第57話 再挑戦!
あれから3日後、ボクとアルは、すべての準備を済ませて森の奥を目指すことにした。今日は、空も曇っていてちょうどよい。
ボク達は、明るくなったらすぐに家を出発した。
「アル、夕べはよく眠れたかい?」
「う、うん……ダメだったの……眠れたのは明け方だけ……ふぁああー……今になってとっても眠くなってっきちゃった」
たぶんそんな事だろうと思っていたんだ。だって、ボクだって眠れなかったんだもの…………それでも、今日じゃ無きゃダメだと思った。
もう、季節は移って温かい日も多くなってきた。花や草の成長も速い。たぶん森の中も草が鬱蒼と茂って来たのではないかと思う。
それに、ジョンディアの話だと、また明日からは太陽が出て一日中暑くなるそうだ。
戦士は、空の太陽も味方に付けないと勝てないらしい。これは、ジョンディアが普段から気を付けていることなんだって。だから、ボク達も空が曇っている今日が絶好の機会だと考えたんだ。
「アル、少し休憩しようか」
ボクは、大きな木を見つけて、その根元に腰を降ろした。アルも、横に座って、持って来た水筒の水を飲んだ。
水筒は、ボクが作ったんだ。近くの林に生えていた木を使った。その林には、竹が生えていたんだ。と、言ってもアル達は、“ブンバー”と呼んでいたが、真っすぐ伸びた木の中は空洞なんだけど、節で区切られていた。まさに竹そのものだった。
ちょうど節と節の間は、大人の掌2つ分ぐらい離れているので、そこに穴を開け、水を溜めれば、ちょうどよい水筒になった。
「ねえ、センセ。やっぱり、あたしは王都を目指すわ!そして、旅をしながら“エアルマ探し”をしたいの…………でも」
「どうしたの?アル…………何か気になることでもあるのかい?」
あの誕生日の時の宣言は、アルの中では段々と大きくなっているような気がした。自分が戦うことはもちろんだが、父ジョンディアのできなかったことをしたいという気持ちは、嘘ではなかったんだ。
「うん…………あたし…………」
ヒューーーーウ……ヒューーーウ……ヒューーーウ……
「あ!センセ!聞こえる、あの声!」
上空を見ると、3羽のロプロテスが優雅に舞っていた。
「くっそー、奴らは、もうボク達に感ずいているかもしれない……ここで炎を吐かれたらお終いだ。早く見通しのいい湖の傍まで急ぐぞ!」
「うん、センセ!また走るから、あたしの背中に乗って!」
「あ、ああ……………」
今回は、荷物もあるから、担がれるのではなく、しっかりアルの背中に負ぶさることにした。ただ、この格好は、どうも情けないというか、格好悪いというか…………。
アルは、両手に荷物を抱えたボクを軽々と背負うと全力で森の中を走った。一気に、頬に当たる風が勢いを増した。
(つづく)
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