表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/227

第12話 その後の戦い

 ボクは、ジョンディアの話を聞きながら不思議に思った。


「あのー、魔王は倒したんですよね。魔王が居なくなったのに、なぜ、また魔物が復活しているんですか?」


 ジョンディアは、少し悲しい表情を浮かべ、釣り糸の先に目を落とした。


「魔王は、まだ生きているんだ……」


「どういうことですか?魔王を倒したから、この平和な世界になったのではないのですか?」





 ボクが、この世界のことを知らなかったといはいえ、見当はずれの事を言ったのは後でわかった。

 つまり、20年前のあの“魔眼城の戦い”については、有名なことで皆が理解していたのだ。


「ああ、タロウ先生がそう考えるのは無理がない。……でも、あの時の激しすぎる戦いの中では、これしかできなかったんだ。…………魔王を封印することしか……」


 普段は元気で活力に溢れたジョンディアだが、この時は見る影もなく息消沈しているように見えた。



 ボクは、恐る恐る尋ねた。


「封印って、どこに封印したんですか?」



「…………ああ、王都じゃ。

 王様が自らの魔法の力で、王都に封印したんじゃ。

 ……王都なら王様自らが監視できるし、できるだけ自分の近くに置いておく方が安心だと言ってな……」


 そして、ジョンディア達7人の勇者が、王様と交わした約束について話してくれた。




『魔王の封印は、必ず解ける。魔王が眠りについてからは、すべての魔力を自己修復に費やすだろう。

 世の中は魔物が減り、大人しくなって平和になるが、いつか魔王が復活すると、魔物はまた力を付けて我々を襲って来るに違いない。

 今度こそ、魔王を倒さなければならない。


 その為にも、我々も力を蓄えるのだ。新しい力を!』



「王様は、そう言って、我々セブンエアルマに次代の勇者を探すよう命を下した。そして、我々は地上のあらゆる場所に散らばっていったのじゃ」



「それで、見つかったんですか?」



「わからん、連絡の取りようがないんだ…………」


「あの~…………ジョンディアさんは、どうなんですか?」






「わしは…………探せなかったんじゃ…………」


 そう言った後、ジョンディアは徐にシャツの前を広げて、胸にある大きな傷跡をボクに見せた。



(つづく)

 ありがとうございます。もし、よろしければ、「ブックマーク」や「いいね」で応援いただけると、励みになります。

 どうぞよろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ