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アリス、あなたは魔法少女でいらっしゃいますか?  作者: 猫村有栖
魔法少女の罪と罰-アリスの学園生活?
25/40

魔女、そして魔法の少女-①


***


「まさか…………………いや………」

ヘティ……彼女は動揺していた。



「予知が……見えない……?」


彼女は空を見上げた。エグリスの青空。

この先、進む道は正しいのだろうか。だれがこの道のりを肯定してくれるのか?


彼女はそうも思った。

恐ろしい事、への不安から――


***


寒気がした。


「先に帰ってて、ブラックに礼をして行くことになった。」

魔法学校校門前でメッセージを受け取った少し後のこと。


心臓が静まってくれない。

こんな気分のお陰で、視界すら、見え過ぎているのか、ぐらついているのか分からないくらいに身体が動揺している。


気分が悪い。


地上の柔らかい歩道を走る。


最後に彼女の魔力を感じたリンの時計塔へ向かう。


思考が纏まらない。


うっかりで、車に轢かれてもなんらおかしく無いほどに。


私は動揺していた。



…………走る。

時計塔なんてこのリン中心街からならどこからでも見える。

一直線、とまではいかないが、突っ走る。ただ嫌な予感だけがした。



「はあっ……あ……はあっ…………」


見慣れた街の、日常の中にある、ただの昼。

なのにどうして、こんなにも空が暗いのだ。


「………と………時計塔に……何が……」

時計塔前のストリートは静か、奇妙な程。


深呼吸、そして、いつもは観光で賑わいがある筈の、時計塔に入る。


 

コツコツと音、靴の音。

「………………………………」


論理的にも本能もこの景色が危険であると告げる。

人がいない、この観光スポットである建物に、ただのひとりも、観光客も、警備員も。エレベーターすら動く音も聞こえない。

寒さすら忘れそうになる不気味。

……まるで、魔法使いが、人を、消してしまったみたいに。


「らせん、階段………………」

長い、長い、らせんの階段の前に立つ。

らせん階段の一つ一つの、白色に塗られた階段を駆け上がる。そうすべきと。


頭が、

心が、

私の精神全てがそう焦っていた。


「―我旅人なり、雪の丘。汝旅人なり、道を示す。」


魔力探知の詠唱を唱える。魔力の波動を飛ばし、探知する魔術。

感じたのはひとつの歪み。


「…………なんだろう、この……歪み」


生涯感じたことのない歪んだ気配。

()()に、いるのに、いないような。

()()に見えているのに、見えないような。

()()にあってはならない、しかしなくてはならないような気配。


進むのに足が躊躇う。

進むしかないと分かっていても、進むべきだと分かっていても、その論理的思考とは別のところ、本能が進むべきでないと警告を鳴らす。


「何が……時計塔で……」

されど時間はただ流れていく。


足を止めるほど1秒前に置いていかれる、保留など甘えた選択は無く、目の前にはただの2択。

意思を決意し自分の足でこの道を。


目を閉じて、開ける。

私の緊張をほぐすためのルーティン。


進まねばならない。

道を後退することを私は、否定しなくてはならないから。


……私はそうしてらせん階段に足をかけた。

個人的に、J○J○は月間連載なんだから1部くらいの濃さのものを描けばいいだろうと思うのよねえ

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