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第83話 朝食

「アル?………」

「何?センセ………」


「食堂は、1階にあるんだよ。まだ、支度に時間がかかるんだったら、先に行ってるから……」

「分かったよ、センセ!終わったら、すぐに行くね!」



 ああ見えても女の子か?着替えったって、そんなに服はもってきてないのに、時間がかかるのかな?

 まあ、そんなもんかなあ~






 この宿屋は、1階が食堂で、2階が部屋になっている。全部で、部屋は6つぐらいしかなかったけど、ボク達でいっぱいになった。


 部屋数は少ないけど、どうも1階の食堂にはたくさんのお客がいるから、そっちで繁盛しているようだなあ。




「…………センセ~……お待たせ!」

「ああ、アル。こっちだー」



「すっごいねセンセ!この食堂、この丸いテーブルが10個も置いてあるよ。それに、朝だっていうのに、ほとんのテーブルにお客さんが座ってるよ」



「たぶん、近くの宿屋に泊まっている人も来てるんじゃないかなあ」


「見て見て!センセ!……あそこに、エルフさんがいるよ!」


「さすが、北の大陸一番の町だけはあるな。いろんな種族の人がいるんだ。みんな旅の途中かな?」


「センセ!あそこ、猫族族とエルフ族が一緒に食べてるよ!」





「まあ、他のテーブルも、同じように…………

あそこは、ゴブリンとバンパイアかな?


…………ジョンディアさんが言っていたけど、魔王が“悪魔の1年”の時、世界中の種族を滅ぼそうと暴れたらしい。魔王の手下の魔族は、手当たり次第に他の種族を攻撃したそうだ。

だから、それまであまり仲の良くなかった種族同士も手を組んで立ち向かったと言っていたなあ。


…………魔王が封印された後は、手を取り合った種族が協力し合うことを覚えて、今現在も復興のために頑張っていると聞いたが、こういうところを見ると、納得できるな」




「へーーそうなんだね。…………種族が違っても、仲良くできるって、とっても楽しいことだよね、センセ!」


「ああ、そうなあ」










「はい、いらっしゃい!お待ちどう様、何にしますかね?」


「あ、あたしね、あのエルフさんが食べてる、あの美味しそうなやつがいいなあ」


「あーあれね!ブラッキーの照り焼きソースとパンヌだね。パンヌは、何枚食べるね?」


「え?選べるの?……あたし、2枚食べたい!」


「はいよ、元気だねお嬢ちゃん。夕べはここに泊まったんだろ?……お父さんと旅なのかい?」


「お、お父さん?……いやいや、違うよ!タロウは、センセなの。あたしのセンセ!」


「あははははは、ごめんよ。あんまり仲よしに見えたからさー…………それで、そのセンセ!あんたは、何にするんだい?」


「ボクも同じものでお願いします」


「ほうら、やっぱり仲良しじゃないか!あはははははは」



「もー、センセをお父さんだってさ!」



「あははは、お父さんか…………」


 何だかあの注文をとっていったおばちゃんは、笑っていたけど、ボク達はそんなに仲良しに見えるのかなあ…………



(つづく)


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