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流されて帝国  作者: ギョラニスト
191/205

191話


「ナディア、気がつかなかったか?」


 一体何を?思わずじとっと睨みつけると


「あの将軍?の後ろにいただろ」


 誰かいたかしら?将軍にしか目がいかなかったわ。


「ノアのやつ上手い事潜り込んだみたいだな」


 ノアさん!?いたかしら?


「そのノアさんは潜り込んで一体何を?」


「最終的には俺達を逃すだろうが、その前にドレナバルの者が今ここに招待されていないか確認しているんだ」


「それって…」


「あぁ、潜入捜査だな。それを突き止めてから…」


 一体どこまでが作戦の内で、今どこまでその作戦が進んでいるのか


「あのですね!先程も言いかけたのですが、何故私に何も言わないのですか?作戦とかも言ってくださればもっと色々とスムーズにできた事もあるでしょう?」


 途端キョトンとした3人。


「そりゃあ…」


 殿下、何ですの?私は所詮よそ者だから言う必要はないと?それとも信用ならないと?


「言った所でお前もぷっぷもその通りには…なぁ?」


「そうね」


「そうだな」


 言われたらその通りにやるわよ!私は出来る事を頑張ってしただけで、作戦を教えてくれていたら従うに決まっているじゃない!


 とりあえずよそ者だからとか信用ならないとかでは無くて良かったけれど、ここを出たら一度ちゃんと話しをしないと。


 先ずは無事留置所を出てドレナバルに帰る事が目標よ!


 しかしその後私達は3日間放置された。


 食事は提供されたが、もしかして一生留置所で生活するのでは?と疑い始めた頃突然ノアさんが忍び込んできた。


「はぁ〜ディラン達はいいよな。こんな所でゴロゴロしてて。俺はこんな早朝から働いてんのに」


「「はぁ!?」」


 暴言を吐くなりダラリと寝っ転がり大きな欠伸をするノアさん。


「ドレナバルから誰が来てたと思う?」


 ダラリとしているのに目だけをギラギラさせて尋ねてきた


「もったいぶらないでさっさと言え」


「そんな急かすなよ。アルバナール伯爵と元老院のグランゼン侯爵、あとは…」


 アルバナール伯爵ってテオドール村やハイドン村の領主よね?グランゼン侯爵は初めて聞いたわ。元老院の人なの?


「聞いて驚け。エルザラン師がいたぞ」


 !!留置所の空気が一瞬で凍りついた。


 大魔法使いと言う噂の?そう言えばマデリーン様がいきなりテオドール村に来た時、一緒にいらしてそのまま居なくなってしまったと言っていたわよね。


「チッ」


 殿下が盛大な舌打ちをした。


「そうそう。シャベルの国からは3人いたぜ。男2人と女1人」


 陛下とマティーニ王妃、マーシャル殿下かしら?まさかこんな所で再会なんて…いえ、絶対に逃げなければ。


「シャナルな。どうするナディア?会って行くか?」


「絶対嫌です」


 何を気遣づかわせ気な顔で尋ねてくるのか。


 これが普通に招待されドレスアップした姿ならまだしも、妊娠した村娘風姿で罪人としての再会なんてゴメンに決まっているでしょう!


「そ、そうか」


「そうです!さぁ、さっさとこんな所出ましょう。もう誰がこの国に来たか判明したのでしょう?」


「そうだな。ノア手筈はどうだ?」


「ん〜全然ダメ」


「「「は?」」」


 やる気がなくて全然ダメって事?ノアさんのやる気なんて見た事は無いけど


「3日前この国の皇后に毒が盛られたんだ。まぁ生きちゃいるけど、限界態勢に入っちまって」


 だから私達この3日放置だったのね。一体誰が…


「あ、犯人はドレナバルの王族じゃないかって噂になってる。捕まってないけど」


!!


「何かの罠って事は?」


 不機嫌マックスの殿下が尋ねると


「かもしれないし、そうじゃないかも?」


「ふざけてないでとっとと答えろ」


「お手上げ」


「ふざけんな。せめてここから…」


「ここって王宮の敷地内で半地下にあるんだけど、裁判するのは王宮の中。そんで王宮前で処刑って感じらしい。」


「だからどうした」


「出れないんだよ。王宮の敷地内から」


 何ですって?


「お前がいて出られない?」


「うん。留置所や王宮は出入り出来るけど、柵で囲われた敷地内からは全然出れない。ちなみに魔法でもないっぽい」


 …誰も声を発せずにいると


「魔法でないとすれば多分結界だと思うのだけれど…」


 ポツリとコーデリアさんが口を開いた。


「結界?」


「そう。女神様の神聖な力でそのエリアと言うか、さほど広くない範囲を誰も出入り出来なくするの。主に魔物が外から入れないとか、戦時に敵を入れない様にする為の物だけど。出さない為のものではないわね」


「その結界はどうすれば外れるんだ」


 すかさず殿下が尋ねると


「結界を張った人物が解除するか、もしくは…」


「殺るか?」


 口を挟んだノアさんはコンラッドさんにどつかれた


「殺したからと言って結界は消えない。返って手間だから絶対殺らないで。更なる神聖力を持つ人物が上書きするとかやりようはあるけれど…」


「どうやってやるんだ?その神聖力ってのは誰でも使える訳じゃないよな?」


殿下が詰め寄りながら聞くと


「まぁ、巫女や上級聖女なら…」


 嫌だわ、コーデリアさんったら勿体ぶらないでサクッとやっちゃって!


「ならコーデリア殿、ここは…」


「私は無理よ」


「「え?」」


「私はせいぜい家一軒くらいの結界しか張れないわ。アリアステの巫女だって似たようなモノ。王宮の敷地内なんて規格外なのよ。大聖女とか、もしくは女神様や精霊の力じゃないと無理だわ」


そんな…


「なら、とりあえず留置所からは出てどっかに身を潜めて、各国の要人が帰る時紛れて出るしかないな」


 殿下の一言にみんなが頷いた。


 こんな時殿下の判断はとても早い。立ち上がり手枷足枷を外しだした。そんな簡単に外れるものなの?


 1人モタモタしていたら私の手枷も外し、ノアさんの誘導で無事留置所から誰に会う事もなく出る事はできた。でも問題はここから。


「あの庭園の奥は隠れられそうか?」


「いや殿下、あそこは茶会とかで利用されてそうだから、裏手の使用人の建物の方が…」


「それより…」


 なんか男性陣がコソコソ話し合いをしている横でコーデリアさんが上を見上げ難しい顔をしている。


「何かわかりますか?」


「う〜ん…やっぱり結界っぽいんだけどねぇ」


「気になる事でも?」


「…そうね…確定ではないから何とも言えないけれど…」


 言葉を濁すコーデリアさん。聞いてもいいかしら?と言うか聞きたい。


「あの…」


「罪人が逃げたぞ!!」

 ピーーー


 叫び声と同時に笛が鳴らされた。


「まずい!とりあえずこっちだ!」


 殿下に手を引かれものすごい勢いで庭園の植え込みの中に引き込まれた。


 痛い痛い!ここはバラ園?花なんて一つも咲いていないけれど。


 みんな少しずつ離れた所で身を潜めていると兵士が次々にやってきた。


 どうするのですか!?殿下!




すみませんm(_ _)m

先週空けちゃいました

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