第49話 誤算
「え?あたし?平気よ!……だって、タロウセンセと一緒なんだもん!」
あれ?……いつからだ?……いつから、ボクはこんなに信用されるようになった?
アルは、こんな恐ろしい状況でも、呆気らかんにボクを信用して、微笑んでいる。
まるで、あの子達の笑顔と同じだ…………
「よし、アル…………今日は、帰ろう!」
「え?帰っちゃうの?……ロプロテスをやっつけないの?」
アル~そんな悲しい顔しないでくれよ~。分かってるよ、分かってるけど……ボクだって、アルに危険な真似はさせたくないんだ。
「うん、今は武器がないんだ!……空の敵をやっつける方法を考えないとダメなんだ」
「そっか……今のままじゃ、お父様と同じね……あたしの剣も空を飛んでいるロプロテスには役に立たないものね」
「一旦家に帰って、作戦を立てよう!」
「うん、分かったわ、センセ!」
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次の日から、ボク達は、魔鳥ロプロテスに勝つために、いろいろな武器を試すことにした。
「センセ、ブーメランはどう?これなら、空にいるロプロテスにも届くかもしれないわよ!」
「じゃあ、試してみようか?…………」
「うん、分かった!……ブーメランの準備はできたわ」
ボクは、空にいる魔鳥ロプロテスと同じくらいの距離を取り、アルから離れた。
「アル、ロプロテスはこのくらい離れているから、ボクに向かってブーメランを当ててごらん!」
「ええ?センセを攻撃するの?」
「大丈夫だって!ブーメランぐらいじゃ死なないから!……ただし、本気でやるんだぞ!魔法も込めるんだぞ!」
「分かったよ、センセ!……いっくよーーー、やあーーー!」
ブーメランは、勢いよく回転している。距離も十分大丈夫!…………ただ、ゆっくり近づいてくるんだ……確かにゆっくり曲がってはくるけど…………
「ヤアーー、エイ!」
ガタン!……ボタッ!
「えー?センセ、ブーメラン落としちゃった!……あたしのブーメラン!……うううっ…」
「おいおい、泣くなよ!アル!」
「だああーーって~センセが~――!」
やれやれ、ブーメランはダメだな。こんなにゆっくり近づいて来るんじゃ、空を飛んでいるロプロテスには攻撃できないな。すぐに避けられるか、翼で叩き落されてしまう。
「アル、ブーメランはやめよう、これじゃ武器にならないよ」
「ええ?やーよ!……あたし、練習するもん!ブーメランやるもん!
センセ、モッカイ!お願い、モッカイ相手して!」
アルは、こういうところが粘り強いんだけど、ちょっと頑固なんだよな~
「わかったよ、アルの好きなだけ、付き合うから、思いっきり投げてごらん!」
「ありがとう、タロウセンセ!……じゃあ、行くわよーーーエイ!……」
その後も、日が暮れるまで、アルはブーメランを投げ続けた。何回投げても、連続で投げても、除けるのは簡単だった。
連続攻撃では、2つ目のブーメランが、掠ることはあったが、さほど攻撃力がある訳でなく、増して魔鳥ロプロテスだったら、痛くも痒くもないと思われた。
(つづく)
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