぼくの話なんかしちゃったのぉぉぉ!?


「え、えっと……あの……えー」


どうしよう! なんかすごい弁明の下手な容疑者みたいになってるけど!

ななな、とにかくなんか言わなきゃ! でも、変なこと言ったら終わるかも!?

どーーーしよぉぉぉぉ!?


「うん、どーしたのー?」

「え……あ、あの、それは……」


え、ば……バレたの?

ちょっとウロっと門まで歩いただけで!?

脱出計画が!?


え、えぇぇぇぇぇ!!


ってことは……あれ?

もしかして、もう詰んだ? もう!? 早くも!? いやいや、さすがに早すぎない?

えっ……でも、脱出しようとしてたとかバレたら、終わるよね?


えっ!? えええええっ!?!?



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