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第37話 魔獣復活で予兆

 次の日、ジョンディアが帰ってきた。彼が見回りに向かった村でも、ウルファ―が出現したそうだ。


「ジョンディアさん、ウルファ―って、そんなに何処でも出てくるものなんですか?」


 ボクは、こっちの世界に来てから、魔獣にはそんなに出会ってはいない。この間森で遭遇した、ラビッシュと今回のウルファ―だけだ。




「いいや、ウルファ―なんか、もうとっくの昔に、滅んでしまったと思っていたんだ。あの戦いで、魔王は封印するしかなかったが、他の魔獣はみんなで倒したはずなんだ…………」



 ジョンディアは、最後の言葉を自分で飲み込みながら、浮かない顔でしばらく考え込んでしまった。

 ボク達も、黙って彼を見つめることしか思い付かなかった。






「……たぶん……」


 ジョンディアは、独り言のように静かに言葉を吐き出した。まるで、嫌な思い出をかき消すように。



「……魔獣が復活しているのかもしれない。」


「え?魔獣が復活?……だって、魔獣は、お父様達“セブンエアルマ”が、倒したんでしょ?」


 アルが、急に大きな声を出した。


 アルは、小さい頃から剣の稽古をしながら、父であるジョンディアから、“悪魔の1年”の話をよく聞いていた。

 






 大変な戦いだった。“セブンエアルマ”が命を懸けて戦ったのだ。

 “セブンエアルマ”とは、『7つの魂』という意味だ。

 これはジョンディアを含めて7人の選ばれた戦士が魔獣を倒し、魔王を封印し、世界の平和を勝ち取った輝かしい歴史なんだ。


 …………と、


 ボクもアルに教えられた。






 アルは“セブンエアルマ”に憧れていた。その話をする時は、目が輝いている。


 『自分もいつかは、“セブンエアルマ”になりたい』と、小さい頃のアルは言っていたとジョンディアに聞いたことがある。



「あれから20年だ。…………ひょとして、魔王が復活する予兆かもしれない」


「魔王が復活?」


 ボクは、思わず甲高い声を出してしまった。





(つづく)


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