表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流されて帝国  作者: ギョラニスト
72/205

71話


「まぁナディア様素敵です!」


グレタが立ち上がり手を叩いて喜んでいる


「そ、そうかしら?」


「ええ。山吹色がナディア様によく似合ってますよ」


ラッサ大尉を始め皆んな口々に褒めてくれる。


作り笑いをしながらサイズが合わないの意味をようく考えていると、アイラさんが


「ナディア、上着持っててやるから脱いでみなよ」



アイラさん私が上着に縫い付けた小袋を気にして脱げないと思っている!


「い、いえ、いいの。肌寒いし…私ちょっと着替えてきますね」


Uターンして殿下の執務室に戻る。

…さっさと脱いでしまおう。


このクーデターの最中1人ムクムクと太ったなんて誰にも知られたくない。


貴族令嬢にあるまじき事態だわ…

いえ、もしかしたら貴族令嬢らしいのかも?


でも人としてはやはりダメだわ。

隣の部屋からナディア様照れてるね、とか聞こえてきて尚罪悪感が募った


「エアリー、いい事?この事は…その、内緒にしていて欲しいのだけど」


「…何故ですか?健康的でよろしいかと」


よろしくない。

時期がダメすぎる。


「でもナディア様がお気になさる様でしたら、こっそりグレタにでもお直ししてもらいましょう」


「ええ。ぜひ」


軍服に着替えセラさんの執務室に戻ると、ラッサ大尉とセラさんは既に話し合いを始めていた。


「思い付きで急遽メイラーの町に立ち寄る事にしたのですね。だとしたら…」


「うん。僕も何であそこで待ち構えていたのか気になったよ。

この人数なら王都を出てすぐにでも捕まえに行く事できるのに、わざわざメイラーに?ってさ。

しかも敵さんこちらにディランがいるって思ってたみたいだし」


「もしかしたら待ち構えていた訳ではなく、警備していて馬車を見かけたから隠れたって言うのはないですか?」


「いないなら好都合って叫んでた気がする…って事はメイラーの町があるホーリック伯爵領も元老院側って事かなぁ」


「ですかね…殿下隊はなるべく目立たない様大抵黒っぽい兜だったり、幌の色黒くしたりしていたのが仇になった」


「うーん、ディランが帰ってきたら黒っぽいのやめる様進言するよ。

普通の商人でも黒い幌馬車はあるから…あ、そうか!」


「何です?」


「王都で香辛料の物流が滞ってるって聞いたんだ。西側の水害と関係あるのか聞かれて。

それと関係ないかな?たまたま黒い幌馬車だったから襲われたとか」


「少しはあるでしょうが、別に西側からだけ運ばれてくる訳ではないですよ。むしろ南側からの方が多いです。香辛料は」


「だよなー。あ〜わかんない事だらけ」


「そうでもないですよ。いないなら好都合と言う言葉、少なくとも殿下は生きていると言う事になりませんか?」


「…はぁ〜…そうだよな。悪かった。怪我をしてかなり弱気になってたみたいだ。

オズワルド、南と西からの物流の資料あるだけ持って来て。

あとホーリック伯爵の詳しい資料とアイラ、テオドール村に行く途中集落に寄ったって聞いたけど、その経緯と大まかな場所教えて。それから…」


セラさんがテキパキと色々な指示を出し始めた。

凄い…殿下が以前セラさんの事をアレはすぐ察するだろう的な事を言っていたけれどきっとセラさんの頭の中で色々と何かが組み合わさっていそうだわ。


今の内に言わなけば


「あの、セラさん…」


あ、忘れてたとでも言い出しそうな顔で


「はい。ナディア様、何でしょう?」


満面の作り笑い…そうよね。お忙しそうだものね


「殿下から、ディラン殿下から指輪を預かっているのですが…」


「そうだ!聞いたよ。本当酷いヤツだよね。ナディア様に思わず同情…」


「取れちゃったんです。石が」


「へ?」


「指輪の意思で指輪の石が取れてしまって」


決して私が無理矢理取ったりしていない事をアピールしなくては!


「何だって⁈」


セラさんが大声を上げ、立ち上がった為周りがシンとなってしまった


「あ、スミマセン。一体何があったんですか?」


座り直し咳払いしながらセラさんが言った。


大体の経緯をラッサ大尉に手伝ってもらいながら説明すると


「人伝の話しに聞いた事はあったけど、本当だったんだ…」


「はい。つきましてはセラさん、指輪を預かってもら…」


「お断りします」


酷い!まだ話している途中なのに


「ナディア様、ディランはナディア様に預けたのです。

そして指輪もナディア様に預かっていて欲しくて外れたのではないですか?」


あの怪奇現象が私に持っていて欲しかったからですって?

…嫌過ぎる


「ですので指輪はナディア様が持っていて下さい。直す職人は…ちょっと探してみますが、当分は無理かなぁ。

ディランが戻ってこないと何とも言えませんが」


話は終わりとばかりに、再びラッサ大尉と話し出そうとした時


「あの、私からもご相談と言うか、その…お2人にですね…」


それまで私の後ろで控えていたグレタが話しかけてきた。


「何ですか?」

「何かしら?」


グレタは少し悩んでから意を決した様に話出した


「まずナディア様、申し訳ありませんが、ナディア様の侍女を辞めたいのです」



何故急に⁈

殿下達との旅で酷い目に遭ったから?

私が殿下に進言したから?

完璧な淑女ではないから?

こんな時に私が太ったから?

いえ、グレタはまだ知らない筈だわ


「グ、グレタ?あの、理由をね、その、聞かせて貰えないかしら?」


ショック過ぎて口が上手く動かせない


「はい。あの、私結婚しようと思いまして」


!!


な、何だ…嫌われた訳ではないのね。

良かった〜


「そ、そうなのね。とてもおめでたい事だわ。結婚しても続けて欲しいけれど、お相手の方の意見の方が大事ですものね…ちなみにお相手はどなたなのかしら?私の知っている方なら私から…」


「セラさんです」


うん?


「そこにいるセラさんと結婚しようと思いまして」



スミマセン!!


67話と68話の話が被っていたので67話を削除しました。内容に変化はありません。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ