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流されて帝国  作者: ギョラニスト
92/205

91話


「リシャール、お前の師匠すぐに呼べるか?」


「え?嫌だけど」


「なら城壁はお前1人で全部やれ」


「ひどい!横暴だよ!!って言いたい所だけど、もう呼んだよ」


「…お前が積極的に師匠を呼んだと言う事は、ぷっぷは…」


「うん。流石にアレは放ってはおけない」


え?リシャールさんがヘラヘラしていない…


「…そうか。ナディア、ぷっぷに変わった事はあるか?」


「いえ、特には。強いて言えば少し大きくはなりましたが」


「ならば、他の者の安全の為にも、ぷっぷの世話はしばらくナディア1人でやって欲しい。従魔の契約がある限りナディアに危害を加える事は無い筈だ。できるか?」


「はい。それはもちろん」


私が拾ったのだから、面倒みるのは当然だわ


「他の者は迂闊にぷっぷと接触するな。そうだな…新しい家を作ろう」


はい?


「待ってください。新しい家って…」


「熱を出している間も不便だったのではないか?俺もそろそろ天幕から出たいし、ぷっぷに魔力を吸い取ってもらえたら楽だ。俺も住むには今の家は手狭だろう」


「ええ?一緒に住むのですか?」


「何だ?嫌なのか?」


途端に殿下の機嫌が悪くなった


「え?嫌と言うよりダメではないですか?婚姻前の男女が一緒に住むなんて」


「王宮に来て一緒に住もうとしていたではないか。変わらんだろう。次に堀の件だが…」


まだ住み始めてそんな経っていないのに。小さいけれど、可愛いらしくカスタマイズもしたのに。

ひとりでガッカリしている間に、話は次々と変わり気がつけば


「他に意見がなければこれで…」


「あのぅ」


恐る恐る手を上げて、あのままずっと預かりっぱなしだった指輪をテーブルにおいた


「あぁ、石が外れたんだったな…」


言葉を切った殿下を見上げると、何か言いた気な様にも見える。

いつも仏頂面みたいなものだからよく分からないけれど


「短い間だったが助かった。職人はこっちで当たっておく。心配するな」


「はい。よろしくお願いします」


その後殿下以外のメンバーは総入れ替えになり別の人達が入っていった。


「あれは魔力酔いする人を出さない為の措置なのですかね?」


私の質問にラッサ大尉が答えてくれた


「そうですね。殿下は以前から自分が参加する長時間の会議は後が悲惨なので、時間と人を細かく区切って行っていましたね。どうしても話が纏まらない時は2時間後に再び集合とか」


何て非効率な…


「魔力が多いのは大変なのですね…ぷっぷちゃん連れてきて差し上げれば良かったかしら?」


冗談混じりでそんな事を言ってみたら


「ぷっぷっ」



突然私の肩にぷっぷちゃんが現れた


「ヒィィ」


またしても令嬢らしからぬ悲鳴を上げる事になってしまったけれど、絶対に私は悪くない。


「うわっぷっぷちゃん飛んできちゃったんだ。僕ディラン呼んでくるよ」


部屋から出てそんなに歩いていなかったので、リシャールさんが殿下を呼びに行ってくれた。

それにしても心臓に悪いわね


「何かぷっぷちゃんの進化具合がすごいわよね?」


コニーさんが呟くように言った


「ほ、本当に…」


いや、可愛いのよ?あまり魔物っぽくもないし、つぶらな瞳とか可愛いのよ?

ただ瞬間移動は…ねぇ


「何だ?まだ会議が…ぷっぷ!」


リシャールさんに呼ばれた殿下はぷっぷちゃんを見かけるなり、いきなりぷっぷちゃんを鷲掴みした


「ぷー!ぷっぷー!」


「ちょ、ちょっとディラン殿下!もっと優しく扱って下さい」


短い手足をバタつかせるぷっぷちゃん。可愛い


「ふうぅ」


少しすると殿下が大きく息を吐き何やらスッキリした表情で「ぷっぷは凄いな」と爽やかな笑顔で立ち去っていった。


「あぁぁ、ぷっぷちゃん大丈夫?」


少しだけグッタリし不機嫌になってしまったぷっぷちゃんは、甘えるように私の腕にシッポを巻きつけ「ぷぅ〜」と一鳴きすると目を閉じてしまった。


「ぷっぷ殿は何だか不思議ですね。私が聞いた従魔は契約者の魔力をもらう事で力を発揮すると聞いていたのですが」


廊下を歩きながらラッサ大尉が言った


「ぷっぷちゃんのアレは魔力をもらうって言うより、勝手に吸われる感じだったな。契約者じゃないからなのかな?でも僕昔従魔に触った事あるけど、勝手に吸われた事なかったよ」


リシャールさんが答える様に言う


「リシャール殿がわからないんじゃ我々じゃお手上げですよ。師匠と言う方はいつぐらいに来られそうですかね?」


「う〜ん、師匠とは用事がある時に鳥の足に手紙つけて飛ばすだけだから、どこに住んでるとか知らないんだよね」


「そうなのですか。では前回は?」


「初めて」


「は?」


「手紙出したの初めてなんだよ」


え?リシャールさん殿下が生まれた頃呼び寄せられたのよね?20年近く?え?師匠ご存命なのかしら?


「ナディアちゃん今失礼な事考えてない?」


「い、いいえ。全く。これっぽっちも」


「ま、いいけど。手紙出した事はないけど、師匠何年かおきに顔を見には来てくれるから、多分元気だよ」


なんだ。そうなのね。良かった、リシャールさんの師匠って思ったより凄くいい人そう


「何か素敵な師弟関係なんですね。弟子の様子をたまに見にくるなんて」


「え?違うよ。顔を見に来たとか言ってお金せびるんだ。結構な金額」


前言撤回。

リシャールさんの師匠悪い人じゃないの




今更ながらコロナにかかってしまいました(>_<)


ちょっとお休みします。ちょっとですよ


皆さまも気をつけて〜

いや、本当に!

身体ダルい〜しんどい〜


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