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4章11


ノックの後、部屋に入ってきたのはエールだった。


「あぁリューヤン、目が覚めてよかったよ」


よかったと言う割には顔色が悪いエール。


「ここはオラクルか?」


「うん、リューヤンの言うとおりオラクルに来たよ」


「俺の言うとおり?」

なんだか引っかかる言い方をするエール


「僕はどうしたらよかったのかな?」


おかしい。明らかにいつものエールではない。俺は不安にかられて集毒草の実を飲み込んだ。





目が覚めると、俺は宿のベッドの上だった。


俺が目覚めて少しするとノックの後にエールが入ってきた。


「あぁリューヤン、目が覚めてよかったよ」


「エール、俺はどれくらい眠ってた?」


「5日くらいかな。その変なナイフが直撃を防いでくれなかったら、命はなかっただろうね」


5日。なるほど。死に戻りしようと思ってもベッドの上にしか戻れないのはそのせいか。

おそらく死に戻り自体はできているものの、俺が目覚めるのが今。


「変なナイフ?あー」


俺の愛剣こと、黒刀龍滅だ。エールパパとの幾度とない戦いの中で、コイツの抜刀技能だけはやたら上手くなったと思う。


「そういえば、エールは何か後悔してるのか?」

俺は、どこか暗いエールが気になって尋ねた。


エールはうつむき加減のまま、一瞬、目を見開いたかと思うと、すぐに表情を元に戻して言った。

「今は僕の心配より、リューヤンは療養に専念しなよ。食事を運んでもらうようにお願いしておくね」


そう言うとエールは部屋から出て行ってしまった。

追いかけようと立ち上がろうとしたが、身体がうまく動かない。エールの言うとおり、まだ休みが必要なのかもしれない。


俺は少し横になると、すぐに再び眠りにつき、気づけば翌朝だった。



朝起き上がると、体調はかなりマシになっていた。身体のそこらじゅうが筋肉痛のように痛むが、日常生活ができないほどではない。


宿の1階で朝食を取ろうと思ったら、すでにエールが座って待っていた。


「やあリューヤン。身体は大丈夫かい?」

相変わらず元気のない顔でエールが挨拶してくる。


「おはよ、まあなんとか、起きられないほどじゃないな」


俺の返事を聞くと、エールは少しだけほほ笑んだ。


「そういえば、あの後どうなったんだ?」


俺が気絶した後、どうやって宿までたどり着いたか確認しなくては。


「・・・うん、順番に話すね」

エールは少し間を置いてから、そう答え、朝食のパンをもそもそと食べながら、話し始めた。

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