おめこ汁
おめこ汁
「パパさ! おめこ汁出来たよ!」
ん……?
「有り難う梅子ちゃん!」
(おぅの発音は、お、もしくはおぉ、う、もしくはうぅの中間の発音です! パパさの発音はややうよりの発音であります!)
「おかわりも壱杯作ったからね! たぁ〜んと啜ってね!」
「有り難うね! 梅子ちゃん! 御味噌汁だね!」
「パパさ! 御飯入れて無いよ!」
「あっ……御免ね!」
「違うよ! ペタペタじゃ無くて、ニョッキニョキの御茶腕だよ! パパさ?」
「あっ……ピンクの方か? どれ位食べれる梅子ちゃん!」
「チョイこん盛り位がいい!」
「チョイこん盛りね! はい!」
「御味噌汁だね!」
「パパさ! パンパンしてからだよ! ガッツコウ何て、ナンセンスだからね!」
「パンパンね!」
「早くパンパンしよ! お腹ペッタンペッタンだよ!」
「パンパン! 全知全能全宇宙のグルグル渦巻き様! ちっぽけなわたしたちの食卓に、今日も命の灯火を御灯し頂きました! 天地森海山川湖の恵み! 刈り取られし命様、わたし達ちの血となり肉となり元気の源と成りて共に生きましょう! パンパンパン! 頂きます!」
「御味噌汁だよね!」
「御味噌入りおめこ汁だよ!」
「御味噌入り梅子ちゃん特製汁だね!」
「梅子特製御味噌入りおめこ汁だよ!」
「おめこ汁か?」
「お万さと裏山に取りにいったんだ!」
「お婆ちゃんと行って来たのか! どんなのか見せてね! どっこいしょ!」
ポコポコ、ポコポコ!
「パパさ! 駄目! 今の時間、此処から先は何人たりとも通っちゃ駄目! 御飯食べ終わる迄は梅子の聖域だよ! パパさの聖域は食べ終わった後でしょ!」
ズズ! ズズ! ズズズズズ……!
「いいヌメヌメ具合だよ! 梅子ちゃん! いいなめこだ!」
「早くママさの流行り病良くなると良いね! ママさのおめこ汁啜りたいな!」
「ママさのおめこ汁か……もう暫く御無沙汰だな……」