表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流されて帝国  作者: ギョラニスト
51/205

50話


「セントって何?」


「遷都だ。王宮を作ろうと思う」


「…」


セラがピキリと固まった


「なんだ?」


「…王宮が出来たら遷都か?」


「そんな訳あるか」


「イミガワカラナイ」


ガックリ肩を落としセラは項垂れた


「随分前にな、陛下が晩餐の席で『いきなりここを逃げ出して新しく王都作ったら元老院はどう動くかな?』って言い出したらセルゲイが『たまげるでしょうね』から始まってそれなら新しい王都を何処に置くかとかでエラく盛り上がっていた事があってな」


セラが目線だけ上げて俺を見る


「ドレナバルは西に拡大したからな。王都なのに東の端っこになってしまった。

ただ、今のドレナバルの中心地は山脈が縦に走っていてどうしても分断される。


山脈が途切れた北側には肥沃な大地が広がり澄んだな水が湧く。川もあるから水路の整備もやりやすい。

造るならばその土地、このアルバナール伯爵の領地だと話していたんだ」


「初耳なんですけど」


「初めて話したからな。すでにオリザールの街の更に西側の領地を治めているフォールダール辺境伯に話は通してある」


「…正気だったんだ」


「失敬だな。フォールダールも危機感を募らせていたからな。今の状況に」


「でもさ、普通はさ、普通はだよ。場所決めてある程度作ってから引っ越さないか?


今の王都の住人だっていきなり明日からここは王都じゃありませ〜んって言われたら怒り心頭で暴動が起こるよ」


「引っ越しって言うな!そして暴動はダメだ!」


「いや、今ディランがやろうとしている事ってそうゆう事でしょ?」


「だから明日王宮に行くんだろ。お前に託した書状に近々遷都しようと思ってるって書いてある」


「え⁈あの書状そんな事書いてあるの⁈」


「あぁ。それを読んだ元老院がとう動くか…」


「益々ナディア様危ないじゃん。本当何でナディア様なのさ」


「今この村で起こっている顔色が悪くなる症状、アレは魔術による物だと言ったよな?」


「あぁ、うん」


「この先他の症状が出る可能性も捨てきれないが…持っている魔力の量が分かるマーキングとかランキング的な物だとしたら、俺とリシャールとナディアだけ顔色が変わらなかった事に納得できないか?」


「あり過ぎたり無かったら顔色が変わらないって事?」


俺は頷いた


「ナディアがシャナル出身なのは周知の事実だ。

必然的にナディアには全く魔力が無いと元老院は改めて認識したはず」


セラは話の方向が分からなくなって混乱してきた


「ナディア様に渡した指輪ってあの『皇太子が持つ指輪』で間違いないんだよな?」


「あぁそうだが」


「アレって持ってる人の魔力と連動するんだよね?」


「そうだ」


「じゃあ…」


「だからナディアが持っているとはは思わないだろ?」


「…思わない。だけど!あの指輪を持っているだけでナディア様は時期皇太子って事になっちゃうじゃないか!」


「まぁそうなるが婚約者なのだから構わないだろう」


!!!


「ほんっとディランって酷いヤツだよね。何も知らないナディア様が可哀想だよ!」


そうなのか?


「言ってから渡した方が良かったか?」


「知ってたら受け取らないよ!」


「なら良いではないか」


そう言ってディランは部屋を出た。


本当にこんな男の元にナディア様は嫁いで大丈夫なのかセラは心配になってきた。


ナディア様の事はそんなに良くは知らないけれど、そんなに悪い人間には思えない。




バスバスッ


一応ノックをしてから天幕に入る。

侍女は魔道具ランプの灯りの元何か別の物を作っていた。


そして侍女の横にある物体…

コレは防寒具、か?


「出来ました!殿下どうでしょう?」


「コレは変装道具なのか?」


「もちろんです。殿下ちょっとこちらに来ていただけますか?」


侍女に促され近くまで行くと「ちょっと失礼」と言いながら俺の上着を剥ぎ取り防寒具を着させだした。


「特に寒くもないんだが…」


「何を言ってるんですか!変装です。へ・ん・そ・う!さ、殿下ズボンも脱いで下さい」


侍女は目をキラキラとさせ俺のズボンを剥ぎ取ろうとしていてちょっと怖い。


「ちゃんと脱げました?そしたら次コレを穿いて下さい」


言われるがまま分厚いズボンを履き姿見をみると3回りほどふっくらとした俺が写った。


更に侍女は


「そしてその上からコレを着て下さい。頭はコレ、あと小道具なんかもあります」


とりあえず言われるがまま大きめの隊服を着て頭には白髪混じりの黒髪のカツラを被る。


そして顔の下半分を隠す程の髭を植物の樹液を塗ってから自分の無精髭の上にペタリと貼られた。


もう一度姿見を見ると巨漢な兵士が出来上がっていた。


凄い。

ここまでとは…


「どうでしょう?殿下を隠す事には成功したと思うのですが」


「あぁ、凄い。隠れている。隠れてはいるが少々動き辛いのだが…」


「それは仕方ないです。我慢なさってください」


「いや、敵が来た時に…」


「そこは魔力で何とかして下さい」


結局お腹の綿を少し減らす事で妥協点を見つけ出した。


侍女を下がらせた後姿見をしげしげ眺めて

…誰だコレとしか言いようのない出来栄えだった。



ウッカリUPしてしまいました!

ちょっと短いです


スミマセン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ