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流されて帝国  作者: ギョラニスト
62/205

61話


沈黙が続く


ラッサ大尉は腕を組み眉間にシワを寄せている。

テーブルの上にあるお茶はとっくに冷めてしまった。


「とりあえずこれは二つ共ナディア様がお持ちになるのが良いでしょう」


たっぷりと時間を取ってからラッサ大尉が口を開く


「何故ですの⁈ネックレスはともかく指輪は…」


「その指輪を託されたと言う事は危険にも晒されますが、同時にナディア様の命を守る術にもなります」


「守る術?」


「皇太子が持つってだけじゃないのか?」


アイラさんが私の疑問を聞いてくれた


「皇太子の指輪は渡す者の意思を汲むと聞いた事があります」


指輪が意思を汲む?


「私も聞いた事あるわ。

昔息子を亡くした王が王族に連なる者の中から皇太子を選ばなければならなくなって、元老院の強力な推薦で出てきた者に指輪を渡した所指輪から石が外れたって」


コニーさんの説明は続く


「元老院が推薦した男って当時王の息子を亡き者にしたって疑いがまことしやかに流れていたらしいわよ。300年くらい前の話だけど」


「外れたらその者は皇太子にはなれないと言われています。指輪の意思なのか、それを渡す者の意思なのかわかりませんが。

その後も二度程あったそうですよ」


ラッサ大尉がコニーさんの話に補足してくれたけれど、そんな事を言われても私を守る術になるとは思えない。


「あ〜そうゆう事か…ナディアが持っていて、無理矢理奪っても石が外れて皇太子にはなれないって事?」


「そう。あくまでも言い伝えだけど、確認は中々できない。

石が外れたら職人が同じ台座と石とで、作り直す必要もあるから時間も掛かるし」


「あ、あの!もし万が一持ち主が、ナディア様に何かあった場合は…」


珍しくエアリーが発言した


「その場合元の渡し主、今ならディラン殿下に戻されると聞いた事があります。

そのディラン殿下に何かあれば陛下に。


だからここに指輪があるのはナディア様、ひいてはディラン殿下の命も守る事に繋がります。


迂闊に殺してしまえば陛下不在の今、指輪は宙ぶらりんになりますから」


なるほど、迂闊には殺されたりしないのね。


でもね?

誘拐されたり拉致監禁されたりする可能性はあるわよね?


しかも…


「それは言い伝えですよね?本当は外れないかもしれない。

本当に指輪に意思があるなら…」


私は小袋からネックレスごと指輪を出し立ち上がった


「本当に意思があるなら何か証明して下さい。

こんなに責任の重い物を言い伝えだけで持っているのは恐ろしいです!」


「証明と言われましても、我々だって王族ではないのですから…」


コロン


!!!⁈


あろう事か指輪の石が外れた


「これって…」


「指輪の…意思?」


「ナディア様が証明しろと言ったから?」


コニーさんとアイラさんエアリーが呟いた


「ま、まさか…」


怪奇な現象を見て私の腰は砕けてヘナヘナと再び椅子に座った。


そんな馬鹿な…本当にこの指輪には意思が?


「凄いな。本当に意思を持っているとしか思えない」


「「「ですよねぇ」」」


結局その後小袋をもう一つ作りネックレスと台座と石に分ける事になった。


問題は


「さて、どこに縫い付けますかね?」


「ボウシハヤメテクダサイ」


理解が追いつかない上、怪奇な現象を起こす指輪を頭上に乗せ肩凝りに悩まされるなんて嫌すぎる。


「軍服の上着はどうでしょう?」


ラッサ大尉が言った


「上着?」


確かにこれから冬になる。

上着は必要だけれども、私はいつまで軍服を着用していれば良いのかしら?


軍服着ている事が前提っておかしくない?


「あの上着だったら内ポケットがいくつかあるから、その内側なんかはいいかもしれない」


「あら内ポケットの内側だと上着を脱いだ時いちいち外すのは面倒だから、普通にポケットの内側の方が小袋の着脱が楽よ」


「こうゆうのはグレタが得意だから、帰って来るまでは不便でも一番安全な所に縫い付けてグレタが戻ってきた時改めてはどうでしょう?」


みんなそれぞれアイディアを出し合って白熱した議論が交わされている。


やっぱり私はしばらく軍服なのね。


とりあえずしばらくは面倒でも内ポケットの更に内側に縫い付け、極力上着は脱がず、上着を脱ぐ時は中の貴金属だけ取り出し軍服または部屋着に新たに小袋を縫い付けその中に入れる事になった。


…とてつもなく面倒臭い気がしてならない。

誰か代わってくれないかしら?


その後主にエアリーが小袋作りを担いコニーさんが手伝うと言う形となった。


アイラさんは縫い物は苦手だからと部屋の模様替えに勤しんでいる。


私も縫い物はあまり、と言うかほとんどできないのでエアリー達の横でクッションカバーの刺繍をしている。


丸一日経過した所で小袋を上着、軍服、部屋着等に概ね縫い付ける事ができた。


私のクッションカバーも完成したけれど、全く集中出来なかったので禍々しいクッションカバーとなった。



スミマセン!


2/28日分を間違えて載せてしまいましたm(_ _)m

しかもちょっと短い

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