南斗神拳をくらう朝-③
式が終わり、皆がぞろぞろと学校の2つある出口へと向かっている。
「………………結果、オーライよ!……スー!」
「ははは……アタシもうアイツにもう足向けて寝れないや……礼を言いに行ってくる……」
そしてスーはシェリーを探しにいった。
私は学校の入り口にぽつんと1人で立っている。
彼女は私を友人と、そう言った。
……それが、私には何よりも、受け取り難い言葉だった。
まだ、こんな私でも、あれから逃げてしまった私でも、ひとりの友人だと。
そう言ってくれる、優しさでできている彼女の芯はやっぱり、何一つ変わっていなかったのだろうと、そう思った。
私なんかを友人と発言することすら、私はそれに値しないと思う。
そんな行いを、取り返しのつかない馬鹿を、私は愚かにもしたのだ。
4年前、あの時。
私は逃げたのだ。雨の中傘すら放り出して無様に。
逃げたのだ、馬鹿だった。
逃げたのだ、愚かだった。
逃げた。
私はそうして、そんな自分が嫌いになった。
私はあの雨の日、あの雨にただ濡れていた少女を私は見殺しにした。
晴れの景色を目指した彼女に、雨から我慢という名の逃げを繰り返した私。
―私は未だ、マイナスの中にいる。