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第3幕 偶然

第3幕では、BLに続く要素は若干含まれていますが、はっきりとした描写は含まれていません。ご理解頂いた上でご覧ください。

9月8日


あれから1週間。俺はいつも通りモブと化していた。水本くんは背が高くて足長のイケメンで、いつも誰かに囲まれているもんだから、隣の俺は常にその囲みの輪を崩さないように気を遣いながら過ごしている。劇団のことを聞く人は誰もいない。皆寝てたし覚えてないんだろう。俺なんかが聞いてもいいのか。それが分からなくて聞けないままだった。ああ、憂鬱だ。常に尊くて、鬱陶しい。こんな感情に名前をつけるなんて出来ない。うん。

3限目。俺は遂に失態を犯すこととなる。つい見とれていた。目が離せなくて。この1週間あんなに気をつけてきたのに。

彼とはっきり目が合ってしまった。7秒間。

「何?」

そう聞いてきた水本くんの目は笑っていなかった。そりゃそうだよな、こんなモブが見てたらキモいよな。

「ご、ごめん……。」

「え、なんで謝んの?」

「え?」

怒ってない、のか?こんな俺が見てたってのに?キモがって普通だろ。

「別に光本に謝られるような記憶ないんだけど。」

「あ、ご、ごめん……。」

「いや、謝んないでよ。」

「……ごめん。」

ため息をつく水本くん。そりゃ呆れるよなこんな奴。

「水本くんを別に変な目で見てたわけじゃないんだ。ほんとごめん、俺なんかが……。」

「何?何に申し訳なさを感じてんの?お前変わった奴だな。」

「ご、ごめん……。」

「だから謝んなって。」

「……うん。」

「てか奏多でいいよ。男にくん付けされたくないわ、なんとなく。俺も秋って呼ぶからさ。」

「わ、分かった。」

「な、決まり。」

あき……。俺の名前を呼ぶ彼。俺は失態を犯したと思っていた。だけどラッキーだったのかもしれない。いや、やっぱり周りの視線を感じる。怖い。モブとしてすら存在できなくなるのでは?という恐怖を感じつつ、俺はあることに気づいてしまった。

あれ?彼がほかの男子を下の名前で呼ぶことあったっけ?

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