第4章のまとめ:登場人物
☆☆☆主人公と仲間、協力者☆☆☆
◯エリザベータ
この物語の主人公。本名、エリザベータ・エル・ラヴェリア。愛称はリズ、リーザ等。
活動の場を変えるたび、相手に呼ばせる愛称を切り替える傾向がある。あまり深い意味はない。
幽霊船における戦闘後、追跡から逃れる潜伏先として、ダンジョンがある孤島へ。
そして、不正行為によりダンジョン制覇。ダンジョンの主である魔王と従者の二人から、なにやら気に入られて協力者に。ダンジョンを迎撃拠点とする運びとなった。
その後、ダンジョンへ単身赴いた第六王子ファルマーズとの戦闘に勝利。彼を捕虜とした。
※レガリア:《叡智の間》
リズ自身の精神に複製した魔導書等を収めておく、図書館のような精神空間。
主に就寝時に入り込むことになるが、起きている間も深く集中すれば利用できる。
現実世界へ直接的に作用するものではないが、この空間内に収めた情報や、この中で繰り広げる自分相手の特訓などは、確実に彼女の力となっている。
※《インフェクター》
第四王女ネファーレアが遣わした刺客であり、歴史上の大事件を引き起こした魔剣。リズの手で鹵獲された。
意志ある宝物であり、刀身から音を放って話す。宿る人格は尊大。
ダンジョン攻略において、久々に人型の物体を斬ることができた。
また、リズのことは使い手としてそれなりに認めているらしい。
一方、強大な魔道具としての誇りも健在。魔道具の工匠であるファルマーズとの戦闘では、彼が操る魔道具に対し、対抗心をあらわにする場面も。
◯アクセル・リスナール
ルグラード王国ハーディング領の元伯爵直属だったという諜報員。同国内における革命後、失職。リズに付き従うことに。
魔法に反応しないという、超特異な体質の持ち主。魔力を持たないか、外界の魔力と相互作用しないものと考えられる。
――だったが、本当の所属はラヴェリア外務省諜報部。第三王女アスタレーナ直属であり、さらに言えば、彼自身も現国王の血を引いている。
リズとファルマーズの戦いを目の当たりにし、ファルマーズの思いの丈を知ったことで、リズに自身の秘密を打ち明けた。
※レガリア:《光の器》
所有者であるアクセルの魔力が、外界と作用するかどうかを切り替える力を持つ懐中用手鏡。
相互作用しない状態では、対象の魔力を反応させる系統の魔法(探知系など)が全く効かない体質に。この状態では彼自身、自分の魔力を使うことができない。
状態を切り替えることで、常人のように普通に魔力を使うことも可能。
相互作用しない状態が、出生時のデフォルトだったらしい。
そのため、生まれた時点で魔力を有しない、王子にあるまじき忌み子として扱われ、母子ともに追放・隠匿される羽目に。
◯マルク・ルチアーニ
ルグラード王国クレティーユ領の元諜報員。同国内における革命後、失職。リズに付き従うことに。
リズ一行の中ではサブリーダー的な立ち位置。集団としての方向性はリズが定める一方、彼は実際に人を遣うのに手慣れている。
ダンジョン制覇後の訓練等、リズが一人で動く状況が増えたことで、彼がまとめ役になることがさらに増加した。落ち着きがあり、頼れる兄貴分。
◯ニコレッタ・ローレン
眼鏡姿で、目立たない容姿の少女。海外の商業国カトマイアの元諜報員。ハーディング革命後、失職。リズに付き従うことに。
変装や演技が得意で、一行の中ではスタイリング担当。
陽気で、少し調子のいいところもあるが、元諜報員としての技量は本物。
相手の挙動を察知、隙を盗む力に優れている。特異体質のために気取られにくいアクセルと並び、まっとうなダンジョン攻略で類稀な進行速度を発揮した。
○セリア・メルカデル
褐色で長身、リズより数歳年上の女性。マルシエル議会直属の元護衛官。
リズが同国へ来訪した際、案内係兼お目付け役として帯同した。その縁から、マルシエルを離れてからも、出向者としてリズに同行。
落ち着いた感じの、真面目でクールな女性だが、リズやラヴェリアの連中には振り回されている感。
ダンジョン潜りでは、さほど成果が上がらなかったが、隠密行動に長けた元諜報員と比べるのが悪かったのかもしれない。
ダンジョンの外では、相変わらず渉外担当として活躍。リズの活動に国際的な正当性を持たせる、集団の紐帯である。
○ニール・ヒュレット
リズたちがマルシエルへ向かう際、遭遇した海賊船に乗っていた航海士。同船を拿捕した後、船もろともリズが預かる形に。
元はまっとうな商船の航海士だったが、海賊に襲われてやむなく使われていたという過去を持つ。
リズと出会ってからしばらくの間、生意気で皮肉屋な彼だったが、彼女とベルハルトの一戦を期に彼女の過去を知った。それがきっかけでリズの忠実な部下に。
本来の船長が孤島でのダンジョン暮らしを営むことになり、その座を埋めるべく彼が代理船長に任命された。
○ダンジョン攻略の先輩たち
リズたちの乱入により、色々と人生が変わってしまった方々。
リーダーは、気さくな中年男性ロベルト。
ダンジョンに来る前には、いずれも騎士団員や近衛など軍事的エリートだったのだが、上役の政争などに巻き込まれる形で失職。その後、ダンジョン攻略という仕事に行き着く形となっている。
彼らのダンジョン攻略には依頼主がついていたが、その目的はダンジョンの主・魔王と会ってみたいという酔狂な遊興。事が落ち着いたら希望を果たすということで、リズたちと話がついている。
また、彼らの過去がそうさせるのか、国から追われる身のリズに理解を示した。彼女が見せた力量への感服もあり、さらに言えばダンジョン攻略という仕事がなくなったことで、今度はリズの配下へ加わることに。
実力者揃いの面々である。その中でも、リズと同世代の少女エレンは、リズに代わってボートを風で走らせる要員に。
○魔王フィルブレイス
ダンジョンの主。肌は色白。艶のある青みがかった黒い長髪を、後ろで適当に束ねている。
少し目つきはトロンとしており、どことなく色気を漂わせているように見えなくもない。一見すると、そんな青年である。
性格は鷹揚で、かなり気前が良い。好奇心ゆえか、首を突っ込みたがる節もあるようだ。
不正攻略により、玉座を脅かそうとしたリズに対し、これまで自重してきたというスペシャルステージを提示。これをも攻略されたことで、すんなりと彼女を達成者として認めた。
以降、ダンジョンを拠点下するにあたり、彼女に何かとサポートしている。
祖父は、ラヴェリア始祖と縁があったという。その祖父から継いできたダンジョンで、ラヴェリアの末裔と出会ったことに、少なからず感じ入るものはあるらしい。
愛称はフィル様。
○ルーリリラ
魔王に仕える魔族。色白の肌に、燃えるような赤い瞳。耳は長く、肩まで伸びた髪は、艶やかな暗灰色。
表情はだいたいアンニュイで、少しぼんやりとした雰囲気も。
ダンジョン運営にあたり、主に代わって挑戦者へのサポート業務を行っていた。
魔王ともども、挑戦者のおかげで色々と楽しめているため、直接的な付き合いのある彼女は特に、挑戦者たちと仲良くなっていた。
インチキを働いたリズに対しても、むしろその手口に感心するところが大きかったようだ。ダンジョンを攻略された後は、魔王とともに彼女を何かとサポートすることに。
ダンジョン運営等の仕事ぶりは真面目だが、来客の少なさに起因する不慣れさからか、少し抜けている部分もあった。
一方で、魔王に言わせると、ダンジョン内の性格が悪い罠の大体が彼女の手によるものという。
☆☆☆ラヴェリア王室及び関係者☆☆☆
◯バルメシュ・エル・ラヴェリア
現国王。覇権主義国家として長く存続してきた聖王国にあって、彼は大きな争いを起こさずに統治してきた。マルシエルからも、名君として認識されている。
今では政治的判断を後進に委ね、自身は諸々の公務に関わる程度に留めている。
当代の継承競争においても、血族同士の直接戦闘にまで発展したが、何ら干渉してこない。
自身が王位に就くにあたっては、他の継承権者が全滅、当時の国王まで累が及ぶほどの抗争があった。
◯第一王子ルキウス
国防における要職を務める長兄。生真面目で実直。
継承競争において、情報面と実務で忙しいアスタレーナにとっては、弱音を吐ける数少ない相手。他の兄弟からの信望も厚い。
リズの逃亡先である孤島に、ダンジョンの存在があると指摘した一人。
その後も、挑戦権を行使したファルマーズに対し、情報面でのサポートなどを行った。
◯第二王子ベルハルト
外征関係の将帥。整った顔立ちが多い王室内でも、屈指の美男子。
海賊退治を含む諸々の事情にかこつけ、国外遠征に。リズと遭遇した後、実際に戦闘するに至った。
軽いところのある性格だが、継承競争や国の未来については、彼なりに思うところがかなりある様子。
※レガリア:《夢の跡》
これといった形状を持たない、物体というよりは能力に近いレガリア。
その能力は、ベルハルト自身の手で破壊した武具や兵器、あるいは手ずから殺害した相手の得物を、ベルハルト自身の手で再現するというもの。
魔力で形成されるため、事実上破壊不能の武具となる。加えて、それを操るのはかつての持ち主を超える力量の王子である。
インチキ。
◯第三王女アスタレーナ
外務省諜報部長。キツそうな見た目だが、好戦性はない。
海外の情報を取り仕切る立場上、継承競争においてもかなり影響力のあるポジションに立つ。
そのせいで色々と気苦労が絶えない面も。
王室内では飛び抜けて弱い、極めて常人寄りの戦闘力。しかし、人間力は高い。
内政畑の弟妹二人に海外で経験を積ませるため、色々と調整に動いていた。
それに加え、リズがダンジョンのある島に逃げ込んだことで、彼女を一時的に見失うことに。
相変わらず苦労は絶えない。
◯第四王女ネファーレア
美形だが陰気な雰囲気の少女。
死霊術師として、国内でも代々枢要な地位を占めてきた家系を母方に持つ。彼女自身も優れた死霊術師である。
後宮をはじめとする王城近辺の守護に加え、鎮魂等で祭司の役を担っている。
幽霊船での戦闘後、アスタレーナの計らいにより、海外で死霊術師の関与が疑われる事件の調査に関わることに。
自国での本業よりも”良い暮らし”をできているのか、やや病的とも言える色白さに、程よく血色が差してきた。
◯第五王女レリエル
法務省と祭祀関係の重職を兼任。母方は魔法契約関係の大家。
役職と能力の影響か、長兄に輪をかけてクソ真面目なメガネっ子。
しかし、ルールの遵守を重要視する姿勢を見せつつも、継承競争の在り方そのものに対しては、決して全肯定的ではないようだ。
また、自分たちを競わせる立場にある枢密院に、何かしら思うところがある様子も。
◯第六王子ファルマーズ
魔道具の研究開発における若き名工。
継承権者の中では唯一、継承競争において明確なアクションを起こしていなかった。
しかし、一人挑戦権を行使しなかったことで、国王直属の諮問機関、枢密院から小言をいただくことに。
かねてより進行中であった、魔導師装甲化計画に対し、計画の完成が世界的な戦火の拡大を加速させるのではないかという懸念を抱いていた。
そこで、設計図も兼ねた試作版魔道具を引っ提げ、リズが待つ戦場へ。事前に想定されていたダンジョンという環境で魔道具を始末することで、彼女に勝たずとも、計画の進行を遅延ないしは凍結させることを目論んでいた。
戦闘においては、魔道具一式の本体である鎧に魔法が通らず、しかも自律行動する12枚の羽根が射撃・突撃を繰り返し、リズを苦しめた。
しかし、魔族二人の外部協力と転移、そして魔道具の回路損壊という奇手の連続で、最終的に無力化。自身は傷を負わないまま、リズに捕らえられている。




