4章6
再チャレンジと言っても、チャレンジするのはエールなので俺のやることは変わらない。
オラクルまでマッシュと馬車移動だ。
俺とマッシュも、直接ククル達と合流する案もあったが、馬車が通れる道を使うと逆に時間がかかるらしく、オラクルで集合することになった。
エールが合流できても、エールが間に合わなくてすれ違ったとしても、俺とマッシュがオラクルに着くころには、エールもオラクルまで到着できる見込みだ。
「よしエール、いってこい」
まあ、前回の到着時間的にまだ半日くらい間に合わないだろうけど、後のことはエールが着いてから考えよう。
・・・そう思ってエールを送りだしたが、俺とマッシュがオラクルに着き、夜になっても翌朝になってもエールの姿はなかった。
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再び脱輪の馬車
「ちゃんと前を見て、」
「ん~なんでだ?」
「なんでだ?じゃないよ!ちゃんと前を見て」
「エール、俺の予言ってどれくらい信じてる?」
「え?あ?えーっと百発百中?じゃないの?」
急な質問に怒るのも忘れて答えてしまうエール。ちょろい。
「だよな」
「なに?」
やはりエールは俺の予言を疑っていないはず。俺の予言を無視してオラクルに来ないなんてことはないと思っていいだろう。
んー・・・なんでエールがオラクルに到着できなかったんだ?
まあ何度かやらせてみるか。
3回ほど繰り返しても、やはりエールはオラクルに来ず、俺たちと合流することはなかった。
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再び脱輪の馬車
「ちゃんと前を見て、」
「なんでなんだ?」
「前を見ていないと、さっきみたいに脱輪するからだよ」
俺の疑問にエールはいらいらと答える。
「なあ、ここからオラクルまで3日後の昼前までに着こうと思ったらエール間に合うか?」
「無理」
マッシュが答える。
あ?エールならできるとか言ってなかったか?
「どうやっても間に合わないか?」
マッシュは馬を指さす。
「あー、乗馬していけば、なんとか昼前には着くかもね」
エールはマッシュの伝えたいことがわかるらしい。
「ん?でも馬車引いてるからエールが走った方が速くないか?」
そう言ってよな、たしか。
「ちがうちがう、馬車を置いて馬だけ連れて行けばって話さ」
その発想はなかった。そうならそうと説明しろよなマッシュ。
「よしっ、じゃあ行ってもらいますか」
俺は再びエールを送りだした。




