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第38話 勇士の後継

「魔王が復活?」


 ボクの驚きの声に、ジョンディアは何も反応してくれなかった。彼の目を見ると、「魔王の復活」は、もう予期されていたに違いないことが、すぐに分かった。



 それでも、ボクは恐る恐る聞いてみた。


「どうして、魔王は復活するのですか?……封印って、誰かが解かない限り、永遠に続くものじゃないんですか?」



 ジョンディアの顔は、益々険しくなった。ボクは、余計な事を聞いてしまったのかと、少し後悔したが、彼は少しずつ話し始めた。



「……本当は、封印じゃなく魔王を倒したかったんだ。…………ただ、あの時の我々の力では、魔王の魔力を使い果たさせるだけで、精一杯だったんだよ」



「魔力を使い果たす?」


 アルは、この話を始めて聞いたんだろう。少し複雑な表情をしていた。絶対に強いと思っていた父親が、力不足で封印に終わったと聞き、さぞガッカリしたんじゃないだろうか?


 ところが、アルは笑みを浮かべながら、父親に言葉を掛けた。


「すごいわ!お父様。魔王を封印するだけの戦いができたんだもの!」



「いや、封印が…………目的じゃなかったんだ」


 ジョンディアは、悔しそうにしている。



「でも、お父様達、セブンエアルマのみんなが戦ってくれたお陰で、魔王は力を失ったのよ!…………討伐は、次の目標にすればいいじゃない!」


 アルは、力強く言い切った。



「だが、我々にも、もう魔王と戦う力は無いんだよ」



 すると、アルは、心の底から喜びを体全体で表し、父親に言葉を送った。


「そんなことはないわ。もっと大事な事が出来るようになったじゃない。魔王が封印されて、大人しくなっている間に、お父様達は、きっと次に魔王と戦える“新しいセブンエアルマ”を探せているじゃない!」



「……でも、わしは、まだ見つけられていないんじゃよ…………」



「ううん、そんなことはないわ。きっと、後を継いでくれる人が現れるわ!希望を捨てないでよ、お父様!」






「ああ、うん、ありがとう、アルティシア」



 ジョンディアの表情も幾分明るさを回復したように見えた。ハーティも寄り添いながら、アルの言葉を嬉しそうに受け止めていた。






(つづく)


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