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4章9


出発して3日後の夕方、俺とエールは爆炎の上がったとされるあたりに到着できた。多分これが一番早いと思います。


俺とエールが道沿いにオラクルに向かっていると、前から幼顔で真っ赤な髪の女性と小柄でショートヘアの女性が歩いてきた。ククルとピクシーだ。


俺が顔を綻ばせかけたそのとき


「避けろ!」


エールが大声で叫んだ。


その瞬間、道の脇が真っ赤に光り、巨大な炎球がククルとピクシーを襲う。


エールの声のおかげで直前に気づくことができ、直撃は避けることができたようだ。

だが、ククルのことをかばおうとしたピクシーの左腕が真っ黒に焼け焦げている。


エールは叫びながらもオニマルを操り、ククルとピクシーの横につけてオニマルから飛び降りた。


炎球が飛んできた元からは、炎のように逆立った髪をした体長2mほどの大男。そう、以前戦った火炎の魔人が現れた。

髪も肌も血のように赤黒く、身体全体から魔のオーラが立ち込めているような雰囲気がある。

あれ?こんなに赤黒かったっけこいつ。色違い?1/4096?


「リューヤン、指示を!」


俺が緊張感のないことを考えていると、エールが叫ぶ。

今のフル装備状態エールなら1対1でもいい勝負できそうだが、火力負けするとジリ貧か。


「戦わずにオラクルへ向かおう。俺とエールでできるだけ足留め、ククルはピクシーを連れて逃げろ。」


さくせん:いのちだいじに


エールのこうげき

 目にも留まらぬ早業で、火炎の魔人を切り裂く。


火炎の魔人は両手を盾のようにかまえて防ぐ。

エールは火炎の魔人の手にわずかに傷をつけた。


リューヤンのこうげき

 エールのこうげきに追随し三又槍で脇腹を突いた・・・が、わずか1mmほど傷がついただけだった。


火炎の魔人は三又槍を左腕でつかみ、俺ごと持ち上げる。


「うわっと」


俺が浮き上がっている間にエールは火炎の魔人に切りかかる。だが、火炎の魔人が右腕を一払いすると、手の軌道に沿って火炎が噴き出す。エールはあわててかわした。


俺は身体が1mほど浮かされたところで、三又槍から手を離し地面に着地した。着地後にすかさず腰から黒刀龍滅を引き抜いて火炎の魔人の左足を一刺し。今度はなかなかの手応え、刃が1cmほど突き刺さる。


クリティカルヒットだな。と、俺が攻撃の成功に一瞬気が緩んだ瞬間、火炎の魔人はボーリングの投球のようなフォームで俺を殴り飛ばそうとする。


そこで俺は意識を失った。





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