第4章の総集編と主な登場人物紹介
≪第4章のおはなし≫
■アルティシアは、15歳の誕生日に自分の目標を発表した。それは、父親ジョンディアの跡を継ぐことだった。
ジョンディアは、“悪魔の1年”が終わって魔法を封印した後、次代の勇者『エアルマ』を探す命を王より受けていた。
アルティシアは、父親の意志を継ぐために、『エアルマ探し』の旅に出ることにし、自らも王都騎士団への入隊で、一緒に戦うことを夢見ていた。
■アルティシアは、その夢に向かって日々剣術の稽古に明け暮れていた。そんな彼女を慕って近所のジルとメルの兄弟が、一緒に稽古をすることになった。
ジルは、亡くなった父親の代わりに、この村を守りたいという願いを持ち、畑作りの合間に、アルティシアの稽古に加わるようになった。
■丁度同じ頃、タロウの住んでいた世界では、教え子のジュンヤが、小学校の1年生になっていた。彼は、幼稚園の滑り台の事故でタロウが庇った子だった。
彼は、今でもタロウの事を慕っていて、彼が生きていることを信じていた。
■そのジュンヤが、友達と言い合いになった時、タロウの教えを口にして頑張りぬいた。そしてそのことが作用して、違う世界にいるタロウに奇跡が起きたのだった。
■タロウは、敵の危険度や弱点が不思議な色で見えるようになったのだ。ただし、どういう訳かその能力が使える時は、タロウの目眩が酷くなり、まともに立っていられないくらいになった。
■タロウは、その能力を使い、まるで羆のようなヒマグーという魔獣の弱点を見つけ出し、アルティシアに攻撃方法を指示することができ、見事に倒したのだった。
■二人は、森の奥で魔鳥ロプロテスに出会い、思わぬアルティシアの弱点を知ることになる。それは、空からの攻撃にはめっぽう弱いということだ。
彼女の剣は威力があって、大抵の魔獣とは戦えるが、上空からの攻撃には成すすべもなかった。
■そこで、タロウはいろいろな武器を試すことにした。一番効果があったのは、メルの投げた手裏剣をヒントに開発した“弓矢”だった。この世界では、“ヤミュー”と呼ばれ、一部魔法使いだけが使用していた武器だと分かる。
■ハーティの持っていた“タランテイラ”の糸で弦を、ジョンディアの記憶で“ガマーラ”で矢を作ることに成功し、“ヤミュー”は完成し、見事魔鳥ロプロテスの飛行を封じて倒すことができた。
■その後、アルティシアはヒール魔法の練習を始めた。ただ、タロウには内緒にして、母のハーティとだけで魔法の習得に励んだ。
そんな魔法の稽古の最中に、アルティシアは洞窟でコウモリの襲撃を受ける。
■密かに後を付けていたタロウは、思わずコウモリの攻撃を自分の体を楯にして、彼女を守った。
ところが、アルティシアの目の前で、タロウがコウモリにやられて怪我をしてしまい、彼女は無我夢中でヒール魔法を繰り出した。
思いが通じたのか、奇跡的にアルティシアのヒール魔法がタロウを救うことになった。これで、彼女も母の力を受け継ぎ、まだまだ未熟ではあったが、ヒーラーになることができた。
■寒い季節になった。こちらの世界では、“スヘール”と呼ばれる雪も積もり、吹雪にもなる。そんな中、町へ買い物に行ったジョンディアとハーティを心配して、アルティシアは吹雪の中を迎えに出た。
吹雪も酷くなる中、峠の頂上付近で、魔獣ワイトベアーに遭遇する。何とか、タロウの危険を察知する眼のお陰で魔獣は倒せたが、その晩は近くの洞窟へ避難し、一夜を過ごすことになった。
■その夜、洞窟の中で、タロウはアルティシアの願いを聞くことになる。それは、タロウ自身も願っていたことだった。二人は、お互いから離れられなくなっていたのだ。そして、二人は、一緒に王都へ向かうことを約束したのだった。
■スケール(雪)も溶け、チェラシ―の木(桜)に花が咲き出し、16回目の誕生日を迎えたアルティシアは、集まった人達に、王都へ向かうことを告げた。もちろん、タロウセンセと一緒に。
ジョンディアとハーティはもちろん、集まった人達から、盛大な祝福の握手をもらうのであった。
◇さあ、いよいよ第5章からは、物語の本番です。王都へ向けた旅の始まりになります。旅は、大切なエアルマ探しも目的になります。どうぞお楽しみに。
第5章は、二人の旅立ちと初めての2人だけの生活をお届けします。
▲▽▲▽▲▽ 主な登場人物 ▲▽▲▽▲▽
★山口 太郎男 22歳
・私立虹ヶ丘幼稚園教諭 新任教員
・事務仕事は苦手だが、子どもと遊ぶことは大好き
・勤めて3ヶ月目で、園庭の滑り台から転落した後、なぜか異世界で目が覚める
・異世界では、ジョンディア一家で暮らすことになる
・アルティシア(ジョンディアの一人娘)の家庭教師になる。しかし、特にやることは無い
・みんなから“タロウ”と呼ばれ、村の一員として親しまれている
・遊ぶことに関して、手先が器用で、よく遊び道具を手作りしていた。
・木の枝を削ったブーメランを作り、アルティシアともども練習する
・戦いの中で、助け合うことになるアルティシア。家族同然だから“アル”と呼んで欲しいと頼まれる
・雪像づくりが得意
・ハーティの魔法を掛けられたブーメランを巧みに扱う
・戦いの場では、主に情報取集と分析にあたり、アルに戦い方を指示する
◆危険察知や相手の弱点を見ることができるようになった。ただし、目眩を伴う。
★アルティシア・キャンディス 女 16歳 (ハーフエルフ)
・明るく元気な女の子
・父親から剣の手ほどきを受け、腕は抜群。ただし、実践経験は全くない
・タロウを自分の先生として慕う
・タロウを守らなければならないという意思は固い
・タロウの作る道具を喜んで使う
・タロウに、他の家族と同様に“アル”と、呼んで欲しいと懇願する
・雪球やブーメランに魔法を載せて飛ばすと、思わぬ威力が出現する
・エルフは、16歳になると大人として、家族から独立する。アルは、ハーフエルフだが、自分の誇りにかけて16歳成人を貫こうとしている
◆“ヤミュー”(弓矢)の技術を取得
◆簡単なヒール魔法が使えるようになった
◆16歳の誕生日をもって成人となり、王都へ旅立つことになる
★ジョンディア・キャンディス 男 (人族)
・アルティシアの父
・元王都騎士団 セブンエアルマ(7人の勇者)で剣の達人
・20年前の“悪魔の1年”の戦いで活躍、戦いの後、次世代の勇者を探す旅に出る
・近くの村を見回りしたり、突然現れる魔物を退治したりしている
★ハーティ・キャンディス 女 (エルフ)
・アルティシアの母
・“悪魔の1年”の後、生き残った魔物に村を襲われた時、ジョンディアに救われる
・その戦いで大怪我をしたジョンディアを治癒魔法で助けたが、無理をしたので魔法の能力が低下してしまった
・しかし、そのことが切欠で、ジョンディアとハーティは、結ばれ一緒に生活するようになる
・武器や防具に魔法を掛けて、戦いやすくする
・普段は隣のジル・バーン家の畑の手伝いに行き、収穫した作物を分けてもらっている。
★ジル・バーン一家【エルフ一家】(新)
・母 ファーレン・バーン
・兄 ジル・バーン……アルと同じくらいの年齢、ブーメランを練習
・弟 メル・バーン……手裏剣を練習
※一家3人。父は、エルフだが、“悪魔の1年”の後、残党の魔獣が村を襲った時に殺されてしまった。
※畑を作ったり狩りをしたりして、一家で暮らしている。
▲▽▲▽魔獣・獣一覧▲▽▲▽(★は、この章で登場)
☆スウィーソ・ドラゴン(魔獣)
・昔、ハーティの村を襲った
・“悪魔の1年”の生き残りで、あちこちの村を襲っていたが、ジョンディアに退治された
☆フォクサー(魔獣)
・四つ足で、素早い動きをする
・通常は、夜に作物などを荒らすが、森からはあまり外に出ない
☆ラビッシュ(魔獣)
・四足歩行だが、後ろ足で高くジャンプする
・小柄で弱いが、大量発生する
☆ウルファ―(魔獣)
・四足歩行、体の大きさは太郎の世界のシェパード犬ぐらい
・牙と爪が凶器で、相手を切り裂く
☆ブロッケン(魔獣)
・煉瓦で組み立てれた大きな人型の魔獣
☆ツミッキ―(魔獣)
・木で組み立てられた、人間と同じくらいの大きさの人型魔獣
★ヒマグー(魔獣)
・4足歩行の“ヒグマ”、全身毛むくじゃらで、爪と牙が武器
★ロプロテス(魔鳥)
・大きな翼、体長は人間の4~5倍
・空を飛べる、口から火の球を吐く
・湖に住み着き、水を好む
★タランテイラ(魔獣)
・昔は大人しく、口から吐く糸が丈夫で伸縮があり重宝した
★ブラッキー(普通の鳥)
・美味しい肉がとれる
・町へもっていくと買ってくれる
★バッキ―(魔獣)
・小さな生き物で、バッタに似ている
・攻撃力は低いが、集団で行動することが多く、その体当たりを受けると怪我をする
★ワイトベアー(魔獣)
・白い毛並みで、吹雪を使って自分を隠しながら移動する
・体調や攻撃力は、ヒマグーと同じ
▲▽▲▽植生一覧▲▽▲▽(★は、この章で新出)
☆シュノミ 果物
・赤い実で、トマトのような味がする
☆サクシー 果物
・球体で、中身が赤くて甘い
・外側の皮は、硬いので、持ち運びは便利
☆マスケット 果実
・親指ぐらいの球体で、外側の薄い皮の中に、甘い実が入っている
☆チェラシ―(木)
・毎年、スヘール(雪)が融け暖かくなったら花が咲く
・花は、人の掌サイズで、ピンク色
☆スヘール
・雪
★ブンバー
・竹
★ガマーラ
・どこにでも生えている植物、湿気を好み、日光が当たらないと枯れる
・中心から真っすぐに伸びる茎は、弾力があり折れない
・茎は、3日で人間の背丈ほどになる
・攻撃魔法で強度が増し、ヤミューの矢になる
▲▽▲▽生活様式・武器一覧▲▽▲▽(★は、この章で登場)
★1モルテル(長さの単位)
・1モルテル=1メートル
・大抵は、人間の体を基準にして長さを伝え合う
★通貨
・金貨 > 銀貨 > 銅貨
・物々交換が多い
☆ブーメラン(木製)
・タロウの手作り(この世界にはなかった)
☆手裏剣(木製)
・タロウの手作り(この世界にはなかった)
・貝殻で重りをつけ、攻撃力を増した
★ヤミュー……弓矢
・主に魔法使いが使う
・弦にタランテイラの糸を使う
・矢としてガマーラの穂を使う(攻撃魔法で硬化させる)
・硬化したガマーラの穂は、焚き付けになり、焚火の火が長時間持続できる
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