4章8
「数日」と書いていたのが「3日後」になっていたり、「馬」から「オニマル」に変わっているのは作者のミスではなくて、実は理由があるんです。
「つまり俺とエールがペアで移動すればいいのか?」
「いや、前を見て運転してって言ってるんだけど?」
再び脱輪の馬車。
今回は俺、エール、馬のチームとマッシュ、馬車のチームに分かれてみようと思う。チームとか言っているが、マッシュは1人で留守番だ。
移動は基本的に魔馬のオニマルに俺とエールが2人乗りしていくことになる。
エールいわく、2人乗ってもスピードはほとんど落ちないだろうとのことだ。
やっぱ魔馬のオニマル。2人乗っても大丈夫。
もちろんだが、俺に乗馬経験なんてものはない。
しかも、オニマルに手綱は付いているが、鞍はない。
つまりエールが手綱をにぎり、俺はエールの後ろに座るだけ。
最初、乗りながらつかまる場所がなくて困ったが、オニマルの首にロープを巻いて、それにつかまるようになったらかなりマシになった。
乗るのに少し手間取ったが、乗ってしまえばバランスを取って座っているだけ。乗馬はなかなか快適であった。
(快適な乗馬)
3分後・・・
(何か違和感を感じる乗馬)
30分後・・・
(違和感が増す乗馬)
60分後・・・
(休憩の乗馬)
オニマルを休ませるために少し休憩を取ることになった。
「ぐっ、クソ、痛ぇ」
何かに攻撃されたのではない、これはおそらく・・・筋肉痛!
お尻も若干痛いが、内股の変なところがかなり痛い!
産まれたての仔馬のような歩き方をしているとエールが爆笑している。
「あははは、リューヤンお酒でも飲んでるのかい」
他人の不幸を笑うなんて、エールには人の心がないのか。許せねぇ。許せねぇ。それよりも痛い。
そこからは絶望のデスマーチだった。
少し移動しては激痛と共に休憩して、それを繰り返す。夜には疲労困憊なのに痛みでよく眠れないという拷問。
乗馬移動はただ乗っているだけで良かった。魔物が出ても、オニマルのスピードなら余裕でぶっちぎれるので、とにかく乗っているだけでいい。
それなのにめちゃくちゃ辛い。馬車よりも徒歩よりも乗馬が一番つらい。
だが俺は3日間の間、鋼の精神でなんとかオラクルに向かった。
どうして俺が痛みに耐えられたかって?
この痛みをもう1回やり直すのは絶対に嫌だからだ。死に戻った場合は、またこの筋肉痛と最初から向き合わなくてはいけない。そうなっては本当の拷問だ。
なんとしてもククル達と合流して、今回でループをおしまいにしてやる。




