4章2
ただいま戻りました
エールの提案で、オラクルに寄ってから旅に出ることになった。
オラクルからキーフ族の集落に向かうときは最短ルートで移動したが、帰りは安全なルートで移動するらしい。
安全なルートだと、移動距離は長くなるが危険な魔物が出ないそうだ。
来るときは徹夜強行だったので、帰りは馬車に揺られてのんびりできるのはかなり快適だ。
道中で、大きなねずみや巨大な芋虫の魔物に何度か遭遇したものの、エールが一蹴して全く問題は起こらなかった。
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移動1日目。快適な馬車ライフ。外を眺めたりエールと雑談したり。新武器を雑魚魔物で試したり
移動2日目。馬車の操り方を習う。なかなか難しい。魔物を狩るのがいいストレス解消になる。
移動3日目。馬車の操り方を習う。なかなか上達しない。マッシュの教え方が悪い。
移動4日目。馬車の操り方を習う。くぼみに脱輪させてエールに小言を言われる。
4日目の夜。俺はついに限界が来た。
「もう馬車の練習なんかやらないからな!」
俺はそう宣言してふて寝した。
手綱をとるのは基本的にマッシュだが、休憩や不足の事態に備えて俺もできた方がいいということで習っていた。
だが、このマッシュ。口数が少なすぎるため、どこが良くてどこが悪いのかさっぱりわからない。
道を間違えていても「右」と言うだけだったり、道路標識の方がもう少し親切だと思う。
ちなみにエールは夜番のため日中は魔物が出ないかぎり眠っている。
眠っている所に俺が突然脱輪させたので、文句を言われた。
俺だってもう少しきちんと教えてもらえば上達すると思う。あの教え方はパワハラに違いない。
しかも俺は戦闘にもそこそこ参加しているので、馬車もできるユーティリティープレイヤーになれという要求は給料に見合わない。無給なので当然見合わない。
俺がへそを曲げたため、役割分担の変更をすることになった。
リューヤン:昼間の戦闘担当
エール:夜の警備
マッシュ:雑務全般
馬車もあり、装備もそろい、仲間も増えたので順風満帆と思いきや、トラブルというのは思いがけないところで起こるものだ。だいたいマッシュのせい。
行きと大して変わらない日数の旅程なのに、ぎくしゃくしているせいか長い道のりに感じた。