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流されて帝国  作者: ギョラニスト
179/205

179話

ごめんなさい!

先週UPした178話、書きかけの下書きを出してしまっていました。しかも気づいたの今週入ってからでした。(>人<;)

書き直したのを編集してのせてあり、話しの筋は概ね一緒です(短いまま)。お時間ある方はそちらから覗いてみてください。m(_ _)m


 独特の雰囲気を醸すその人がコンラッドさんのお母様?似ていないにも程がある。


 それぞれ挨拶を交わすとジッとぷっぷちゃんを見つめている。


「あの…」


「あぁ、不躾で申し訳ない。話しはとりあえずここを無事出てからにしましょう。出られればですけど…」


 難しいのかしら?殿下ならヘアピン1本で扉を開け、さっさと行けそうだけれど…


「魔法封じの扉っぽいですね」


ノアさんが言うと


「他にもこの部屋の四角に魔封じの石と、中央にも何やら魔封じ。挙句に全員に魔封じの冠ときたもんだ。」


 眉間に皺を寄せ殿下が呟いた。この牢屋は完全に魔法を封じられているらしい。


「俺達がいれば牢からは出れるが、魔封じの冠は…」


 3人の頭に載せられいるギザギザしている輪っかに、お皿を伏せた様なものが合体している物よね。


 魔封じと言う位だからアレが魔道具…もっとカッコイイ形にならなかったのかしら?アレでは頭のてっぺんがハゲている風に見えるわ。


「殿下とりあえずここから出よう。俺はとりあえず扉開けるから」


 ノアさんはそう言って扉に近づき薄い札の様な物をペタペタと貼り出した。すると扉からが薄い膜の様な物が張られ、部屋全体を覆った。


 ノアさんは目を瞑りカッと開けた瞬間


「せいやっ!!」


 ドアノブが音もたてずスルッと壊れた。


 開けると言うより壊した?あの膜みたいなものは防音の為?


「よし!後は出るだけなんだが…殿下、そこの左右の角頼んます。俺こっちやるんで」


「あぁ」


 2人は息を合わせ対角にある丸い玉を拳で殴り壊していく。四角壊し終わると中央へ向かい2人同時に蹴りを放った。


 スルリと大きな玉が崩れ粉々になった。


 何と言うか、魔封じを壊す方法が素手で粉々って納得いかない…


 ノアさんを先頭に一列に牢こら出る。こっそり感がフォールダーに忍び込んだ時を思い出したけれど、今はこっちに集中しなければ。


 ぷっぷちゃんを首に巻き歩き出すと、灯りのついた部屋が目に入る。


 ノアさんは手のひらをこちらに向け、1人で扉に近づいた。


 見張り部屋かしら?何人いるのだろう…殿下やコンラッドさんは行かなくていいのかしら?


 不安に思っている内にスルリと扉に入り一瞬だけ「誰だ!?」「うわっ」等の声がし、ドカドカッと音がした後


「弱っちいな」


 鍵の束を指先で回しながらノアさんが出てきた。凄い…


「ノアはうちで一番の戦闘員だ。心配はいらない」


 殿下がここまで言うのだから相当強いのね。


 いくつか扉を抜け階段を上がりやっと外の空気を吸う事ができた時はホッとすると同時に物凄い寒気がきた。


 寒い寒い寒い…ドレナバルほど雪は無いのにまつ毛が凍っていく。上着を着ていなければ靴だって室内履きだし。


 ガチガチ歯を鳴らしていると


「ノア、俺はナディアとウィンディアを引き受ける。そっち2人は頼んだ」


 言うなり私とコンラッドさんに手を翳すと、頭の先から足元に向かって寒さが無くなり凍ったまつ毛も解凍された。


「離れるなよ。凍死するから」


 殿下の魔法の効く範囲にいろと言う事よね。私はウィンディアさんを押し除けて殿下の真後ろにピタリとくっついた。


「へぇ…政略結婚なのにラブラブなんだねぇ」


 ウィンディアさんが冷やかす様に言う


「ええそうよ。片時も離れたくないの」


 殿下がビックリしたように目を見開いて私を見る。当たり前じゃないの。離れたら死んでしまうのよ!


 どんよりとした空の元、私達は壁沿いを一列になり歩いていく。


 ノアさん、コーデリアさん、コンラッドさん、ウィンディアさん、私、殿下の順で。殿下いわく


「お前にしんがりなんか任せられん!」


 との事。そうね、気がつけば置いてけぼりとかありそう。


 しばらく歩くとノアさんが手招きをした。私達は円になると


「ここ本当にコバネルですか?警備も以前と比べてかなり厳重だし、建物も様式が違う気がするぞ」


 ノアさんが殿下に言う。


「コンラッド達の消息が途絶えた後、コバネルにいるらしいと潜入班から連絡が来たんだが…」


「殿下、お言葉ですが俺達目隠しされて運ばれてきたけど、距離的にもここはコバネルではないですよ」


 コンラッドさんが言った。


 何て事…ここがどこだか誰にもわからないにんて。と言うか、ぷっぷちゃん凄くない?コバネルは無視してちゃんとコンラッドさん達の所に正確に飛ばしてくれた。


 あぁ、ぷっぷちゃんが喋れたらここはどこなのか尋ねられるのに。寝てるけど


「仕方ない。とりあえずここを出て街に行けば何かしら分かるだろ」


 殿下の言葉に全員頷き出口を探す事になった。


 どんより空のせいで時間も全くわからない。日が暮れる前にここを出なければと言う焦りの為か、いきなり曲がり角で兵士とかち合わせた。


 ピィーー


「敵襲!敵…」


 笛の音と共にノアさん、コンラッドさんが兵士らを相手に戦いだしている間に、殿下が手近にあった扉に私達を誘導した。身を屈め息を潜めていると


「チィッ!!アレ一体何者なんだ!?化け物か?イカレてんのか!?」


 コンラッドさんが傷だらけで転がり込んできた。化け物?敵にイカレた化け物がいるの?ノアさんは!?


「ノアなら化け物ではないが、少々イカレてはいる」


 うん?


「少々!?楽しそうに敵をぶちのめしてたぞ!トドメに俺がいるのに『新必殺技竜巻魔法〜』とか言いながら笑ってぶっ放してきやがって!!」


 その傷はノアさんにやられたの!?聞こうとコンラッドさんに近寄ると同時にバーンと扉が開きノアさんが入ってきた。


「殿下やったぞ!新必殺技使ったら塀が壊れた。とっととズラかろうぜ」


 ご機嫌なノアさんが嬉しそうに報告しにきて引いていると


「よし!でかした!!行くぞ」


 2人扉の外に飛び出した。


 待って待って待って!置いていかないでほしい!


 私達も慌てて2人に続いた。


 殿下はノアさんの事を少々イカレていると言ったけれど、私に言わせれば2人共完全にイカレている…




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